読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

人間の剣 昭和動乱編1~4 森村誠一 中公文庫 その2

2005-06-15 23:53:43 | 読んだ
人間の剣は「愛」なのか「怨」なのか。
無銘剣は人の「怨」を集めて、「怨」を持つ者のところへ行く。そしてその者が刀を手にした瞬間、刀はしっくりとその者と馴染むのである。

無銘剣を次の者に引き継ごうとするとき、前任者(?)は「その刀はあなたのもとへ行きたがっています」といい、引き継ごうとする者は、はっとしてうなづく。
つまりは「怨」-「愛」-「怨」の連鎖がこの物語なのではないだろうか。

戦国時代から昭和まで、無銘剣は「怨」を抱く弱い者に引き継がれてきた。
そして、無銘剣を持つことによって、弱者は「怨」を晴らし、普通の人へと戻っていく。無銘剣がなければこれら弱者は「怨」を抱いたまま現世をさまよいそのまま死んでいったに違いない。

無銘剣は弱者の「怨」を集めて巨大な力を持つようになったが、この剣を持ったものには「愛」を与えている。つまりは「怨」-「愛」-「怨」の連鎖であるが、決して「怨」のままでは終わらない。

森村誠一の描く世界は、強と弱、悪と善が、からみあい、しかし最後には弱であり善であるものが生き残る。いわば勧善懲悪であり、なおかつ悪はステレオタイプである。

怨みを持つ者はかわいそうである。だから助けるが、助けあげたときは「0」のポイントで、そこから先は自力で生きよ!と森村誠一はいっているのだと思う。
だから、悪は薄っぺらだ、と思いながらも私は森村誠一を読むのだ。
物語に出てくる人物は薄っぺらであっても、物語そのものが骨太であれば、それはそれでじっくりと読むことができるのだ。

追伸
 やっと心に余裕がでてきたので、前から読もうと思っていた高橋克彦の「炎立つ」を購入した。
 そして長篇の小説を読むときには必ず「エッセイ」が側になければならない。というわけで「あの日あの夜」(森繁久彌)と「虹色の記憶」(岸香織)も買ってしまった。
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人間の剣 昭和動乱編1~4 森村誠一 中公文庫

2005-06-14 23:53:09 | 読んだ
森村通史「人間の剣」の最終シリーズ、昭和動乱編である。
4巻を読み終えて、実は、もっとも興味深く読んだのが最終巻の、下里正樹の書いた解説であった。

下里は松本清張の秘書と森村誠一の秘書をつとめ、その関係から二人のMについてエピソードを紹介し、比較している。

それを読んで気づいたのである。
森村誠一の小説にでてくる「悪役」特にチンピラはみな一つの形で描かれている。しかも非常に薄っぺらな人間である。
つまりは悪事を働くが、それはその人物のどういう心根から湧き上がってきているのか、ということがよくわからない、兎も角、そういうヤツはそういうヤツなのだ、ということが感じられる。

しかし、松本清張や池波正太郎が描く人物は、たとえチョイ役であっても「重い」。
その背景がうかがえる人間なのである。

多分松本清張や池波正太郎は、本当の悪党を知っているのではないだろうか。しかし森村誠一は本当の悪党にあったことがないのだ、と思う。

だが、だから森村作品は薄っぺらで内容がないのだ、なんてことは思わない。悪党の薄っぺらさを補って余りある、愚直なというか真っすぐな「正義」がドーンと中心にあるのだ。
悪は絶対に許せない、という気持が伝わってくるのだ。

松本清張や池波正太郎の作品では「悪」もまた「人」なり、なので、それはそれでいいのだ。
が、森村作品のように「正義」を押し出してくる作品も悪くはないと私は思っている。だから森村作品を無性に読みたいときがある。それは、周りの社会と自分の心を押さえつけてまでも折り合いをつける必要があるときだ。
そんなときに、悪も人なり、などとは思いたくないのだから。

人間の剣、昭和動乱編では、剣をもって殺すことはほとんどない。
剣を抜くことによる「霊気」のようなものが悪をしりぞけるのみである。それでも大きなカタルシスをえることができる。

