中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

歴史に学ぶ 第6回

2018年06月16日 | ブログ
聖徳太子

 昔の千円札や一万円札の肖像でなじみ深い聖徳太子(574-622)。飛鳥時代に推古天皇の摂政として、遣隋使を派遣するなど進んでいる中国の文化・制度を学び冠位十二階や十七条憲法を定めるなど天皇を中心とした中央集権国家体制の確立を図った人物。仏教を取り入れ神道とともに厚く信仰し興隆につとめ、法隆寺も建立した人物とされる。この業績には豪族であった蘇我氏(蘇我馬子)の働きも大きかったとされる。

 ムシゴロシ(645年)と覚えた大化の改新の年号。聖徳太子が亡くなったあと、天皇を凌ぐまでに勢力を強めた蘇我氏に危機感を持った中大兄皇子と中臣鎌足(後の藤原鎌足)が蘇我氏を滅ぼし、天皇中心の政治を確立した。

 しかし、聖徳太子の死後100年近く経って712年に書かれた日本書紀に残されたこれらの歴史は、実は藤原不比等の編纂による寓話であり、聖徳太子は存在さえしなかったという説があるらしい。当時次々起こる身内の不幸を蘇我氏の怨霊と考えた藤原氏が、大化の改新の正当性と蘇我氏に配慮する意味もあって、聖徳太子を登場させ歴史を歪曲したと言う説があるのだ。そもそも太子の肖像画にある服装は、太子が生きていた時代より後世のものだという。

 太子の存在やその功績が事実であろうがなかろうが、歴史学者などを除き現代人には今更影響はないが、昨今の政治においても公文書の改ざんが堂々と行われ、改ざんを主導した人物がほとんど罪に問われない現実をみると、歴史は権力者によって勝手に捏造されることを目の当たりにする。

 嘘であっても自信を持って断言すれば突破できるという、自身のオリンピック招致の際の「汚染水は完全にコントロールされている」の成功体験(この時はそれで良かった)から、モリカケ関連の疑わしい発言のつじつま合わせに付き合うため、記憶がないと嘯き、その割には指示されたことはないという記憶はしっかりしている官僚たち。廃棄したという文書が廃棄し切れず後から出てくる不徹底な仕事ぶり。文書の不都合な部分を削除するという改ざんは、書き換えではないとの論理なのか知らないけれど不起訴にする検察。関連して自殺して果てた官僚がいることなど素知らぬ顔の関係者。

 内政の不人気を外交で取り戻そうとしても、トランプさんもプーチンさんもすでに日本のマスゴミよりしっかりした官邸情報を掴んでおり、その人物との信頼関係はすでに壊れている表情をしていたものだ。

 唯一残された政権余命の長期化手段である拉致問題解決で日朝首脳会談を図っても、向こうから見える日本の総理の顔は、ドル紙幣にしか見えていないのではなかろうか。

 それでも、政権党の感受性の欠如した先生方は、今後もこの政権でおいしい汁が吸えると踏んでおられるようだ。

 民主政治とは何であろうか。もっとも野党の政治家がさらにレベルが低いのだから仕方がない国である。世間を騒がすトンデモ凶悪犯罪やスポーツ界の不祥事は、今の政権だから起きているとは言えはしないが、政治に全く関係がないものではもない。信頼できない政権は国の雰囲気を悪くし、乱れの元を醸成する。大企業中心の経団連は、史上最高額の夏のボーナス支給で政権の援護射撃を行っても、儲かっている連中だけが維持したい政権など、美しくない国にまっしぐらの現状である。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 歴史に学ぶ 第5回 | トップ | 歴史に学ぶ 第7回 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ブログ」カテゴリの最新記事