KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

線で繋ぐ讃岐の里山 三里山~笠ケ峰

2022年02月25日 | 香川の里山

先週から新しく始めた?線で繋ぐシリーズ第三弾。

阿讃縦走路で香川の西端から東端まで繋いで、今度は折り返しで西に向かって

県内の里山を線で繋いで行くという企画?。なんか純粋な山登りとは路線が

違ってきたような気もするが、これはこれで楽しいからいいか!

取りあえずその都度メンバーの誰かが登った事のない山を盛り込む予定なのだが、

奥様たちもけっこう県内は歩いているので、しかも西の住人の奥様たち。

東から西に行くほどルートの選択が難しくなってきそうな気がしている。

そして今回は先週の続きの三里山・虎丸山・筑波山・星越山・笠ケ峰を計画した。

その内、三里山と虎丸山以外の三座は奥様たちは初めての山となる。

私はと言えば、以前に虎丸山から修験造の道を下った時に道を外し、笠ケ峰から星越山を

目指した時も道を大きく外してしまったので、その時の検証が出来る今回のルートなのだ。


今日はまずは笠ケ峰の西の日下峠に集合し一台をデポして、先週のスタート地点となった

国道318号線沿いの鞍谷大師堂までもう一台で移動してのスタートとなった。

移動途中、福栄地区で突然ルリちゃんが大きな声を上げた。

車窓の脇の田んぼに10匹以上の猿がたむろしているのが見えた。

慌てて車を停めてバックすると、猿たちも慌てて茂みの中へ逃げて行ったが、

大きな体のボス猿らしい猿は、最後に堂々とゆっくり茂みの方へと歩いて行った。




車を停めた駐車場からは、先週歩いた笠江山と愛宕山が見える。ここから三里山への

取付きとなる林道たらいヶ谷線に向かって歩いて行くのだが、この林道は地形図には載っていなくて、

航空写真で見ると林道らしき道が写っている。ただ歩いて行こうとする東側まで続いているかどうかは

木々に囲まれて不明なままだった。国道から北に入ると、三里山への取付きまでは予想通りに、

そして予想以上にりっぱな林道が続いて今日の第一関門をまずはクリアー。

途中から虎丸山とその肩に岩肌の三里山が見えた。
















林道は最高地点の辺りでアスファルト道になり、下り始めるとまた地道になった。

その最高地点から少し下がった場所に細い木に赤テープが巻かれていて、ここが取りつきとなる。










赤テープから支尾根に上がると、しばらくは木々の中、地味に急登が続いて行く。







樹林帯を抜けると花崗岩の風化した尾根道になる。ここからがこのルートのビューポイントになる。

周りの木々は背丈ほどしかなく、進んで行くほど高度が上がり、周りの景色もどんどん広がってくる。

東に白鳥アルプス。南に高平山と鵜峠そして西には鬼の角











乾いた花崗土に足を滑らせながらも登って行くと、目の前に三里山の岩塊が見え始めた。

露岩と松の木の間を抜け、登って行くといよいよ三里山が近づいてきた。














最後に大岩を回り込み、南に折れると三里山の岩塊の上に出た。

もちろんここからの景色は申し分ない。今まで歩いてきた阿讃縦走路の峰々。

眼下には福栄地区の田園。そして視線を移すと瀬戸内の青い海。



















『ここから虎丸山まで35分ほどで登れるんかな~』とあっちゃんがYAMAPを見ながら

聞いてきた。たしかにここから見える虎丸山まで、まだけっこう高度差があるように見える。

今日はまだ先が長いので、早々に三里山を引き上げ虎丸山に向かう。










三里山の岩塊からネズミサシがチクチクする尾根を進んで一旦下ると

ロープの掛った急登が始まる。最初は344男爵が取りつけた登山用のロープ。

そしてそのロープが終わるとトラロープが続いて掛けられている。
















急登が終わると別所登山口からの登山道に出て、最後にひと登りすると虎丸山山頂に着いた。

山頂では地元の常連らしき男性が二人、小屋の前で話し込んでいた。










ザックを置いて行動食と水分を補給する。いつもの様に新宮神社の横で記念撮影するが

いつもここでは逆光になって人物が暗く写る。(かなり修正してコレ)










小屋の中には阪神タイガースの応援団の旗と、色々な山名札が賑やかに掛けられている。

恐らく好き好きに木の枝に掛けていた札を、この山を整備している人達が

この小屋の中に片付けをしたのだろう。キティーちゃんもいらっしゃる。







山頂からは修験造の道を星越峠へと下って行く。

ここからは奥様たちも初めての道となる。私はと言えば以前下った時にどこで間違ったのか

道を外してしまい、藪の斜面を苦戦してトラバースした区間だ。

山頂からはいきなり急坂の下りが待ち受けていた。ストックは役に立たず、

木の枝に掴まりながら右に左にと体を移して下って行く。真剣な顔のルリちゃん!







