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シーサンパンナ景・はねつるべ②

2014-07-19 16:22:53 | Weblog
写真は跳ねつるべに結わえられながらも、ゆったりとくつろぐ水牛。立つも座るも思いのまま。牛の後ろに見える林の木々の下側が白く塗られているが、これは石灰。シーサンパンナの木々の、とくに沿道の大木は白く塗られている。地元の人に聞くと「虫除け」というのだが、北方の陝西省大同でも同様にポプラの木の下側が同様に白かったので聞くと、「虫除け」という理由もあれば、「道路から外れないように目印になる」「反射を期待して明かりとり」など様々な回答を得た。どうやら
木々の下側を白く塗るのは習慣化していて、ナンのためか、はっきりとした理由はもはやあやふやになっているようだ。

【効率的な飼育法】
よく考えてみると、じつに効率的な方法です。本来、放牧には見張りが必要だし、たんに綱につなぐだけだと、(犬をつないだ経験からですが)意外と動物の足や綱をつなぎ止める留め金に引っかかって、気づくと身動きがとれないようになってしまいます。

また、犬を自由に動けるようにとカーテンレールのように高めの場所に針金をわたし、一直線に行ったり来たりできるようにしたこともありますが、やはり、途中でからまったりして、意外とうまくいきませんでした。犬ならば簡単に足を上げさせて絡(から)まった綱をほどけますが、大きな牛ではそうもいきません。

 その点、跳ねつるべ方式ならなるほど、結構な広さを移動出来るし、跳ねつるべの先につける綱を長めにとれば、円の中心から遠くまで、からまることなく自由に動けそうです。

 ただ、ちょっとひと休みするときにもテコの原理の先の重しがあるので、首を下げるのにも苦労しそうに見えますが、牛たちはお腹を地面につけてゆったりと休憩しています。そもそも装置のすべてが竹でできているので、軽く、柔軟性もあって、意外と快適なのかもしれません。

 この跳ねつるべ、起源はどこで、いつごろからあり、分布域はどうなっているのか調べてみました。すると、エジプトでは5000年前からあり、中国でも紀元前から確実に存在することがわかりました。日本の農村でも、かつてはよく使われていました。

また、世界の幅広い地域で今も現役で活躍しています。アフリカでは灌漑設備として、ハンガリー、エストニアなどでは家畜の水飲み場で使用されているのです。けれども、牛をつないでいるという文や画像は、どう探しても、どうも見あたりません。

 シーサンパンナの人にとっては当たり前と思われる、この跳ねつるべの使い方は世界的に見ても斬新な使い方なのかも。

 雨期に水田のために水路からくみ上げるのに使われるため、常時設置されているものを有効活用した、とも考えられますが、水路から遠く離れた場所にも、牛用跳ねつるべ綱木があるところをみると、牛専用という気がします。いつか、雨期に行って、確かめてみたいです。
                             (つづく)

コメント
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