ラジオ爺の道楽三昧

原発放射能汚染により素人百姓・孫専科を奪われ、病で蕎麦打ちも廃業。最後に残ったアマチュア無線と男の料理の細々生存証明。

いか人参

2012年04月11日 | 福島のうまいもの
            
子供の頃正月の食卓に必ず並んでいた“いか人参”毎年クリスマスを過ぎるとおふくろからスルメいかをマッチ棒の大きさに切る事を命じられ、裁ち鋏みで指にマメを作りながら切り終ると、おふくろは細く切った人参と混ぜ合せて茶色のかめに醤油と酒で漬込んでいた思い出がある。
この“いか人参”食料難の時代を去ると我家からは姿を消して思い出す事も無かったが、何年前だろうか俳優佐藤B作氏が確かTV番組「秘密のケンミンSHOW」で紹介して話題になり、その後B作氏の実家飯坂町の佐久商店から販売される様になった。急に脚光を浴びて温泉旅館の名物料理に採用、各食品店も競って販売一年中購入出来る様になった。
昔を思い出して何度か作ってみたが、結構手間がかかり期待した“おふくろの味”は引き出せず、市販品の食べ比べが始った。味覚は全てバラバラ、自分に一番合っていたのは、スルメいかは生いかに近い軟らかさと人参は湯通りしたかの様な絶妙なバランスの、福島駅エスパル「大晃魚がし」の物だった。
偶に思い出して食べる様になったが、下戸の自分でもビールやワインのツマミにも良く合い、白飯でも旨く食べられる逸品で、美味い物の少ない福島の食の中で“福島のうまいもの”に追加した。