kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

原点は何か

2021-05-21 | 陸上競技

前の記事の補足。なかなかうまく書けないのですが。

 

色々な形で色々な選手に関われる。これは本当に幸せなことだと思います。その中で「楽しい」とか「面白い」と思ってもらえる部分に関してはこちらがありがたいなと思っています。「よその子には優しい」と言われる部分もあります。実際は「きちんとやろうしている選手に対して」はこちらもそれなりに応えたいなと思うだけです。それが「日本一を目指す選手」であっても「県総体に出たい」と思う選手であっても。

 

例えば「リレーだったら県総体に出れる」というのがあります。役員の関係で山口県では各チーム「リレーの出場はできる」という前提があります。初任校での話を少し書きましたがこれは「個人種目での出場が0」の年でした。県総体を経験する機会さえないという状況。「リレーだったら出られるから出ておく」というのではありません。今後のことを考えて「チーム作り」のために必要だと考えて「4継で出場する」ことを目指しました。ここでは「参加する」というだけではなく「準決勝に進む」ことを目標に掲げました。

 

当然ながら「無謀な目標」だったと思います。ほとんど練習に参加していない3年生の選手と長距離2名、入ったばかりの1年生。それで「準決勝進出」なんてバカみたいな話です。が、本気でその部分を目指しました。出るからには「一つでも上を目指す」という感覚です。この時から「3年生になったら中国大会に出場しよう」と1年生には話していました。女子1人だったのでかなりしんどい部分もありましたが、3年生の時にマイルで中国大会出場。2年生の冬には走れる選手が3人しかいない中で「中国大会にリレーで出場する」という気持ちでやっていました。実際にそれを成し遂げる。本当に感動しました。その年から最低でも中国大会出場するチームになっていきました。本当に0からのスタートでした。

 

先日、「リレーで県総体へ」という選手たちと関われました。その時当時のことが思い出されました。今回は3年生2人2年生2人のメンバー。3年生は「最後の県総体」です。きちんとフィニッシュさせてあげたい。顧問の先生も「準決勝を目指してやる」と言われていました。こうなると当時と完全に重なります。これからチーム作りをしていく。その立ち上げの部分だと思います。知らないことばかりだったと思います。それでも目を輝かせて話を聞いてくれていました。「参加する」というところだけではない目標があるのです。

 

2年生には「今回の県総体で学んだことが間違いなく来年につながる」という話もしました。きっとこの子たちが中心となってチームを作っていくことになるのだと思います。人数が大幅に減るということでしたが「志」がある選手たちであれば組織は変わります。伝統的にやっていた「理由がわからない練習」なども見直すきっかけになるのだと思います。練習時間の確保が難しい環境の中であれば「効率よくやる」というのが重要です。その部分を学ぶ機会になる。

 

グランドではスパイクを履かない。それが「伝統」だったということでした。これも面白いですね。しかし、それは変えていくことができる。そうすることでトップスピードが出せるようになりもっともっと速く走れるようになります。そうなるともっともっと楽しくなる。0.01秒でも速く走る。これが陸上競技の楽しさです。他者と比べる部分も出てきますが実際は自分自身との戦いです。競技レベルによって「目指すところ」は違ってきます。それでいいと思っています。だから「日本一」を目指してもいい。「県総体でリレーで準決勝」を目指してもいい。

 

が、私の中でどれだけ力があっても「一生懸命になれない」選手に対しては何もやりたくないなと思う部分があります「教育に関わるものとして間違っている」と言われるのかもしれません。しかし、この部分は譲れない。「一生懸命にやる」中でしか見えないものがあります。単純に体を動かすだけを目標するというのもありなのかもしれません。そうであればそれは「陸上部」です。私は「競技を通じて成長する」という部分が重要だと思っています。練習中に手を抜いたり文句を言ったりしながら練習をするのであれば「やらないほうがいい」とさえ思います。誰のためにもならないから。「やりたくない」と思っている人に「なぜやらないの?」と聞くのはおかしな話だったのではないかと思うのです。

 

