写真上はセントニーニョ教会の八角堂、写真下はその中に立つマゼランクロス。
【シティツアー】
入学したての頃に話は戻ります。最初は右も左もわからず、日本と違って散歩できる道もなく公共の交通機関も使いにくい環境に絶望していました。これを救ってくれたのが学校主催のシティツアーでした。
行った結果、知り合いもでき、セブ島の大まかな観光ができて、視野が広がり、その後の一人歩きがぐんと楽になりました。
申し込みは簡単。学校の掲示板に案内が出ていたら事務室で申し込むだけ。参加費は1000ペソ(約2000円)。2週間に一度、迎えられる新入生に合わせて開催されます。
誰にとってもシティツアーの満足度は高いようで、休み時間に英語で書かれた案内チラシを読んでいると、台湾出身の親切な大柄の男性が「これは行くといいよ!」と自分の体験談を交えて熱心に話してくれました。
学校のない土曜の朝8時半、学校のロビー前に泊まっているバン2台に乗り込んで出発。ツアーガイドは学校の先生と現地の旅行会社の男性の計2名です。英語初心者向けにゆっくり話してくれるので、ガイドが英語でも難しく考える必要はありません。
ギラギラの日差しの中、歩くぐらいの速度で進む恐るべき渋滞の道路を抜けると一時間半ほどで第一の立ち寄り場所のサントニーニョ教会に到着。(距離にして14キロ。道路事情の悪さがわかるでしょう)
【セブ一番の歴史的建造物・サントニーニョ教会】
車のドアを開けるのも嫌になりそうなくらい暴力的な日差しの中を降りると、入口付近に八角堂がありました。天井には空が描かれ、中心部には「マゼランクロス」と呼ばれる木製の十字架が飾られていました。
歴史上、初めて世界一周航海を成功させたマゼランがセブ島で400人の島民に洗礼を行ったときに使ったものとされ、信仰の対象となっています。おばあさんが赤いろうそくをもって熱心にお祈りしていました。
ガイドの先生が「この十字架を削って持っていると万病が癒えるんだよ」と説明してくれたのですが、目の前の十字架は、削った後もなく、きれいなまま。あとで調べると、とっくの昔にレプリカが立てられていたのでした。
教会内部に入ると、人がいっぱいいました。1565年に創建されたフィリピン最古の教会で18世紀に再建されたとのことですが、南国らしく、明るさに満ちています。