上手く言葉にできるかどうか分かりません。それでも記しておきたいと思っています。この感情をどのように表現すれば良いのか。全くわかりません。そしてその感情を誰がどのように理解できるのか。本当に難しい部分です。これまでの自分の「生き方」を見直す必要性があるのかと感じています。
県選手権。前の記事からの続きになります。今回うちの選手は周りに引っ張ってもらって記録が出せれば良いなと思っていました。力的には14秒5を切るくらいの力はあると感じたいました。本人の冬季練習の時の目標は14秒50。昨年度のベストが14秒87。そうなると丁度いいくらいの目標なのかもしれません。先日の記録会で14秒69を出していました。この時の課題は明確だったので2週間の間に克服するための練習はしてきました。ベストを更新した事により意欲的にかなり上がっていました。こちらがある程度抑えないといけない部分がある。追い込む事で速くなるわけではないので、何度か話をしながら対応してきました。こういう部分を任せてもらえるのは本当にありがたいなと。
実際のレース、スタートで完全に出遅れました。音を聞いて出るという練習はできていなかったのでその辺りのことも影響しているのかもしれません。しかし、遅れを取り戻す。上位選手と競り合いながら少しずつ追いつく。フィニッシュタイムは14秒45。公認です。社会人選手には追いつけませんでしたが3位に入りました。タイム的にはかなりだと思います。記録でインターハイが決まる事になってもなんとかはいるのかなという記録です。よく走ったと思います。そのあとマイルがあるので気功で疲労を散らして対応しました。
同じレース。前任校の選手が15秒36で走りました。昨年度のベストは16秒6。一冬でかなりの力を付けていました。私のイメージとしては県総体で15秒5を切るという感じで冬の練習をしてきました。あわよくば上位選手と戦って表彰台の一番真ん中に立たないかなと思ってやっていました。ここに関しては1年のシーズンにはほぼハードル練習をしていません。足が遅い者が何をやっても戦えないと言い続けてきちんと走れるようにする事を最優先してきました。本人に不満はあったと思います。それでも先を見て取り組むというのは絶対に必要。こころを鬼にして理由を説明しながら。
今回の結果。私の中では「手応え」を感じる部分でした。ある程度のことをやって対応するための練習をしていく。それが目に見えて結果につながります。うちの選手に関してはスタートがきちんと出れれば力みもなくなるでしょうから14秒3は出せると思います。まだまだ筋力的にも練習的にも足りないのできちんとやっていく事ができれば13秒台も見えるのではないかなと勝手に思っています。トップを引き上げるための練習のイメージはあります。あとは時間が足りるかどうかだけ。インターハイで勝負できる可能性のある力があると思っています。
同時に前任校の選手が15秒36で走った事に対して。冬に取り組んできた事が間違いなく結果に繋がっています。ここは自分自身の中で「やってきた事が間違っていなかった」と感じら部分でした。実際に目の前で指導してきたハードル選手はほとんどいません。ヨンパではある程度いましたがショートハードルの選手はいませんでした。国体のハードルコーチをさせてもらっているにも関わらず自分のところでハードル選手を育てられていないというのは負い目を感じている部分がありました。名目的なハードルコーチなのではないか。そういう気持ちが私の中にずっとありました。
今回、今見ている選手が14秒45で走る。前任校の選手が15秒36で走る。この事が自分の中で生まれた葛藤でした。なかなか分かってもらえない部分はあると思います。こういう性格なので。
これまでの指導。「普通の選手が強くなるためにどうするか」を常に考えてきました。中学時代に実績がなくてもきちんと練習さえすれば絶対に逆転できる。そのために時間をかけながら基礎基本を徹底する。すぐに結果は出ないかもしれないけれど長いスパンで考えていく方がすごく大切なんだと思ってやってきました。16秒6の選手が一冬で15秒36で走るというのは「間違っていなかった」という自信になります。
それと同時に今指導させてもらっている選手が「課題の克服」に向けて練習をする事でそれが目に見えて結果に出てくる。県記録会の時には5台目以降で置いて行かれたので短時間で改善できる方法を提案させてもらってそれを数回やって行きました。それがすぐに結果として出てくる。これはこれで「やりたい事ができる」という意味では最高に楽しいのかもしれません。それに応じてくれる選手がいてくれることも。
