草花好きのひとりごと

植物の栽培記録や鉄道・路線バスなどの趣味について記しています。

日本桜草栽培の現状と今後

2009-12-25 | ひとりごと
このブログは栽培方法に関する内容が主ですが、今回はさくらそう(日本桜草)栽培の現状と今後について、自分なりに考えてみます。

最近は八重咲き品種の育種が盛んになってきた感があります。
それを好むかどうかは栽培者各々の嗜好によりますが、過去には無い新たな方向として、将来的にもますます発展していくことと思います。
栽培及び品種改良の歴史が長い一重咲き品種にしても、改良され尽くしたという感じはしませんし、古い品種は次第に衰えていくとも考えられるため、こちらも更なる発展が期待されます。

さくらそう(日本桜草)は、栽培の歴史が長い植物です。
しかし、現在どれほどの人々に知られた植物なのか、というと残念ながら誰でも知っているものではないと思います。
私の住む神奈川県横浜市では、園芸に興味がある方ならば、その存在くらいはご存知の方は案外多いように感じます。
ただ、知人との情報交換などを通じて考えると、地域によって大きな差があるようです。

私が本格的にさくらそうを栽培するようになって5年以上経ちます。
その5年余りの間で、展示会に訪れている方々の年齢層が少し下がってきているように感じます。
下がってきているとは言っても、60代以上と思われる方々が圧倒的に多いのですが、以前はそれよりもご高齢と見える方が多く、失礼ながら「桜草はこの先大丈夫かな」と感じたものですが、とりあえずはそんな心配は無用なようです。

そして、会場で販売されている苗を求める人の割合もかなり増えているように見えます。

私が毎年拝見している展示会は、県内のさくらそう愛好家の会の方々によるものです。
そこで積極的とまではいかないようですが、会員を募集している様子が見受けられるのも、数年前までは見られなかったことです。
どこの会にも属していない私が言うのもおかしいのですが、展示会などは個人で開けるものではなく、そのことだけでも大変重要な存在価値があるものと思います。

少し気になることは、さくらそうは園芸店では春に苗が販売されるのですが、ここ数年は以前と比べて店頭に並ぶ量が少なくなっているように感じます。
一般的な傾向として、店頭よりもインターネット販売の比率が年々高まっているとされています。
桜草についてはどうなのかというデータを持ちあわせていないので分かりませんが、販売しているサイトの数や内容から推測すると、さほど増えているとも思えません。

個人的な意見としては、さくらそう苗を専門的に生産販売しても商売が成り立つくらいに普及して欲しいとは思いますが、これは他の趣味性の高い園芸植物でも同じようなことかもしれません。

インターネット上の日本桜草に関する情報は、私のサイトにさくらそうのページを作成した頃(2004年と記憶しています)と比べると、かなり増えており、内容も豊富になっています。
これはブログの普及によって情報の発信がさらに容易になったことも影響しているのでしょう。
そして今後もさらに増えるものと推測されます。
とは言っても、今までにも多くの方々が指摘されている通り、少なくとも現時点では写真や画像では桜草の花の美しさを完全には再現できません。

書籍ではページ数の制約などから、掲載される情報が限られてしまうのでしょうが、インターネットならばより多くの情報が集められます。
新たな情報も速く広まるなど、その他にも利点が多いです。

他の事柄と同じく桜草でも、Webから得られる情報量が増えるに従って「全て見た(または知っている)」などと錯覚してしまう状態に陥りやすいことが唯一の懸念材料とも言えるかもしれません。
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2 コメント

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さくらそう栽培の推移 (塾長)
2009-12-31 23:47:30
埼玉で「さくらそう」を栽培して、育て方の講習会や展示会などをして楽しんでいます。

さくらそうの栽培は、幾多のブームと衰退をへて、現在の愛好者は、全国的には1000人前後ぐらいでしょう。

さくらそうの鉢の製造している窯元も鉢の注文数の減少や燃料の高騰により、製造をやめました。(製造を委託して販売はしています。)

さくらそうの愛好者は、栃の葉書房のさくらそうの本が出版された10年ぐらい前がピークだったのではないでしょうか?。

栽培者の高齢化により、愛好者の減少に対して、新たな愛好者もあまり増えていないと思います。

過去の時代より、いろいろな趣味の種類も多いので仕方がないとおもいます。

一時的には八重咲きの販売があり、愛好者も増えましたが、作り方により八重咲きが固定しないとマイナス面もあります。私の友達は、八重咲きの熱が醒めてしまいました。

私的には、静かなブームで良いのではと思います。

栽培の200年歴史には高揚期と衰退期を繰り返してきた、さくらそうです。これからも高揚期と衰退を繰り返していくと思います。
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続けられること (くま)
2010-01-01 00:03:40
塾長さん、コメントありがとうございます。

そうですね。
仰るように愛好者の数か少なくとも、栽培が続けられていくことが大事なのかもしれませんね。

さくらそう鉢ですが、こちら神奈川では販売されているのを見かけません。
5年ほど前までは、大きな園芸店で見かけたのですが・・・
そうした事も栽培者の減少という現実を表しているのかもしれませんね。
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