今回。「速く走りたい」という気持ちはあるのです。しかし、その方法がわからない。それは私が初任校で経験した部分と同じなのではないか。そういう選手たちが実はたくさんいる。そこに何かしらのきっかけを与えてあげられたら私が存在する意味があるのではないかなと。その話を聞いて指導者が「面白いな」と興味を持ってもらえたらもっともっと楽しい。選手だけが変わってもそこに関わる人たちが変わっていかなければまた同じことになるのだと思います。「一生懸命にやりたい」と思う人たちは少なからずいるのだと思います。しかし、人に聞いたりするのは敷居が高い。そこに私にできることがあるのかなと感じました。

 

競技レベルに応じて指導する内容は間違いなく変わります。段階があります。すべての選手に画一的な指導しかできないのであれば合わないと思います。目の前の選手に対して何が提供できるか。何を求められているのか。ここを自分の中でわからなければいけない。それを見極めていくことも私の中では最高に楽しいなと思います。

 

別に「県全体の強化」を考える気はありません。立場的なこともあるのでこういう書き方をしたら親しい指導者に怒られそうですが。「競技力向上」のために尽力しろと怒られますかね?!しかし、この部分は「原点」なのかなと思っています。自分が何をしたいのか。「陸上競技って面白い」と思ってもらえる機会があれば役割としては果たしているのではない中と思っています。「強化」と「普及」という違いがあるのかもしれません。陸上競技はシビアなので「速い者が速い」というのがあります。ここは避けて通れない部分です。速ければ何をしてもいいのかという話でもない。だから私は「一生懸命にやっている選手」の味方でありたいなと。「指導方法がわからない」という方の力になれたらなと。

 

自分自身の中で「やりたいな」と思うことが少し明確になりました。これをどのように体現化していくか。どうなるのかわかりません。それでも自分にできることはしたい。若い指導者に何かしら伝えられることがあるかもしれない。年上の方であっても「どうしよう」と思っている方には少しは役立てるかもしれない。申し訳ないですが「守備範囲は狭い」です。話ができる範囲が狭いのです。お許しください。

 

環境が変わり色々と思うこと、考えることがあります。その中で気づけることがたくさんある。ありがたいなと思います。周囲の方々に感謝の気持ちしかありません。誰かの役に立てればいいなと思いながら。結構真面目に。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しさ

2021-05-21 | 陸上競技

思うこと。感じたことを。

 

水曜日。学校の練習が終わってからまた別の場所へ。親しい指導者から「時間があるときに少し教えてほしい」と言われたいたので。時間的にかなり厳しい状況でしたが少しだけでもと思って。専門外の指導をしなければいけないということでどうしたらいいのか悩んでおられました。GWに1度数人の指導をさせてもらいました。話がかみ合っていなくて練習開始時間が遅いのかと思っていたら、その方がグランドに行ける時間が少し遅くなるということでした。実際に到着した時にはすでに練習が終わっているときでした。申し訳ないなと。

 

それでも「少しだけでも」と残ってくれた選手が数人。何ができるかわかりませんが。県総体に向けて何ができるかということでした。10日間しかありません。それでも「リレーを」ということでした。10日間の中で「リレー」でできることは何かなと。とにかく「バトンを最後まで運ぼう」という話をしました。4人のうち2人が3年生です。バトンをフィニッシュ地点まで運んでこれたらいいなと思います。それがこの10日間でできることなのかなと。

 

バトンの「受け渡し」の部分の基礎。どのように渡すか。どのようにもらうか。小学生の運動会とは違います。ある程度のスピードで走ってくるのでそのなかでどうやってもらうのか。渡すのか。手の出し方から。さらには「利得距離」の部分の話も。原点に返るという感じがしました。これだけですが選手は目を輝かせている感じがしました。「自分たちの力を出してリレーをしたい」という気持ちが伝わってきます。

 

私が顧問になって1年目のことを思いだしました。私が顧問になって同時に1年生女子が1人だけ入ってきました。女子は4人しかいません。1人は3年生、ほとんど練習に参加したことがない。二人は長距離、これもジョグが中心でやっていた。「ジョギングクラブ」のような感じでした。それでも1年生に県総体を経験させてあげたい。が、個人では参加できないのでなんとかリレーだけでもというところから指導がスタートしました。何もないところから無理矢理組んだ4継。それが2年後に涙が止まらないマイルでの中国大会出場へとつながります。スタートはリレー。その部分を思い出しました。


