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74歳の独り言 第10回

2021年10月28日 | ブログ
文化勲章

 来る11月3日は文化の日。皇居では恒例の文化勲章授与式が行われるが、今年はミスタープロ野球長嶋茂雄さんが受賞されるという。素晴らしいことだ。個人的つながりなどない人の受賞が、「おめでとうございます」というより、自分事の様に嬉しくなるのは、まさにこの方のスーパースターの所以であろう。スポーツ界では水泳の古橋広之進さんの2008年受賞以来2人目という。

 このような場合、彼が選ばれるならあの方はどうなのというのが、特にスポーツの世界では出てくることがある。候補として実名を挙げられた方は不愉快に違いない。打率や本塁打、タイトル数など、数値で残る記録だけで貢献度や文化は語れないということを分かっていない人の言だ。

 長嶋語録というのが一杯ある。揶揄的に捏造されたものも多かろうが、作者にも悪意はなかったであろう。実生活で語録を裏付ける話が一杯あるようだ。たけしさんは私などと同じ昭和22年生まれで、確か学年は1学年先輩になる。たけしさんも相当の長嶋ファンであるようだが、実際に接してのファンだから重みが違う。たけしさんが長嶋さんからゴルフに誘われて、ゴルフ場で待っていると現れた長嶋さんが一言「やあ、たけしさん、今日は誰とゴルフですか」。

 同じ千葉県出身の阪神の掛布選手の現役時代、スランプ時に長嶋さんにアドバイスを求めた。劇画のような疑似音だらけの説明だったが、翌日掛布選手は見事に復調していたという。

 長嶋さんは石原裕次郎(1934-1987)さんとも交流があった。裕次郎さんは「背番号3、言わずと知れた男長嶋イカスじゃないか・・・」(「男の友情背番号3」:昭和34年)という長嶋讃歌を残している。

 デビュー戦で、国鉄金田投手から4打席4三振という屈辱を味わいながら翌年には、天覧試合で阪神村山投手からのサヨナラホームラン。村山投手は、「あれはファールだった」と悔しがり、金田投手は「結果4三振を奪ったけれど、長嶋のスイングの鋭さにはひやひやだった」ように述べていた。

 世に言うON砲は、アベックホームラン106回、そのうち連続砲が29回という。世界一のホームラン王となった王さんを顕彰するために設けられた(1977年)国民栄誉賞に、遅れること36年長嶋さんも松井秀喜さんと共に受賞している。記憶の長嶋、記録の王などと言われるが、長嶋さんは17年間の現役で、2,186試合出場、2,471安打(最多安打10回)、首位打者6回、本塁打444本(本塁打王2回)、1,522打点(打点王5回)、MVP5回、ベストナイン17回、盗塁190、終身打率305.などの記録を残している。加えて、立教大学時代に砂押監督の猛特訓に耐えた華麗な守備があった。言うまでもなく、まさに走攻守に秀でた名選手であったのだ。

 長嶋茂雄は永遠に不滅である。




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