-続きは明日なのだ。-
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締め切りが迫っている

2005-06-13 23:36:16 | 日々雑感
先週の木曜日が出張、金曜日はスクーリングのため、今日出勤すると仕事が溜まっていた。
しかも「すぐ」に対応しなければならないものばかりで、ホント、うんざりである。
で、8時30分からの始業前からフル回転で午後3時過ぎまで、グワーっとドヒャーっとやらなければならないことを片付けていた。

途中何度もイロイロなところから電話が入り、多分、相当険しい声であったらしく、「電話だと声が違うね」といわれたりした。

で、本当は今日の予定は、15日と16日と17日に締め切りが設定されている原稿を片付けることにあった。
自分の考えで引き受けたのは15日の分だけで、後のものは仕事上のものであり「断る」ということはできないもの。とはいえナントカしなければならない。幸いに今週は会議も打合せも予定されていない、月曜日から片付けるぞ!と意気込んで出勤したのであったが・・・

というわけで、帰宅して原稿を書いている。(職場にいるとジャマが多い)

私の場合、原稿を書くというのは、構想がまとまれば早い。
構想というのを具体的に言うと、決まり文句=いいフレーズ、言いたい事を自分なりにカッコヨク表すフレーズさえ見つかればいいのだ。
で、これが見つからないと構想の期間が長く、締め切りギリギリになってしまう。

今回の場合、スクーリングへの行き帰りに構想を概ね固めた。だから後は書くだけだったのだ。
それが、出鼻をくじかれ、そうすると構想が色あせて見えたりする。
迷いが生じるとつらい。

というわけで、もう少し頑張らねばならぬのだ。

追伸
 「メタフィジカルパンチ」(池田晶子)を読んでいる。
 これは哲学のことなので、グイグイと読めないので、一日1題というかんじで読んでいる。
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スクーリング終了

2005-06-12 22:04:18 | 産能大
3日間のスクーリングが終了。
やれやれ、というところだ。
が、今回は勉強になった。それは実生活においても役にたつものであった。
これだから、人の話を聴く、ということはやめられない。

予定では、今年はあと3回受講予定である。単位修得済みではあるが、学んでみたいものである。
こういう気持が続く限り受講しようと思っている。

追伸
 嘉壽家堂読書日記更新しました。
 「人間の剣」最終巻(森村誠一)を読んでいます。
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2005-06-11 23:19:43 | 日々雑感
久しぶりに雨音を聴いている。

今日は暑く湿気も多かったので、汗が、ジトッというかんじでうっとおしかった。
汗も、運動などでかいたものはカラッとしているが、今日のように何もせずにただジトッていうのはなんだかまとわりつく感じがして嫌なものだ。

そして、夜。
雨音が聞こえる、涼しい、気分になる。

追伸
 「あばれ狼」(池波正太郎)完読。久しぶりの池波ワールドを堪能した。
 「人間の剣」最終巻(森村誠一)を読んでいる。
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週間 ビジュアル 日本の合戦

2005-06-10 23:15:04 | 読んだ
創刊号である。
創刊号は「織田信長と桶狭間の戦い」である。

実は創刊号マニアでもある。従って、この本は「買い」なのだ。

これから買い続けるかどうかは、まだ決めていない。
面白いかどうかがわからない。というのは、俯瞰図、地形図以外あまりみるべきものがないのだ。
新しさもないし、詳しくでもないし。
ただ、図はいい。

桶狭間が海に近いとはあまり感じられなかったことだ。
こういうことは絵や図をみないとわからない。
そういう意味ではこれ「買い」なのだが・・・
ちょっと買い続けようか。

追伸
 「人間の剣」(森村誠一)の最終巻を購入。

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明日からはスクーリング

2005-06-09 22:53:57 | 産能大
明日からスクーリングです。
もう単位は獲得したので、気楽に受けようと思ってます。
せっかくの授業料、受けられるもの、興味のあるものは、積極的に受講してみようと思ってます。
某同級生も単位を充足したのですが、彼は授業料よりも時間が勿体無い、ということでした。それもそうのような気もしますが、気持が受講に向いているうちは通おうと思ってます。

追伸
 「あばれ狼」(池波正太郎)を読みました。
 今日は出張で、その暇つぶしにと思い短編集を買いましたが、やはり、というか、のめり込んで読んでしまいました。池波正太郎に勝てる研修会講師はなかなかいない。
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イーグルスも勝つ!サッカー日本も勝つ!

