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番外編・香港で見つけた雲南①

2011-04-09 20:34:25 | Weblog
写真は香港・上湾の乾物通りにて。「日本元貝」(貝柱のこと)の文字が踊る。2011年4月撮影。

【賑わう場所】
 3月21日のテレビのニュースは自粛ムード一色でしたが、賑わう場所もありました。東京・多摩地域にある吉祥寺駅や町田駅などの都心周辺は、いつも以上の混雑ぶりでした。
 被災地の方々とは比べるべくもないにせよ、それでも異常事態の日常に疲れたか、逆に戦闘的に目覚めてしまったかの人々がターミナルに吹き寄せられ、何かを爆発させたかのように消費に走っていました。電器店も本屋も道も人でワサワサ。「安・近・短」が加速して、カラオケ店の株価も上がっているとか。
 被災地に心を寄せ、できることをし続けながらも、自分の生活を保ち、前進しているこうと思いました。

【香港に行ってきました!】
 そこで、むやみに自粛はよろしくないと、香港、マカオに行ってきました。
 香港のテレビでもトップニュースは連日、福島原発。
3月29日の大見出しは「福島問題、未解決」「中国黒竜江省や広東省でも検出、アメリカでも少量放射能」。
3月30日には香港にも日本の放射能が到達するも、人体に影響の出るほどではないので、心配しないで、と報道されていました。東京電力が言う「拡散するので問題ない」は世界の大迷惑。日本人として肩身の狭い思いをし続けていました。

 にもかかわらず、香港の人もやさしかった。
 ブティックや飲食店には義援箱と「日本、加油(がんばれ)」の文字が。ペニンシュラホテルのフロント前には「1000羽鶴プロジェクト」といって、義援金を渡すと、折り鶴を一つ、白いクリスマスツリーのような木に結わえることができるようになっていました。その鶴は日々、増え続けていったのです。日本人学校の生徒さんが受付に座って、義援くださる方にお礼を述べていました。
(珍しく名の通ったホテル宿泊体験でした!)

 私にも町の人から「日本は今、たいへんだね。大丈夫か?」と、温かな口調で呼びかけらたことも。テレビでは大勢の中国の大学生がお揃いのTシャツに、日本語の大合唱ソングで義援金を募るテロップも流れていました。香港国際映画祭で集ったジャッキーチェンら香港スターが、日本のために義援コンサートを開いてもいました。

 ニュースでは知っていたのですが、目の当たりにした感激は、やはり違います。そういう場面に出会うと、小さく「ありがとう」とつぶやいて、頭を垂れておりました。

【俵物の価値】
 香港で海産物の取引場として知られる上湾。そこには燕の巣、フカヒレ、アワビ、なまこなどの乾物がずらり。店の人は燕の巣やフカヒレに付着したゴミをピンセットでせっせと摘み去っては商品価値を上げることに余念がありません。
 そこで最上物として取引されているのが、北海道産や青森産のフカヒレやアワビ、貝柱、昆布でした。グラム当たりの値段は日本の新幹線の車内販売で買った方が安いのではないか、と思われる金額です。いろいろな店をのぞくと、日本の最上物が入っていたケースが空になっている店もありました。

 また、おしゃれな香港みやげのショップには日本の米やカップラーメン、粉ミルクなど、大きく「日本製」「北海道産」などと書かれた商品がずらり。
 日本には資源がないから、工業製品の輸出で頑張るしかない、と、かつて学校で教えられ、漠然とそのように信じ込んでいたのですが、じつは水は軟水で冷涼、土壌もよく、とても豊かな国だったのだと改めて気づかされました。

 原発事故による放射能汚染を正しく理解して、世界にも正しく告知することが今後の農産物復活の布石になることは間違いありません。

 ともかく放射性物質を封じ込めてください。それに向け、頑張っておられる方々、その奮闘は想像しようもないものですが、ご無事と成功の日々、心を込めて祈ってます!
(つづく。次回は香港のおいしい食べ物です。)

コメント (2)
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