この結果を受けて自分の中での葛藤がありました。私自身は何を目指して指導をしているのか。これまで「普通の選手がどうやって戦うか」を常に考えてきました。しかし、今は目の前に「やればインターハイで戦える可能性のある選手」がいます。私がこれまでやってきたことはどこに向かっていたのか。ベクトルの方向が違ってくるのか。同じ方向を向いているのかもしれませんが、これまでやってきたこととこれから先やっていかなければいけないことの整合性が自分の中でつかない。
間違いなく「同じ方向」を向いているのは分かります。「速く走るため」という感覚は変わらないからです。ハードルにおいて求める段階は違ってきます。3歩でいけない選手に対してのアプローチと13秒台を狙いたいという選手へのアプローチは違います、どちらも理解しているつもりです。しかし、これまでのスタンスでは「普通の選手」をどうするかがメインでした。職場が変わったことは大きく影響しています。そのことも自分の中では消化できているつもりでした。
が、「本当に日本一を目指す」という選手と「インターハイに進みたい」という選手では求める事が違うのかもしれない。もっというと「中国大会に進みたい」とか「県総体に出たい」という話とはまた違う話になるのかもしれない。ここが自分の中で上手く処理できない。「何を言ってるの??」と思われるかもしれないですが。私の存在は何を求められているのか。これまでやってきた事が間違っているとは思いません。同時に今目の前にいる選手のために「日本一を目指す」というのもやりたいと思っていた事。自己矛盾とまではいかないのですが、自分の中で上手く処理できない感情がありました。
本当に苦しくて。これまでやってきた事に意味があるのか。これから先に何を目指してやっていくのが正解なのか。自分の中でもよく分からない感情がありました。しんどくなってどうにもならなくて。親しい指導者に愚痴を。更に処理できなくて最も尊敬する指導者に相談。結局は自分の中で処理するしかない事なんだというのはわかっているのです。
これまでやってきた事をどうこれから先に生かすか。強い選手に対してまだ普通の選手に対してもアプローチの仕方は本当は同じ。強いからと言って違うことをしたとしてもそれは間違った方向に進む。この感覚は忘れたくはない。が、自分の中で上手く処理できない。もどかしさがありました。
突発的ですが「陸上競技から離れたい」とまで思いました。これまでの自分がやってきたことを自分の中で否定してしまう感覚が生まれてくる。普通の選手に対してのアプローチも力のある選手に対してのアプローチも何も変わらないはずなのに。どちらか一方が正しくてどちらかが間違っているなんてことはない。分かっているのです。これまでやってきたことを求められる水準に合わせて出していけばいい。簡単なことなのです。
が、なかなか処理できない。目の前の選手をインターハイで戦えるようにしたい。これは上を目指す指導なのかなと。これまでやってきたのは普通の選手を少しでも上の大会に導きたいという指導。本当は何も変わらないのかなと思いながらも処理できない。強くなったら特別なことをしたくなります。本当は基礎基本を丁寧にやっていく事が大切なのに。強くなったら別のことをやりたくやる。それによって崩れるという話は我が師匠と何度も話をしてきたことです。
これまでは国体の関係で少し離れたところでサポートするという形がありました。選手が私のことを信頼してくれているのかどうかは別としてその場その場で上を目指すための指導をしてきました。これはこれで本当に楽しい。が、これまでは「泥臭くやっていく中で強くなる」という感じでした。なんとなく「別物」として捉えてしまう感覚があるのですが本質的には同じなんですが。
私に求められているのは何なのか。そこが分からなくなりました。現時点では心の整理が付いてはいます。しかし、月曜日の夜は全くと言っていいほど眠れませんでした。自分の存在価値がどこにあるのか。指導するって何のためなのか。目の前の選手に応じて様々な関わり方をしていけば良いだけなのに。それが自分の中で「日本一を目指す」と「インターハイを目指す」が別物ものようになっていました。本当に本当に勝手に苦しんでいました。周りから見れば「何を言ってるの?」という感覚の話なのかもしれません。自分の中でなかったあは半端ないものでした。
相変わらずまとまりません。長くなりすぎてしまっています。分かってもらえない感覚なのかなという気はしています。すみません。面白くないですし、理解してもらえない部分。
今見ている選手が全国で活躍できるようにしたい。同時に前任校の選手がインターハイに行けるように力になりたい。この葛藤を常に抱えています。求められる水準が違うかもしれません。どうすればいいのか。自分の中で考えていくしかないのです。
この事に関してはまた書きたいと思います。ある程度の答えは出ているのですが。すみません。