2005-06-08 23:00:17 | イーグルス
初めてのサヨナラ勝ち!
まあよかった。何はともあれ勝ったのだ。
反省点も多々あるが、ともあれ勝ってうれしい、はないちもんめ、なのだ。
若い朝井が投げて負けなかったことはいい傾向だ。

サッカーもイライラしながら観ていたが、勝って、よかった。
変則な状況での試合だったが、順当に勝つことができてよかった。

きょうは「よかった」の日なのだ。

ところで、サッカーのサポーターはすごいと思う。
試合を観ることができないとわかっていても、バンコクまで出かけていく。
皆で国立競技場で応援をする。
自分は到底できそうもない。ただ感心するだけである。

追伸
 本日は週刊朝日、龍(RON)39巻、週間日本の合戦(創刊号)を購入。
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久々に楽天イーグルス、テレビ観戦

2005-06-07 21:19:49 | イーグルス
せっかく、早く帰ってきて、楽天イーグルス対中日ドラゴンズをテレビ観戦しているのに、大負けである。
投手のテンポが悪いようだ。それが守備や打撃に影響している感じがする。
四球をだしても、ヒットを打たれても、テンポがよいとファインプレーがでたり、打線がつながるものだが・・・

今も一場が打たれたところである。
いいところはあるのだが、続かない、というかまとまらない投手である。みていて感じるのは「ヘンに力が入っている」ということである。
なんというか「八分の力で全力で」というのが、いいピッチングをしている投手の特徴なのだが。
もっと伸びやかに、頑張って欲しい。

相手チームもイーグルスをよくわからないだろうが、イーグルス自身も自分をよくつかめていないようだ。これは仕方がないこと。

追伸
 嘉壽家堂読書日記更新。「天使と呼ばれた悪女」(藤本ひとみ)
 「人間の剣 昭和動乱編3」(森村誠一)を読んでいる。
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文庫本のあとのおたのしみ

2005-06-06 22:02:27 | 日々雑感
文庫本のカバー見返り部分とかに、何かしらのマークがついている。
これをあつめて、グッズをもらった。

新潮文庫は、50枚で「yonda君クッション」30枚で「トートバック」を
文春文庫は3月締め切りで、御宿かわせみの浴衣とデジカメを狙ったが、落選で残念賞のブックカバーをいただいた。
そして講談社文庫はブックカバー。
と。(写真に収めました)

我ながら「マメ」なのである。
ちなみに、マンガ「モーニング」の抽選では「新茶」をゲットし今飲んでいるところである。

さて、昨日も書いたが中公文庫の景品ではウクレレを狙っているのだったが、結局今月末までは必要数が集まらず、別のものに変えざるを得ない状況なのだ。
ついでに言えば、角川文庫は、インターネットで報告をしている。ナニが当るかはまだ不明である。

本を読んだあとの楽しみなのである。
ちなみに文庫の数をみると
1位新潮文庫、2位文春文庫、3位講談社文庫、4位中公文庫 の順で、意外に角川文庫を読んでいない。
また、集英社、徳間、幻冬舎、小学館etcなどは少ない。

だから、新潮文庫のシールはすぐ集まる。(ちなみにトートバックは二つゲットした)
近頃は、こんな楽しみ方を覚えてきたのである。

追伸
 「天使と呼ばれた悪女」(藤本ひとみ)を読んでいる。
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中公文庫読むだっち!ラリー

2005-06-05 22:58:16 | 日々雑感
カモシュウ終了、ホッとする間もなく、やらねばならぬことが控えている。
どうも7月いっぱいは、あれやこれやと心落ち着かぬ日々になるようだ。
ただ、これもキリキリするような環境でのことではないので、余裕をもちつつ頑張ろうと思う。

さて、本日は「人間の剣:昭和動乱編3」(森村誠一)と「天使と呼ばれた悪女」(藤本ひとみ)の中公文庫2冊を購入。
本当は「人間の剣」の最終巻も欲しかったのだが・・・

実は、中公文庫の帯についているマークを集めて読むだっち!ラリーのプレゼントをもらおうとしているのだが、帯のついている文庫本が少ないのだ。
「応募マークは、2003年6月以降に刊行されたものについています」とあるが、ついてないついてないって・・・。

人間の剣は全13巻だが、私は3冊ぐらいしかついてませんでした。
何とか集めようとしているのだが、地元の本屋さんなんかでは、ほとんどついてないし。
今日は仙台の大きな本屋さんに行ったのだが、12巻についてて13巻にはなかった。
今月末が締め切りだし、なんとかやってはみるけれど・・・どうなっているんだ?

