徒然なるままに 

BGMはモダンジャズ、暇つぶしの自分史

戸塚の味

2013年09月09日 | 日記・エッセイ・コラム

JR戸塚駅西口は、昔の面影をたどることもできないほど、大きく変貌した。
かつてここには、旭町商店街というのがあった。
狭い路地に小さな店がひしめき、一度も肩をぶつけることなく商店街を通り抜けることは不可能なぐらい、人どおりも多かった。
西口には、同じような商店街が乱立し、昭和の雰囲気を色濃く残す町だった。
2002年、再開発は突然始まった。
最初に取り壊されたのは、西口交番の前にある一角だった。
Googleで検索したら、工事中の写真が見つかった。
Pic20130906
ここには、「しんせい」という名前の小さな定食屋があった。
小汚い店が多い中で、この店だけは清潔感があった。
人気は肉野菜炒め定食。野菜はキャベツだけで、甘い味付けがとても美味かった。
その後の消息は分からない。
あの肉野菜炒めも幻の味になってしまった。

跡地には、戸塚ウエストという桃色のビルが建ったが、地元との利害調整がうまくいかずに、ほとんど空家のまま放置された。
見切り発車の、なんともずさんな計画である。
本格的な再開発が始まったのは、5年後の2007年からである。
旭町商店街も封鎖され、ほどなく、解体された。
戸塚は大きく変貌したが、どこにでもあるような、つまらない町になってしまった。

 お気に入り名盤! ドナルド・バード:Fuego

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