日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

パッサージュ論、って言っても

2005-12-09 08:28:46 | パリ右岸
またまた雑誌を読んでいたら、今度ポンピドーセンターで開催される
写真界の大御所ウィリアム・クラインの回顧展に関する記事が出ていた。

KLEIN EST UN OISEAU RARE.

「クラインは珍しい小鳥だ」という意味かと思って辞書を引いたら
あら不思議。「ETRE UN OISEAU RARE」で「大したやつだ」という意味に
なるらしい。奥深いなあ、フランス語は。

さて、東京から来た某大手出版社の編集者にパリを案内する、という
半分遊び、半分仕事のようなミッションが舞い込み、とりあえず自分の
得意とするパリ・パッサージュ巡りを提案する。
というかパッサージュって個人的に好きで、日頃からその歴史を紐解いた本を
読んだり、写真集を眺めたりしているので、かなり得意分野なのだ。

右岸の裏オペラ界隈(と自分が呼んでいるところ)のパッサージュを
しらみつぶしに回る。パッサージュ・ベルドー、パッサージュ・パノラマ、
パッサージュ・デ・プランス、パッサージュ・ジュフロワ、パッサージュ・
ショワズールなど、「もういいよ」と言いたくなるぐらいのパッサージュを
駆け足で回る。あ、「パリのインド人街」ことパッサージュ・ブラディ
は行かなかったけど。あとパッサージュ・デュ・ケールも外したか。

極めつけはパッサージュ・ヴィヴィエンヌ。これが1世紀以上前にできたものか
と目を疑うくらい美しい、「優美」という本当に言葉が似合うパッサージュだ。
ってもちろん時代にあった改装をしたせいで綺麗なんだけどね。
でも貴族的で、洗練されたブティックが並ぶそのパッサージュに迷い込むと
本当、別世界のようだ。って僕みたいな人間が言ってもあんまり説得力ないか。