ただ前回どこで間違ったのだろう。道には所々赤テープが巻いてあり、

まず間違えそうな場所はなかった。正面に讃岐化学工業の工場と星越山が見え、

さらに下って行くと作業道に降り立った。











ここから星越峠までは作業道と林道歩きとなる。使われなくなった砂防ダム用の作業道は

道は崩れ、萱が伸び放題で荒れている。










作業道が終わると林道修験造線の終点となり、右に進むと大内ダム。左に進むと星越への林道になる。

この道は大窪寺から與田寺への四国のみちにもなっている。










林道が終わると県道の星越峠の北側に出た。ここから北に向かってしばらくアスファルト道。

右手奥に水主三座の那智山が見え始めると、山側に民家のある場所からまた林道へと入って行く。








アトリエと書かれている民家の横を通り、砂防ダムを見下ろす場所で奥様たちに声を掛ける。

『ここからは山の中に入るので、その前に少し時間が早いけどお昼にします!』と。

するとあっちゃんが『やったー!』と即答。今日はいつもの様にラーメンでなく、

カレーメシを頂く。最初はルーの量が多く水気が多いお粥のような感じだったが、

次第にご飯にしみ込んで、これがなかなかいい感じで美味しく食べられた。













お昼ご飯を終えたあと林道を登って行くが、毎回の事だが食事の後の体が重い。

林道が大きくカーブしたところに、道の脇に登山口の道標あった。これを奥様たちは

世間話に夢中で見逃して行くので『ハ~イ、ストップ!』と声を掛ける。











道標に従い山の中へと進んで行くと次第に道は沢の中の道になる。

この山に登ったのは8年前。記憶はほとんどなかったが、こんな沢の中を

歩いた記憶だけはあった。沢がプチゴルジュになった場所の奥から左に斜面を登って行く。










沢から離れていくと道は途端に羊歯の海になる。一つ目の羊歯の海を掻き分け登って行くと

右手にステンレス製の梯子が掛かっていた。梯子を登ると二つ目の羊歯の海。

ただ足元はしっかりしているので、その羊歯を掻き分け掻き分け進んで行く。

昨年、岩黒山の笹薮地獄を経験した奥様たちにとっては、

これくらいの羊歯の海では藪のうちには入らなくなってしまった。










羊歯の海を抜けると見覚えのある大岩が見えてきた。大岩には先ほどと同じ梯子がかかっていて

岩の上に登ると三体の石仏が祀られていた。その内のひとつは麓にある水主神社の祭神の

大水主大明神。その大岩の手前の岩の上には誕生釈迦と彫られた石仏が一体。

誕生と言う事は赤子と言う事なのか、たしかに体形が今まで見た事もない

お釈迦様なのに、少し笑いを誘うポチャッとした体形をしている。










筑波山からも直ぐに急登が始まった。しばらくすると左下に讃岐化学工業の建屋を見下ろせる場所に出た。










その工場を横目に見ながら登って行くと、以前の町境の杭が道に続いて行く。

そして所々に狸さんのため糞。急登もしばらく続いて行くが、最近その急登の

概念が変わってきたような気がする。スピードが極端に落ち息が切れるような

坂が確かに急登なのだが、ストックを使って登れるうちは急登には

当てはまらないような感じがしてきた。これも今まで奥様たちと歩いてきた成果か?

当然ロープもなくストックだけで登れるこの坂は、急登には当てはまらない?