どのチームにもそれぞれぞ事情があります。それまでの流れがあります。初任校では私が無理矢理流れを作りました。前任校では陸上部だった部分を陸上競技部に変えようとしてかなりの軋轢が生まれました。もっとゆっくり変化を待てば違ったのかもしれません。今考えるとですが。多分ゆっくり変化を求めていても最終的には同じだったかなと思います。「求めているもの」が違えばやはり最終的に元に戻るのだから。やはり「一生懸命にやる」という選手を大切にしたい。ここは変わらない。


話が飛びましたが元に戻します。


10日間で何ができるか。いや、それはなかなか難しいのです。が、本人達が「なんとかしたい」と思っているのであればそこに対して最善の流れを作りたいなと。バトンの基礎と「失敗しないための練習」をしっかりとやってもらいたい。これまでの流れでやっていた部分を少し変えてもらいました。たくさんやっても仕方ないのでメインになる部分に集中してもらう。「バトン合わせ」をメインにしてもらいました。2日に1回のレベルでやってもらう。


バトン練習は全力でやらなければ意味がなくなります。そうであれば短時間で「足が速くなる」可能性があります。渡す方ももらう方も最大スピードを出します。その部分の本数を絞ってでもやる。「失格しないため」にどうするかという話もしました。これまで聞いたことのない話だと思います。


「リレーゾーンは何メートルあるか知っている?」と聞くと苦笑いしていました。分かりません(笑)。話の流れの中でアップの話になったので「アップの目的は??」と聞くとこれも苦笑い。これまでは特に何かを考えてやっていたわけではないのです。これはこの子達が悪いわけでもなんでもない。もちろん顧問の先生が悪いという話でもない。「陸上競技をする」という部分が浸透していないだけなのです。その辺りのことを簡単に話をしました。


「雨が降ったらどんなことをすればいいか」や「ヨンパのレースペースはどうすればいいか」という質問もありました。試合に向けてできることを伝えました。軸作りをしたり、バトンの出のタイミングを取るという練習が雨の日にはできます。走るとか補強をやり続けるという感じではなく「今必要なことは何か」をするのです。


40分程度だったでしょうか。それでも残って話を聞いていました。まだ何もわかっていないのかもしれません。「知らない」から「知っている」に変化していく。それが「できる」になっていくと面白くなると思います。3年生にとっては最後の県総体です。残りの10日間の中で何をするのか。多くのことはできません。リレーを組むために必要なことに絞ってやっていければいいのかなと思います。


その場に副顧問の先生もいらっしゃいました。話をずっと聞かれていました。社交辞令かもしれませんが「面白い」と言われていました。色々な練習には理由があります。なぜやるのか。何の意味があるのか。そこを踏まえてやっていくことで楽しくなります。できなかったことができるようになるからです。その姿を見て「楽しい」と思ってもらえると私としても嬉しいですね。


こうやって話をしていて気付いたことが。やはり私は「陸上競技が好き」だなということ。別に指導をするのが好きなのではない。一生懸命にやろうとしている選手に対して何か力になれればいいなという部分です。日本一を目指そうとする選手であっても県総体でリレーで予選通過を目指す選手であっても、「一生懸命にやる」というのであれば何ら差はないのです。この日こうやって「何とかしたい」と思う選手や指導者を目の当たりにして強く思いました。ここが原点だなと。


私が関わったから強くなったなんていう気はサラサラありません。そんなことに楽しさは感じないから。それよりも「目を輝かせてやっている」選手に対して何ができるのか。上手くいかずに落ち込んでいる選手に対して何ができるのか。そこを考えることが最高に楽しい。私自身は陸上競技が好きなんだなと。そこが全てなんだと感じました。


上手く書けないですが。好きだから誰かの役に立てたら良いなと思います。「一生懸命にやる」というのが大前提ですが。頼られたらそれに応えたい。もちろん私にできないことも沢山あります。それでも何ができるのであれば。


率直に感じたことを書いておきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする