“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

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■科学技術ニュース■NED、産総研など、電流を100倍流せる、カーボンナノチューブと銅の複合材料を開発

2013-08-08 09:37:21 |    電気・電子工学

 NEDOと単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)、産業技術総合研究所(産総研)は、従来から配線などに用いられている銅の100倍電流を流せる複合材料を開発した。

 この複合材料は単層CNTと銅を用いて開発。銅と同程度の電気伝導度と今までにない電流容量という優れた性質を併せもつ従来にない材料が実現した。

 また、非常に軽く、高温でも高い電気伝導度を保つため、電子デバイスのさらなる小型化、軽量化、高性能化が期待され、将来電気自動車に用いられるモーターなどを飛躍的に小型化できる可能性もある。

 今回の成果を要約すると次の3つになる。

 ①電気めっきを工夫することで、単層CNTの構造体内部まで銅を充填させ、銅と同程度の電気伝導度をもちながら、今までにない電流容量をもつ材料を開発した。
 ②温度変化による電気伝導度の低下が小さく、227 ℃での電気伝導度は銅の約2倍になる。
 ③銅や金より密度が小さいため、デバイスの軽量化が図れる。

 2013年10月31日~11月1日に産総研つくばセンターで行われる産総研オープンラボでの実物展示などを通じて、今後、興味をもった企業と連携することで、実用化を目指していくことにしている。

 


 

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