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テレビ散歩Ⅲ 第6回

2020年07月16日 | ブログ
テレ東

 就活生が選ぶ「人気企業ランキング」(ワークス・ジャパン)で、テレ東(テレビ東京)が競合の在京キー局を抑え、テレビ局の中で最上位にランキングされたということで、今月号(2020年8月号)の文藝春秋にテレ東を代表するプロデューサー4人の座談会記事「テレビ東京だけがなぜ面白いのか」が登場した。

 就活生から支持を得た理由として、「就活生って、働いた自分がどうなるのだろうっていうのが最大の関心事だと思うんですけど、Sさんみたいに楽しそうなオジサンが社員としているとそれを目指したくなる」

 なぜ面白いのかの理由として、「フレンチに飽きたから高架下のB級グルメが食べたい、みたいな感じで大物俳優さんなんかも面白がって出てくれるようになった。他局ではできない低予算ドラマがテレ東の追い風になった気はします」

 「『モテキ』や『孤独のグルメ』等のドラマも他局がみんな断って、最後の砦のテレ東で企画が通ったそうですね」「社員も似たようなもんだから。他局全部落ちて、ここにいるんだもん」

 「よくこんな企画通ったねえ、やっぱりテレ東は自由だなって言われること多いんですよ。企画が通りやすいイメージがあるのかもしれないですけど、基準が独特なだけで決して簡単に通るわけじゃない。むしろ自由に見える企画って、三年くらいかけて、ものすごくネゴしたり、通るべくして通ってたりするんですよ」

 「僕は企画を立てる時、あんまり計算とかはしないですね」「マーケティングとかロジックとかじゃないですもんね」「やっぱりそこから外れたものじゃないと当たらないっていう感覚はありますね。「なにこれ?」って思ってもらえるものじゃないとダメ」

 「僕は、「これ面白いのになんでこういう番組ないんだろう」「俺、この人すげえ好きなのに、なんでテビに出てないんだろう」っていうのが企画のきっかけなんです」「究極的に言うと、僕は自分を作り手だと思ってなくて、ファンなんです。・・・ファン目線で番組作ってます」

 今年2月放送された、テレ東開局55周年特別企画スペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男」では、鶴瓶師匠が主役の吉田総理を、側近白洲次郎を生田斗真、吉田の娘・和子(麻生副総理の母)に新木優子など、豪華キャストで55周年を祝った。

 「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」や「YOUは何しに日本へ」「世界!ニッポン行きたい人応援団」など、確かに奇抜で面白い番組は多い。

 テレ東の売上高の推移を見てみると、最近では16年度890億円をピークに、17年度808億円、18年度805億円、19年度743億円とけっして順風満帆とまではいっていない。20年度4,5月では月額でコロナもあってか例年より10億円程度ずつ減少しているようだ。

 因みに他局の売上高はどうか。TBS2,104億円、テレビ朝日2,264億円、日テレ3,073億円(以上2019年度)、フジ2,607億円(2018年度)、NHK(単独)6,879億円(2016年度)、NHKは別格として、いずれもテレ東は他局の2分の1に満たぬ規模なのである。



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