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茶王のテンプク4

2008-07-05 13:11:50 | Weblog
写真は昆明の目抜き通りにある天福茶店。この通りには茶店が多いが、これほど、明るく、掃除の行き届いた店は珍しい。

【1元訴訟】
 2004年11月1日、雲南省玉渓市内の香料有限公司に属する覃宏以下3名が、昆明市内の天福集団チェーン店にふらりと現れた。昆明市と玉渓市は高速道路で2時間程度の距離。その遠距離を移動し、何をするかと思ったら、天福集団製の「千年老樅プーアル茶」を購入するのみ。

 目的は商品説明書にあった。その商品には「本品は海抜1800メートル以上の雲南省思茅茶区の千年老樅から取った茶葉を使用しています(以下略)」と書かれている。傍らには彼らが見たところモン海県巴達(ハタ)郷の原始林内にある樹齢1700年の野生古茶樹の写真があった。覃宏は、ひと目で古茶樹の違いに気づいた。

 さらに「“千年老樅”が属する野茶樹は国家二類保護珍稀植物だから、『雲南省珍貴樹種保護条例』の規定では、加工をする時に省林業行政主管部門の批准を受けなければならないはず」とも気づく。

 もう、こんなことに気づくなんて魂胆がみえみえですね。彼はさっそく関係部署に問い合わせた。当然ながら、彼のにらんだとおり、あるはずの批准文書は見つからなかった。この件より、彼は商品説明の真実性に疑問を抱き「消費者を欺いた」として、茶の購入代金4缶分の200元及び損害賠償1元を求めて天福集団のチェーン店を昆明市五華区人民法院に告訴したのである。

 ちなみにこの天福集団のチェーン店は昆明市内に高級茶葉店として店を構えていて、なかなかの羽振りである。行くと気軽に試飲もできるし、店員はこの訴訟を知ってか知らずか、悠然と例の茶葉を売り続けていた。

 結局、翌年の1月27日昆明市五華法院で、消費者覃宏の指摘には何ら論拠がない、として、請求は棄却された。

 一方、天福側は名誉を著しく傷つけられたとして、すぐに覃宏らを相手取って起訴状を出すと声明を出したが、それ以上の報道をおそれたのが、なんとなくうやむやに裁判は収束したのだった。

 中国の訴訟社会体制は日本より進んでいる。しかし、その割には弁護士の資格が日本より格段に取りやすい。はっきりいってある程度、法律文を覚えれば、申請を出すととれてしまう。質の問題はこれから顕在化していく事柄だろう。
コメント
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