下村文部科学相は、2016年度全面改訂、2020年度本格実施される予定の学習指導要領について、中央教育審議会に諮問した。
そのなかでアクティブ・ラーニングの重要性が記されている。
〈アクティブ・ラーニングとは、「子どもが課題を見つけ、解決に向けて探究し、成果を表現するまでの過程を、学ぶ側が主体的に行う学習方法」であり、具体的には、「体験学習や調査学習、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク」などが挙げられている。〉
しかし、私はこのような授業形態を導入すれば、必ずしも子どもの学びは能動的になるとは思わない。それは、これらの授業形態は現在でも多かれ少なかれ行われているが、その成果は十分に上がっているようではないからである。
それはなぜか。子どもたち(教師も含めて)が追求する課題に問題がある。課題が甘いのだ。課題が甘ければ、なにも上記のような授業形態を取る必要はないのである。肝心なことは課題の中身である。
千葉経済大学短期大学の佐久間勝彦学部長は、教育誌「事実と創造」8月号で学習課題について次のようなことを述べている。
○一見すぐ答えが出そうなのに、考えれば考えるほど分からなくなってしまう。
○授業の中で、なかなか解決できず、悩み苦しみ迷子になってしまう。
○授業の中でいくつかの選択肢が出てくる。
○はじめは○○と思っていたのに、○○ではないことが分かった。
○回答を見つけ出す過程で必死に考える。
などが出てくるような課題を設定することが大切である。これらの課題があって、初めて前記した授業形態が有効に働くとのである。さらに、教員が腐心すべきは、授業形態などでなくて、問題を鋭く突きつけてその認識を激しくゆさぶっていくアクティブティーチングの研究であるという。
私の考えも全く同感である。
※学校・学級づくり、授業づくりに協力します。お声を掛けてください。研修での講話や体験型研修をボランティアで行います。ホームページ「浜松授業研究の会」のお問合せ、ご連絡に記入してください。または、このブログのコメントに記入していただいても結構です。