追伸
 嘉壽家堂読書日記更新しました。
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日直

2005-06-04 15:53:55 | 日々雑感
どんよりとした曇空のした、それでも雨に表れた緑が鮮やかな山の上で、日直しています。
昨日の宿直勤務からですから24時間の勤務であります。

といっても、宿日直というのは「断続的な勤務」ですから、定時的な見回りと何かあったときの対応をするのですから、その他の時間は基本的にはフリーなわけです。
この場合、時間をどう使うかがフリーなのであって、体も心もフリーではないのです。
その点はお間違えの無いように。

というわけで、この静かで制約の少ない時間を、明日の科目修得試験対策に向けているのですが、これがナカナカなので、焦ってしまいます。

といいつつも明日はなんとかなるでしょう。

追伸
 ということで、本日はテキスト以外読まないことにしているのだ。
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ギャラリーフェイク「真の審美眼を持つ者!!」

2005-06-03 23:36:28 | 読んだ
コンビニで見つけた新しいもの。
7編収められている。
今回収められているものは、美術品にかかるウンチクのようなものが少なくて、周りを動く人たちの人生というか・・・そんなものが主になっている。

主人公の藤田がメインで動くというより、ゲストたちが主人公になって動いている物語を集めたんだと思う。
それはそれなりに面白いわけで、あっという間に読み終わったのだ。
そっち方面についてはまったく興味がないので「そうなんですか」と思い感心しているのだ。

ところで、何故今日このコミックを買ったのか?
宿直だからヒマつぶしに買ったのだ。
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美味んぼ 91 魯山人のお茶漬け

2005-06-02 22:14:57 | 読んだ
いよいよ「美味んぼ(おいしんぼ)」も91巻となった。
全巻持っている。(自慢になるのか?)

最初の頃の美味んぼは、我々でもナントカしたならば食べられるのではないか、という感触であった。高価な食材、高級なレストラン、料亭などでしか食べられないようなものは少なかったように思える。

しかし、今はもう手が届きそうにもないような高みにあるものばかりで、そして食べたこともないような食材をお使いになって・・・
どこから「お金」を調達してくるのだろうか、と、マジに思ってしまう。

まあ、その辺のところを勘弁してやって読むと、それはそれなりに面白いわけで、食事について制限をされている身にとっては、代替、として楽しんでいたりするのだ。

それに、ここまで付き合ってきたら、最後まで見届けるのが義務ではないか、と思うのである。
究極のメニューとはいったいどういうものなんだろうか、本当に「大団円」で終了するのか、その辺が興味の基なのだが・・・

追伸
 「週刊朝日」「山口六平太48巻」を購入。こんなのを読んでていいのか、そんな時間ないだろう とひとり突っ込みをするのであった。
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科目修得試験に向けて

2005-06-01 23:40:01 | 産能大
今度の日曜日は、科目修得試験(カモシュウというそうである)である。
今回も2教科を受験するが、なかなかはかどらない。
予定では、今週は「カコモン」(過去の問題)を調べ対応する、ことだったが・・・

一科目の「組織目標とリーダー」はA・Bリポートを終了していたが、もう一科目の「人材マネジメント戦略」は本日やっとテキストを読み終わり、Aレポートを終了したところ。
これから、カコモン、をちゃんとできるだろうか。

ところが、この「人材マネジメント戦略」は読んで面白く、試験を受けるより、もう1回読み直してじっくりと学びたいものなのだ。
なるほど、と、そうだよなあ、が多くでてくる、私にとっては非常に有意義なイイ科目である。

で、こういう科目の試験って結果悪いんだよなあ。
だいたい、試験結果は「自信のあるもの」「得意だ、と思い込んでいるもの」そして「好きなもの」が悪いのだ。思い入れがうまくないらしい。

というわけで、あと3日間と2時間(試験日、会場で学びなおす時間)がんばろうっと!

追伸
 試験勉強以外にイロイロありまして、本日はこれといって読んでいません。
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