読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

幽霊の涙 -お鳥見女房- 諸田玲子 小説新潮8月号

2009-08-05 23:12:34 | 読んだ
お鳥見女房の新シリーズのスタートである。

前シリーズでは、お鳥見女房こと珠世の父・矢島久右衛門が、お鳥見役の危機を救い亡くなった。
小説「お鳥見女房」の世界でも世代交代が進んでいる。

さて、今回の「幽霊の涙」では、亡くなった久右衛門の幽霊がでる、という噂そして目撃者が現れる。
この幽霊話は矢島家の人々と矢島家に関わりのある人たち、例えば石塚家の人たち、シャボン玉売りの藤助、そしてお鳥見役の人たちを巻き込んでいく。

そしてとうとう、久右衛門の初盆を前にしてその幽霊の正体を知ることとなる。
幽霊の正体は、久右衛門に関わりのある人であった。

亡くなった久右衛門を偲びつつ、今回のシリーズの主題というか主軸というか、矢島家にのしかかる新たな事件のきざしが示される。

以下ネタバレとなるが・・・(といっても、それがばれてもあまい大きな影響はないと思う)

お鳥見役には、表向きの仕事とは別に裏の仕事がある。
それはいわゆる「隠密」の仕事である。

矢島家の久右衛門も、珠世の夫・伴之助もその仕事に携わり、人には言えぬ心の傷を負った。
その「隠密」の仕事が、珠世の長男である久太郎に命じられたのである。

時代は幕末、グローバル化である。
幕府は、相模と房総の沿岸警備を大名に仰せ付けた。
その大名たちの様子を探る任務である。

久太郎はこれからどのような事件に遭遇するのか、そして珠世と留守を守る久太郎の妻・恵以はどのような思いで待つのか。
うーん、楽しみである。

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