雲南、見たり聞いたり感じたり

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魚料理2・レン魚  上

2008-01-19 00:07:36 | Weblog
写真は西安の人材市場、つまり「打工(日雇い人夫)」の仕事待ち場にて。彼らはスキや鍬を持って日がな一日、道路にたたずむ。多くの人が、あきらめ顔で沈んだ午前10時すぎ。バイクで客と仕事待ちをするこのお兄ちゃんの周辺だけが、明るかった。カメラを構えて「撮っていい?」と尋ねるとこの張り切りよう。底を知る人だけがもつ明るさが、感じられた。

【レン(魚へん+連)魚】
雲南とは少し、外れてしまうが、桂魚ほどではないにせよ、美味な魚として主に南方で愛されている淡水魚系の魚に「レン魚」がある。春節前のお料理番組で料理研究家が「今日は特別に、レン魚の料理をつくりましょう」と大業な京劇の型でみえを切ってうれしそうに調理していたのも、この魚だった。

 現在では一般にレン魚というと、体が白い白レンか、体が黒い黒レンを指す。地域によって、呼び名がバラバラなのだ。解説書のなかには両者を混同して書いているものもあるほど、よく似ている。だが古来にさかのぼるとレン魚は白レンを指し、黒レンは「魚へん+庸」魚と書かれていた。

 明(日本の室町時代から江戸時代初期のころ)代に李時珍によって著された『本草綱目』には
 「レン(魚へん+連)之魚在腹、ヨン(魚へん+庸)之美在頭」
 (ハクレンの旨さは腹にあり、コクレンの旨さは頭にある)

とあるようにコクレンは頭が全体の三分の一を占めるほどに巨大化する。体長も40キロ、1メートル以上になる。また『本草綱目』には、いずれの魚も「胃によい」とされている。台湾では味がよいことから、コクレンがさかんに養殖されているそうだ。

 今回はこのコクレンの話。

 西安をぶらぶらしていたら、たまたま湖南省料理の店が目に入った。さっそく食べてみようとなかに入ると、おすすめは「レン魚」という。ふと、メニューの脇にかかれている説明を見ると、清末に太平天国を破ったことで有名な湖南省の英雄・曽国藩にちなんだ料理だとでていた。彼がストレスで体調を崩して何も食べられなくなったとき、レン魚を食したところ、胃から回復した、と書かれていた。すごい料理だ。さっそく、その「開胃魚頭」を注文。出てきた料理はナポレオンフィッシュと鯉を掛け合わせたような巨大な魚の頭の煮付け、といったものだった。
(つづく)
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