今年の干支は「丑」。
牛は、馬と同様、農耕において大事な動物。
神様の乗り物ともいわれて農耕の守ってくれる存在。
草が餌でたくさん食べるから、瘡(そう)を取り去ってくれるといい伝えられている。
牛の性質は辛抱強く誠実で実直といった生き方や商売の仕方を示し、地に足をつけることによって開運が導かれる。
天神さんの境内で牛をよく見かけます。
由来がいろいろありますが、その中の一つに菅原道真さんの生まれと命日が、ともに丑年であるためなんてのもあります。
長久堂「十牛の図」
「十牛図」とは、逃げ出した牛を探し求める牧人を喩えとして、牛、すなわち真実の自己を究明する禅の修行によって高まりゆく心境を十段階で示したものです。
1.尋牛(じんぎゅう)/ 牛を捜そうと志すこと。悟りを探すがどこにいるかわからず途方にくれた姿を表す。
2. 見跡(けんせき)/牛の足跡を見出すこと。足跡とは経典や古人の公案の類を意味する。
3. 見牛(けんぎゅう)/ 牛の姿をかいまみること。優れた師に出会い「悟り」が少しばかり見えた状態。
4.得牛(とくぎゅう)/ 力づくで牛をつかまえること。何とか悟りの実態を得たものの、いまだ自分のものになっていない姿。
5. 牧牛(ぼくぎゅう)/牛をてなづけること。悟りを自分のものにするための修行を表す。
外郎、こしあん
6. 騎牛帰家(きぎゅうきか)/ 牛の背に乗り家へむかうこと。悟りがようやく得られて世間に戻る姿。
7. 忘牛存人(ぼうぎゅうぞんにん)/家にもどり牛のことも忘れること。悟りは逃げたのではなく修行者の中にあることに気づく。
8.人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)/ すべてが忘れさられ、無に帰一すること。悟りを得た修行者も特別な存在ではなく本来の自然な姿に気づく。
9.返本還源(へんぽんげんげん)/ 原初の自然の美しさがあらわれてくること。悟りとはこのような自然の中にあることを表す。
10.入テン垂手(にってんすいしゅ)/まちへ・・・悟りを得た修行者(童子から布袋和尚の姿になっている)が街へ出て、別の童子と遊ぶ姿を描き、人を導くことを表す。
11.牛柳(にゅうりゅう)/入テン・・・レストランに入り、ビフテキを注文、あまりのうまさに新たな牛を捜そうと志す。→1に戻る