大藪春彦の作品では珍しい女性が主人公の物語である。
とはいっても、大藪作品の主人公である。
男が女に変わっただけ、という見方もある。
母親がアンダルシア出身のスペイン人。
よく陽に焼けた明るい褐色の肌と燃えるような瞳を持っている。
その瞳の色は、光線と感情の影響によって鳶色からグリーンへと変化する。
かつて、数々のビューティ・コンテストで入賞したことがあるラテン風の美貌。
身長167センチ、体重50キロ、バスト98、ウエィスト(原文のまま)58、ヒップ94センチのボディには、31歳になった現在も贅肉一つついていない。
という女性だそうで、想像できますか?
で、名前は小島恵美子。
海外ではエミー、あるいはエミリアと呼ばれている。
そして彼女はレズなのである。
表向きは私立明和大学の動物学講師。
裏の顔は、国際秘密組織スプロと契約を交わしている「執行人」である。
スプロとは、スペッシャル・プロフィット・アンド・リヴェンジ・アウトフィッターズの略で、あくどい荒稼ぎをしている連中の上前をはねたり、依頼人に替って、法の手がとどかぬ大物への復讐を代行したりする。
兎も角すごい設定。この設定をすれば、あとは何でもあり、なのだ。
本書では3つの話が収められている。
第1話は、油田開発をめぐって不当に儲けたカネを持つ奴らを痛めつけて、そのカネを横取りする。
第2話は歯科医師会を牛耳て不当に利益を得ている一族を痛めつける。
このなかで、恵美子は富士スピードウェイでカーレースに出場する。その際の久留米のメカに関する記述のなんとすごいこと「オタク」というコトバは大藪春彦が生きていた頃にはなかったと思うが、まあすごい。書き写すのもイヤになるくらいすごい。
第3話は銀行強盗の上前をはねようとする話。この話にはあっと驚く人物が登場し、更にその上前をはねようとする。
さて、この物語を読む前に、いったい主人公はどれくらいの人間を殺すのか数えてみようと思った。
ところがそれを断念せざるを得ない記述がいっぱいあり「いやはや」とため息をついてあきらめたのである。
「その夜、手榴弾6発と右手のサイドワインダー、左手のアメリカン180を駆使した恵美子は、四谷の中野誠六の豪邸で東関東会50数名を鏖殺し、1トンの金塊と1億円の現ナマを奪った。」
この調子でいったい何人を殺せばいいのか、こんなに殺したら絶対に国家を挙げて恵美子を検挙するだろう、というくらいに派手にやってくれるのである。
この物語に登場する人物の誰一人としてお付き合いをしたくない。
なんてったって、通りがかりの人物でさえ、あっという間に殺してしまう人たちのなのである。
このシリーズは続編もあるようで、ゼヒ読んでみたいのであるが、今はぜっぱんということで、光文社が今後出版することを期待するのである。
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とはいっても、大藪作品の主人公である。
男が女に変わっただけ、という見方もある。
母親がアンダルシア出身のスペイン人。
よく陽に焼けた明るい褐色の肌と燃えるような瞳を持っている。
その瞳の色は、光線と感情の影響によって鳶色からグリーンへと変化する。
かつて、数々のビューティ・コンテストで入賞したことがあるラテン風の美貌。
身長167センチ、体重50キロ、バスト98、ウエィスト(原文のまま)58、ヒップ94センチのボディには、31歳になった現在も贅肉一つついていない。
という女性だそうで、想像できますか?
で、名前は小島恵美子。
海外ではエミー、あるいはエミリアと呼ばれている。
そして彼女はレズなのである。
表向きは私立明和大学の動物学講師。
裏の顔は、国際秘密組織スプロと契約を交わしている「執行人」である。
スプロとは、スペッシャル・プロフィット・アンド・リヴェンジ・アウトフィッターズの略で、あくどい荒稼ぎをしている連中の上前をはねたり、依頼人に替って、法の手がとどかぬ大物への復讐を代行したりする。
兎も角すごい設定。この設定をすれば、あとは何でもあり、なのだ。
本書では3つの話が収められている。
第1話は、油田開発をめぐって不当に儲けたカネを持つ奴らを痛めつけて、そのカネを横取りする。
第2話は歯科医師会を牛耳て不当に利益を得ている一族を痛めつける。
このなかで、恵美子は富士スピードウェイでカーレースに出場する。その際の久留米のメカに関する記述のなんとすごいこと「オタク」というコトバは大藪春彦が生きていた頃にはなかったと思うが、まあすごい。書き写すのもイヤになるくらいすごい。
第3話は銀行強盗の上前をはねようとする話。この話にはあっと驚く人物が登場し、更にその上前をはねようとする。
さて、この物語を読む前に、いったい主人公はどれくらいの人間を殺すのか数えてみようと思った。
ところがそれを断念せざるを得ない記述がいっぱいあり「いやはや」とため息をついてあきらめたのである。
「その夜、手榴弾6発と右手のサイドワインダー、左手のアメリカン180を駆使した恵美子は、四谷の中野誠六の豪邸で東関東会50数名を鏖殺し、1トンの金塊と1億円の現ナマを奪った。」
この調子でいったい何人を殺せばいいのか、こんなに殺したら絶対に国家を挙げて恵美子を検挙するだろう、というくらいに派手にやってくれるのである。
この物語に登場する人物の誰一人としてお付き合いをしたくない。
なんてったって、通りがかりの人物でさえ、あっという間に殺してしまう人たちのなのである。
このシリーズは続編もあるようで、ゼヒ読んでみたいのであるが、今はぜっぱんということで、光文社が今後出版することを期待するのである。
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