暑い夏
暑い夏は、勿論日本だけの話ではない。インドなど気温が5月で50℃を超えた所があり、各地で45℃を超える日が続いているという。その1か月で少なくとも46人が熱中症で亡くなった。インドでは4月から総選挙で、そのための業務に従事した人が、多く熱中症で死亡したとも伝えられる。
砂漠での熱波なら、そのような場所に行かねばいいと思うが、日常の生活空間で気温が45℃を超えるとなると地獄であろう。
日本の最近の夏は、インドと比較すれば10℃は低い。それだけ赤道から遠い本来は温帯地方だし、四方を海に囲まれた島国と言うのも恵まれている。それでも連日35℃の猛暑日を超える地点が数多く出るようになっている。
昔から東北地方のような比較的緯度の高い地方では、フェーン現象で日本での記録的な高気温を記録することはあった。現代は東京及び関東地方の内陸部で、連日猛暑日がある。熱帯夜の日数は1970年代から倍増(14日→27日)しているという。これは東京の高層ビル乱立の影響だという説がある。
『東京都心部の年平均気温は過去 100 年間に 3℃ も上昇しており,地球平均気温の 5 倍の上昇率である。都市高温化の要因としては、第一に人工排熱(ルームクーラー)の増 加による都市大気の直接加熱、第二に都市構造の変化、すなわち地表面の人工化や高層建造物の増加、緑 地・水面の減少が挙げられる。』
気象学者の三上岳彦さんは、「東京近郊の都市環境を長年調査してきました。調査で分かったのは、都内の高層ビルが風の流れを防いでしまい、急速な気温上昇をもたらせていること。・・・」<都市ヒートアイランド研究の最新情報(東京都事例)>
東京の不動産投資の経済効果は、政治家への裏金の流れとなっているのだろうか、高層ビル開発は進む一方となっている。
わが国では少子化対策と、この酷暑対策は政治家の取り組まねばならない優先課題だと思うが、酷暑は自然現象扱いで政治課題ではないと考えている節があるのだ。
それにしても日本の夏は熱い。それは気温だけの所為ではなかろうと思う。思えば8月6日は広島、9日は長崎の原爆忌であり、8月15日は終戦記念日と続く夏でもあるのだ。
戦後、原爆も敗戦もすべて戦前の軍属の責任とされ、それは一理ある話ではあり、連合軍による戦犯の処刑などが行われた。日本人の戦災死亡者310万人の責任は誰かが負わねばならない。圧倒的な工業力と軍事力を誇る米国に叩き潰されたのだ。
実は終戦の詔書は、1945(昭和20)年8月14日発布され、戦争終結が公式に表明された。 同日、天皇は詔書を録音、翌15日正午、その内容はラジオ放送を通じて広く国民に報じられた。国民に伝えられた日を記念日としたらしい。なお、俳句の世界で「原爆忌」の季語は「初秋」とある。