ラジオ爺の道楽三昧

原発放射能汚染により素人百姓・孫専科を奪われ、病で蕎麦打ちも廃業。最後に残ったアマチュア無線と男の料理の細々生存証明。

寒晒し蕎麦

2014年04月12日 | 手打ち蕎麦打ち
           
やむなくそば打ちを廃業してから一年も経過してしまったが「寒晒し蕎麦を打つから遊びに来て」と事務局Wさんのお進めもあって、体調も良かったのでしばらくぶりに研究会の雰囲気を楽しんで来た。
会長とS副会長やベテランのAさんも参加されていて総勢20人程、ここ一年の間に加入した名前も存じあげない初心者5人も居て、若干そば打ち教室の感じもあったが、研究会スタート当時と変わらぬ大盛況だった。
月二回の研究会ではスタート当初から全国各産地から名品と言われる玄そばを求めて自家製粉していたが、数年前からは休止して各産地の製粉業者から粉を求めて打っている。
今回のテーマは寒晒し蕎麦。喜多方産(山都町)の物で、寒中に清流に10日間程浸してから寒風にさらし乾燥させて製粉。資料によると発祥地は江戸時代信州高遠藩が暑中に信州寒晒し蕎麦を将軍家へ献上していた物で、近年山形で導入してその後喜多方や全国各地に広まったそうだ。
蕎麦は米以上に劣化が激しく、秋に収穫した物は春には米で比較すると古古米に相当するそうで、寒晒し蕎麦は乾燥し切って不味くなった蕎麦を水に浸して再び乾燥すると収穫時に近い物になるらしい。
これを売りにしている各産地では足並み揃えて「格段に旨味が増す」と宣伝しているが、研究会では発足当時から毎年打っていたが、決して元の蕎麦に優る事は無く、限りなく元に戻す“先人達の生活の知恵”だったと自分は理解している。
現在主要産地では大規模な貯蔵庫で温度・湿度共に厳重に品質管理され、この時期でも高品質の物が出荷されているので、従って“寒晒し蕎麦”は今や銘柄に魅かれて食べる並の蕎麦だと信じている。
その寒晒し蕎麦、再びWさんのご配慮により普通のそばと併せて吟味する様にと頂いてしまった。
今回の寒晒し蕎麦の方は限り無く更級に近い製粉とかで、確かに肌はすべすべ透き通り、香りと味は薄くもっちりとした食感と喉越しは大変良くて、暫くぶりに本物のそば二種類を堪能した。