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脱線編・マカオの白いコウモリ傘

2011-05-15 16:49:44 | Weblog
         
         
写真上は、香港半島から香港島をのぞんだところ。ちょうど「光のショー」見物のための観光ジャンク船が通りすぎた。
写真下はマカオのタイパ島とコロアン島の埋め立て地に立つ巨大カジノホテル施設からもれる光を自然保護区からのぞんだところ。
【香港・マカオの「光汚染」】
 香港は、現地用語で「光汚染」と呼ばれるほどの、夜空が照り輝く電力都市。鹿鳴春で1時間でもディナーが楽しめたのは、8時に終わる「光のショー」のおかげでした。なんと毎晩、香港島の北側全体が、大音響の音楽に合わせて、ビカビカとレーザー光線を放ち、ビルの照明をリズミカルに点灯させているのです。観光客は対岸から無料でこの華やかな光景を楽しむ、という寸法。つまり鹿鳴春の予約客は、ショーの後、ゆっくり夕食を、という人達でした。

 さてマカオの夜も負けてはいません。夜の空は本当に明るい。
ラスベガス仕込みの広大なホテルに泊まったのですが、迷うと客室までたどりつくのにさらに30分はかかる、というたいへんなところでした。
 
 カジノは24時間営業。シルク・ド・ソレイユも毎晩。ミネラルウオーターは飲み放題。辻立ちのマジックショーをただで見ることも可能。それはそれですごいものでした。ただ雰囲気は(関東の方はイメージできるでしょうか?)世界最大級のイオンモール・越谷レイクタウンや船橋のららぽーとにそっくり。なんとなく清潔で自然がなく、安っぽい。宿泊客は、中国本土からの家族連れが多かったので、安心、が重要なキーワードなのかもしれません。

 ちなみにこの3月、マカオの賭博収入が過去最高を記録したそうです。いまやデフレの国・日本の方が、よいものがより安く買え、一方、インフレの国・中国から来る人々は香港やマカオの方が安いとのことで、見事な消費っぷりでした。

 また日本の新聞によるとマカオからおよそ90キロの広東省深セン市龍崗区に、来月、同地で4基目の原発が新規に稼働するそうです。これは中国では14基目。2015年までには37基に増加する予定なのだとか。福島原発で苦しむ日本を凝視しつつも、中国は日本より安全だと言いはって計画の変更は一切なし。どんな根拠があるのか、知りたいものです。

【さぎ山、発見】
 さて、そのホテル街から歩くこと15分ばかりの湿地に唐突に金網が張り巡らされた自然保護区がありました。中は東京ドーム2個分以上の広さの窪地です。

 ほこりっぽさと喧噪にささくれた気分で、車のビュンビュン通るアスファルトの道からなにげなく目をやる。と、黒い目をぼーっと見開いたとぼけた顔のシラサギたちが、深緑の森の上に、まるでいたずらで突き立てた白いこうもり傘のような風情で、ニョキニョキと生えているかのように存在していました。数百匹はいそうです。

 バードウオッチングの世界では、このような営巣地を「さぎ山」というのだそうです。車の排ガスや土煙、光害のど真ん中に、この不思議な光景。ほっとしました。 (つづく)
コメント
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