ラジオ爺の道楽三昧

原発放射能汚染により素人百姓・孫専科を奪われ、病で蕎麦打ちも廃業。最後に残ったアマチュア無線と男の料理の細々生存証明。

甘柿

2014年10月23日 | その他
   
                     
果物王国とあってこの時期柿には全く興味は無かったが、JA農産物直売所黒岩店でりんごの隣に陳列されていた甘柿の姿に何故か視線が止まりしばらく考え込んでしまった。
子供の頃食料難の時代に学校から帰ると直ぐ1歳上のS君の家に向かい、この時期遊びの中心は庭の柿に木に登って過ごす事だった。
未熟でようやくゴマが入り渋が抜け切れない頃から霜の降りるまで空腹を満たした唯一のおやつで、形・肌合・サイズが酷似していたので、懐かしさとこれだったのか確認したい事もあって迷わず手をだしてしまった。
帰ってすぐ、割ってみると全面にゴマが入り糖度も飴並みで、食感からも空腹を満たした思い出の柿に間違いないと思った。
何という品種なのかネットで甘柿を検索したが、これに該当した物は無く、この福島盆地特有の在来種の様だ。それにしても、この地で出荷目的で栽培しているのは蜂や柿と平種無し柿の二種類なので、この柿は農家の同年代の爺婆がホマジ(小使銭)稼ぎに自分の庭か畑の隅の木からもぎ取って持込んだ物だろう。
そんな友達だったS君は、自分は柿(主食は大麦のおかゆ)なのに一緒に木に登って決まって白米の味噌おにぎりを食べていた。社会人になった直後に実家も引越してしまい以来疎遠になってしまったし、農家の長男S君は家を継いで今も元気かな。