木々の間に星越山らしいピークが見えるが、まだ少し先。

南西に続いていた道が北西に振ると星越山への支尾根。そして最後の登り。

この辺りで唯一の眺望が右手に広がり石鉄山から那智山への稜線が見えた。










幹に今まで見た事もないような大きなこぶを付けた木があった。

その大きさとこぶの中から更に小さなこぶが飛び出し、悍ましい雰囲気がする。







『星を越える山』。なんて素敵な山の名前だろうと思っていたが、

星越山は小さな山名札と三角点があるだけの地味な場所だった。

ただ前回道迷いで来ることのできなかった場所、四等三角点 星越 439.7m







ここからも前回どこで道を間違ったんだろうと思うくらい

踏み跡はしっかりして赤テープも時々見かける道が続いている。













以前間違った507mへの支尾根に飛び出した。前回はここで真っすぐ進んでしまい

最後は行き詰まり藪の中になり、結局『ぽつんと一軒家』のある民家まで引き返し、星越山を諦めた。




そして507mのピークでも本宮山と書いた札を見て、安易に反対方向への

道を降りてしまった。前回もここで間違い最終的に伐採地に降りてしまった。

ここには『本宮山』と『登山口』、そして『新宮山』の札が掛けられてあったが、

それぞれが間違っている。『本宮山』への分岐は507mのピークの手前にあり、

『登山口』と書いた札は本来なら『笠ケ峰』へ続く道に掛けられている。

そして『新宮山』は新宮神社を祀ってある虎丸山の別名でもある。

とはいえ分岐になっている場所でGPSで確認しなかったのが間違い。

事前にももっとよく地形図と前回歩いたトラックを見ておくべきだった。

10分ほど下った後に気づいて、前を歩く奥様たちを呼び戻した。

二人からは大ブーイング。507mの分岐で、こちらへ歩くように言ったのは

私だったのだから仕方ない。道を間違えているのに気づいてからの登り返しがきつかった。

そもそも507mから下っている途中で右手に木々の間からピークが見えていた。

『本宮山にしては高さがあるな~』なんて思いながら下っていたのだが、

その見えていたピークが笠ケ峰だったのだ。その時点で早めにスマホで確認すべきだった、

と反省するものの後の祭り。507mまで戻ると笠ケ峰へは今度は急坂下りが待ち受けていた。








一旦鞍部まで降りると直ぐに登りが始まった。先頭を歩くあっちゃんが

『これが最後の登りかな~』と言っているので、『確か鞍部に祠がある場所からの

登りが笠ケ峰への最後の登りになると思いますよ』と答える。

道の脇の木が真新しく表皮が削られていた。人の仕業か動物の仕業か?

そして一度登って一旦下ると見覚えのある祠があった。







ここから最後の急登が始まる。そしてその急登を見上げて『え~~!』とあっちゃん。

この辺りは葉が長く3本に葉がなった『三鉾の松?』の松葉が落ちている。

そして松ぼっくりも巨大な松ぼっくりが落ちている。














急登は二段になっていて、二段目を何とか登りきると笠ケ峰に着いた。

三等三角点 笠ケ嶺 559.5m。山容がピラミダルで特徴的な笠ケ峰は、

東讃地区ではどこから見ても同定しやすい山だ。

山頂は木々に囲まれて見晴らしはなく、三角点と山名札、そしてセニョさん

CD版を裏当てして修理したキティーちゃんのプレートがあるだけ。










この山は北側にもう一つピークがあり、竜王社が祀られている。

ところがここでも道を間違えた。計画では日下峠のすぐ北側に下る予定だったのに、

峠から更に北へ下がった林道からの取付きへと間違って下ってしまった。

本来の登山道はこちらなので、道もしっかりしていているので間違ってしまったのだ。







すると先ほどの道を間違え登り返したのが尾を引いているのか、

もう引き返すのはイヤだと奥様たちが言い出した。

仕方がないのでGPSを見ながら藪っぽい斜面をトラバースして軌道修正。










一旦登山道に出たものの、また直ぐに予定していた道から外れ、

市境の杭のある道へと降りてしまった。立派な鎖やロープが張られた道に

疑うことなく下って行ってしまったのだが、前回の歩いた登山口からの

トラックからはどんどん外れて行っている。やはり二度ある事は三度あるのだ。










固まった花崗土の道は滑りやすいのだが、途中からはその表土を

猪が掘り返してくれていて、意外とグリップが効いて助かった。










市境は丁度日下峠へと続いているが、地形図では峠の際は崖になっている。

朝集合した時に見たが高さもかなりある崖になっている。

このまま進んだのではその崖で降りられなくなると思っていると

沢筋に向かって赤テープが見えた。その沢は最後は県道へと続いていたので

テープを見ながら降りてみることにする。










途中でテープは見失ってしまうが、県道までの距離は大したことはない。

少し藪っぽいが、沢筋に沿って下って行くと何とか県道に飛び出した。

すると県道脇の電柱に見覚えがあった。この場所は前回歩いた時の取付きの場所だった。

結局、笠ケ峰からは前回歩いた道をほぼ通らず下ったことになった。

道を外しても最終的には麓を目指せば何とかなる。これも里山の面白さ。

車を停めた峠では、お地蔵さんがそんな私たちを笑顔で見守ってくれていた。







ここ最近奥様たちに釣られてけっこう長い距離を歩いているせいか、

中足指節間接が普段から痛んでいた。歩き始めはそうでもないが時間が

経つほど痛みが酷くなる。そんな関節の痛みに意識がいっていたせいなのか、

帰って着替えをしているとズボンの下のタイツの裏地に、剥けた皮膚と血糊が

べったりついていた。そういえば途中で岩に膝をぶつけて悶絶したのを忘れていた。

膝を見るとやはり傷口の皮膚は捲れてまだ血が付いていた。

転倒以外にも山では何が起こるか分からない。年々体力も落ちていく中で、

ケガをしないよう、そして道に迷わないよう気をつけないとと反省。




今回のトラック



笠ケ峰周辺詳細



今回の3Dトラック