kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

不安との向き合い方

2021-05-28 | 陸上競技

思うことを。

 

ここ最近、「不安」という言葉をよく聞く。それぞれが県総体に向けて取り組む中で「自信」が持てる反面、「不安」になり部分も出てくる。そこに対してどのように向き合うのか。大きなことだと思っています。

 

別にわざわざ書く必要はないのかもしれませんが。私自身、経済学部の出身です。大学4年生の時に「教員になる」という目標を持っていました。が、その後全日本インカレや日本選手権に出場したこともあり、「もう少し競技を続けたい」と思うようになりました。そこで「教育学研究科」に進学して勉強と競技の両立を図ろうと。当時、「運動心理学」に興味関心があったのでそちらを先行したいなと。経済学部から体育へ。なかなかです。運動生理学などは「趣味」で勉強していました。この段階のでの「趣味」は常軌を逸しているレベルだったと思います(笑)。間違いなく「体育専攻」をしている人よりは勉強していた自信があります。とにかく運動生理学とトレーニングに関しては本を読み漁りました。

 

で、運動心理学。ここで興味があったのが「競技前の心理状態」です。日本インカレに出場した時に「今日は調子がいい」と思っていました。これだけ身体が動けば最低でも自己ベストが出るのではないか。それくらいの手ごたえでした。が、実際にレースに出てみると自己ベストとは程遠い記録。2秒近く悪かったと思います。そのときに「あがり」という部分に関心を持ちました。冷静に自分自身の状況を把握できない。それに関してどうするのか。

 

心理テストなどを用いて心理状況の把握。今考えてもめちゃくちゃですが「試合前の心理状況」を把握したくて高校の先生方に「心理テスト」を配布して実際の試合前の状況について記載してもらいました。申し訳ないなと思います。そのれを分析していくと「不安」に着目できるのではないかと。それをもとに「心理テスト」を作成しました。それを分析していった結果、男子と女子では「不安」の現れ方が異なるという感じになりました。これも分析の話なので実際に即しているのかどうか確固たるものがあるわけではありません。それでも「感覚的」に受け入れられる部分もありました。当時は「女子の指導」に関しては全く興味がありませんでしたが(笑)

 

「不安」について。試合前の状態で考えれば男子は「肉体的」にその反応が出やすい。これもわかりにくい表現ですが。男子は試合結果が悪いときには、レース前に「身体的反応」が出やすくなります。それは「過緊張」のような状況。レースでいい走りがしたい。それが「身体」にでます。力を出したい、良い走りがしたいという部分が「身体」に出てきて「力み」が生まれる。それにより自分の力を発揮できなくなるという結果でした。男子がレースで力を出すためには「リラックス」して「必要以上の力みを取り除く」ことが必要になります。

 

では女子はどうか。「不安」は「心」に出てきます。「上手くいかなかったらどうしよう」「練習ができていないので失敗するかもしれない」などと「競技以外のこと」に意識が向かってしまいます。そうなると「走り」に目が向かなくなる。競技以外の「心配事」が生まれてしまうので結果的に「やるべきこと」がわからなくなります。これが「自分の力を出せなくなり原因」になるのなかと。本当に考えるべきは「自分のレースでの走り」です。ここに目が向かなければいいパフォーマンスが出せません。「失敗したらどうしよう」という余計なことを考えるよりも「自分の走りをする」ことだけにフォーカスする必要があります。それにより「やるべきこと」に力が使えるようになる。

 

頭でわかっていてもなかなか実行できない部分があります。「性差」について触れるといろいろと問題があるのかもしれません。こういう時代ですから。が、「特徴」としてそういう傾向があったという部分だけです。男子でも「不安」が「心」に出る選手もいると思いますし、女子でも「不安」が「身体」に出る選手もいる。一概に枠の中に入れるつもりはありません。が、知っておくというだけでも対応策が違ってくると思っています。

 

自分がどのような「兆候」があるのかを知っておくことで対応ができます。試合前の1週間で「力を上げよう」とするのではなく「力を出し切ろう」という感じでシフトチェンジする必要があります。追い込んだからと強くなるとは思えません。逆に「不安」から「もう一本だけは走っておこう」という時にケガをしたりします。よく見る光景です。こうなると何のためにこれまで練習をしてきたのかが分からなくなります。

 

自分自身をどのようにコントロールするか。「不安」と向き合うのか。ここは本当に重要なことだと思います。技術的な指導をするからいいという話でもなく。選手の状況を見極めることも必要になってくるのかなと。私自身は「友達感覚」で選手と接することはありません。比較的距離が近いほうだと思いますが。自分の中で意識しておかなければいけない部分もあります。

 

「不安で眠れない」という話も聞きます。指導する側も同様です。レースで力が出し切れるかは気になります。が、我々が「不安」に感じると選手には伝わります。勝負をしないといけないときほど我々が「冷静さ」を持ち続けなければいけないと思います。これは師匠からの教えです。私自身何度も失敗していますから・・・。

 

「不安」をなくすことは不可能だと思います。しかし、うまく向き合うことはできます。その部分を理解して対応できればいいのかなと思っています。冷静に。選手にも少しだけこの部分の話をさせてもらいました。伝える能力がどれくらいあるのか分かりませんが。できることは最大限にやりたいと思います。

コメント
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