まだまだ続きます、クロス・ロッテリーの話題。今年から賞金レースになったのに加え、14~18歳のジュニアの部、19~34歳のセニョール部は、ルーマニア陸上競技連盟登録者とアマチュアの部にさらに区分け。セニョールの登録競技者の部の優勝賞金はなんと、6000レイ。オリンピック出場経験もある現役エリートランナーまで参戦してくるレベルの高さ。
女子の部にはオリンピック・マラソンランナーのアドリアナ・ピルティア選手も出走!(この方、大阪国際女子マラソンにも来られています、こちらとこちらから) 上の写真、0213がピルティア選手。
(当然ながら、女子のトップゴール)
35歳以上はベテランの部と設定され、さらに年代によって1部と2部に分かれます。登録競技者とアマチュアの区別はなし。35歳からのベテラン1部男子は、ルーマニア全土で見ると、この年代でも務免除で走っている軍隊所属のランナーや、以前ガプリエラ・サボー(=シドニー五輪女子5000m金メダリスト)の練習パートナーであったランナーなど、この年代でルーマニアを代表するようなランナーも多く、激戦。
今年42歳になったステファンは、ブカレストを代表するランナー。が、35歳とベテランの部の年代が引き下げられたら(昨年までは41歳以上がベテランの部)、優勝するにはちょっと難しくなってきます。ブカレストではなく、地方で同時開催のクロス・ロッテリーに行かないの?
「この年代の各地の35歳以上の強豪ランナー5人は、電話で探りあったんだ。そして、誰がどの都市へ行くか、決めたんだ。下手に競合して、優勝賞金を取り合うのも馬鹿らしいと言うわけ。ブカレストは誰、クルージュは誰、ヤシは誰、と、5都市をすべて5人で分け合うように、談合した。だから、僕がどこへ行っても、1位の座はすべてもう、埋まっているのさ。」~なんと、うまく話し合ったもので。まさしく「ヤルタ会談」。こういう情報がレース前に伝わっていると言うことからも、「ヤルタ会談」の結束力がうかがえます。
「コンスタンツァを走ることになった○○(=ランナー名)には、勝てるチャンスはある。実際、8月にも勝っているし。でも、コンスタンツァには、ウクライナからランナーがエントリーしてきている。ウクライナから、わざわざ健康のために走りに来るかい?そんな訳はない、優勝賞金を狙ってくるのさ。だから相当な強豪。僕がコンスタンツァで走っても、最高で2位だろう。」~元ソ連邦のウクライナ、けっして裕福な国民生活ではないのです、走ってお金を稼ぐプロがいます。
ヤルタ会談に参加してブカレストを走ることになった△△(=ランナー名)とステファンは、ちょっと力の差があります。「僕はどこで走っても最高で2位。だとしたら、ブカレストで2位を目指すよ。」
(スタート10分くらい前、中央の2541がステファン。落ち着いて並んでいるようですが・・・)
(この後、どんどん前からランナーが入ってくるのです)
(結果、最前列には、登録選手の強豪たちばかり。新しくなったルーマニアチームのユニフォームは、青に黄色ライン、棟には「ROMANIA」、メディアからのインタビューも。)
逆に考えれば、何の打ち合わせもなく、情報もなく、強豪がブカレストに集中してきたら、ステファンの順位はもう少し下がるかも。ここなら参加人数も少なそうだし、と当てずっぽうで地方遠征してみたところで、そこに強豪が集中しているかもしれないし。でも、分散してくれたおかげで、2位を目指すことが出来、実際、そのとおりに。公開「ヤルタ会談」も、良いところもあるかも。
私の年代でも、ライバル・イオアナが優勝を確保するためにコンスタンツァに遠征したおかげで、本来ブカレストで3位の実力のはずのマリアナが2位になっています。遠征費はかかっても優勝賞金をゲットしてイオアナもハッピー、繰り上がって2位になったマリアナもハッピー。これでみんなハッピーと考えて良いかな?(私もルーマニア的発想になってきた?)
記事中の写真数点は、プロ・サイクリズムさまから拝借。
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子供だけ別にしたレースも増えてきました。子供のクラスわけ別のスタートのれーすもあって、それだと2~3歳差くらいの子供たちどうし集まって走れるので、子供も走りやすいと思います。
賞金レースが時々あるルーマニア、やはりまだ、「食べていくのが大変」な国なのだと思います。友人が参加したマレーシアの大会も賞金レースだったそうです。とはいえ、私が例年参加しているフランスのTPC大会も、ちょっとした賞金が出ます。イスラエルのティベリアスマラソンも賞金レースでした。
今週末開催のブカレストマラソンは、さすがの大会、優勝賞金は男女それぞれに3000ユーロ。ケニアやエチオピアのランナーも招待し、「インターナショナル」にふさわしい堂々とした大会です。でも、市民ランナーの参加者はまだまだ、1000人未満(マラソンエントリー)、このマラソンは、首都開催のマスマラソンとして発展していって欲しいです。