寒川神社の新年の神門を飾る「迎春ねぶた」。
2001年から毎年干支をテーマに作成されてきたが、3年前に干支が一巡したため、2013年からはテーマを古事記の「神話」へ変更された。
今年は、「記紀神話」の話を題材にした「海幸彦山幸彦(うみさちひこやまさちひこ)」である。
嫉妬と怒りにより攻撃を仕掛ける海幸彦に対し、最愛の豊玉姫より授かった潮盈珠(しおみつたま)・潮乾珠(しおふるたま)を使い屈服させる山幸彦の姿を描いている。
ねぶた製作者は青森ねぶた師の北村蓮明師。
約300個の蛍光灯やLEDの明かりでねぶたを浮かび上がらせる。
元日午前0時に本点灯し、2月3日まで夜の神門を照らす。
点灯時間は、正月三が日は夜通し、4日からは日没から午後10時までである。
夜のねぶたは少々億劫である。
寒川神社まではバイクで15分ぐらいだが、冬の寒夜をバイクで走りたくない。
車は道が狭くて面倒くさい。
それでいつも見逃していた。
今年の2月2日の夜はそれほど寒くなかったので、意を決して、見に行くことにした。
時間は夜の6時ぐらいだったが、誰もいなかった。
境内を埋め尽くしていた屋台もいなくなり、通路が妙に広い。
正月の喧騒が嘘のような静けさである。
足元もおぼつかない暗闇の先に、ねぶたが煌々と輝いていた。
その様はとても神々しく、不思議と神聖な気持ちになった。
静寂の中、ねぶたの前に一人佇む。
なんと贅沢な時間なんだろう。
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