寺田寅彦の歌「すきなもの いちご コーヒー 花美人 ふところ手して 宇宙見物」にちなんで昨日撮影した金星の日面通過の写真をまとめて紹介しましょう。7時31分頃
金星の太陽面通過は、セットで8年離れた日に起きることが知られていて、今回は2004年にあった太陽面通過とセットだったのです。第二接触の直後 7時36分
金星が最初に太陽面と接する時を第一接触、金星が完全に太陽面に入って内接した瞬間を第二接触、金星が太陽面から出る直前に内接する瞬間を第三接触、金星が太陽面から離れる瞬間を第四接触と呼んでいます。9時49分
前回(2004年)の太陽面通過の際の日本では、途中経過のまま日没を迎えたので、第三接触以降の現象を観測できるのは1874年(明治7年)以来、つまり138年ぶりのこととなります。 10時
その第三接触の際には、金星と太陽の縁との間に黒いしずくのような影がつながる、ブラック・ドロップ効果(黒滴効果) が見られることが知られています。10時30分
この現象は、地球の大気によるものとされ、ちょうど海面から出る(海面に沈む)太陽が海とつながってダルマのように見えるダルマ太陽現象と同じと考えられています。11時30分
この現象があることで、金星の日面通過の正確な時間の測定を困難にし、18世紀に、地球と太陽までの距離を正確に測定しようとする試みを困難にしています。 12時51分
ダルマ太陽は、天気が良ければ毎日見ることができますが、金星のブラック・ドロップ効果を次に観測できるのは105年も先になるのです。13時21分
また大口径の望遠鏡を使えば、金星のブラック・ドロップ効果を最小限にすることができるようです。13時37分
次の金星の日面通過は、2117年12月11日だそうですが、これを再び見る人がいるのでしょうか。