ラジオ爺の道楽三昧

原発放射能汚染により素人百姓・孫専科を奪われ、病で蕎麦打ちも廃業。最後に残ったアマチュア無線と男の料理の細々生存証明。

おせち料理

2011年12月29日 | 男の料理
  
                     
貧食の時代、特に貧乏だった我家では正月ではなく何故か大晦日の晩一夜限りの年に一度のご馳走が食膳に載るだけだった。マグロの刺身、なめたかれーの煮付けも欠かさずあったから、当時は貧乏人でも手の届く大衆魚だったのだろう。
おせち料理は家庭を持ってから何となく他人の真似事をする様になったが、既に飽食の時代食品店も年中無休だし、何時の間にか我家では商魂にはまる事も無く、元日に神棚と仏前に供える僅かに形を残すだけの物になってしまった。
料理教室で習ってから気が向いた時だけ何種類か道楽で作って楽しんで来たが、今回は栗きんとん・お煮しめ・たたきごぼう・煮豆を作った。栗きんとんの栗は既製品の栗甘露煮を使ったが、煮物類は昆布+鰹節で師匠直伝基本通りの出汁作りから、煮豆は黒豆ではなく食べても美味い北海道産の花豆を使った。煮豆には少し自信があって料理本には無い和菓子屋直伝の“鹿の子”作りを独自にアレンジした方法で、難点は完成まで4~5日要するが、身内からも好評でリクエストのある一品でもある。
一日台所を占有してしまったが「道楽ほど気楽なものはない」と改めて感じた充実した一日だった。