トランプ大統領のアジア外交
米国のアジア関与の低下は、オバマ政権の2013年APEC首脳会議以降顕著になってきたと言われる。中国が「一帯一路」、「AIIB」とアジア周辺地域に影響力を、増す中、米国の力が相対的に大きく低下しているのだ。
トランプ大統領の登場で、これに歯止めが掛かるものと期待していたが、トランプ大統領も思ったより中国に配慮し、米国の物を買ってくれればそれで良く、中国の機嫌をそこねるような発言は北朝鮮関連以外ほとんどしなくなった。
フィリピン、ベトナム、インドネシアなども中国の顔色を覗いながらも、南シナ海の領海問題ではトランプ大統領の法による支配の強化に期待していた筈である。しかし、大統領の今回のアジア歴訪では、北朝鮮には一定の強硬姿勢を崩さなかったものの、他は貿易問題に終始したようで、東アジアの安全保障対応はオバマ政権と大きな違いはないようだ。
このまま推移すれば、AIIBはすでにドイツ、フランスを取り込んでおり、東南アジアはさらに中国の思うがままとなる懸念が大きい。それでフィリピンもベトナムもインドネシアもタイ、マレーシア、ミャンマーなどが本当に幸福になれるなら良しとしても、大きな人権問題を抱える一党独裁国家の経済的支配が、被支配国の真の幸福につながるとは考えにくい。
安倍政権もトランプ大統領に、ここでも右へ倣えで、日中友好のため、一帯一路もAIIBにも関与を強める恐れがある。隣国との友好は誰しも反対しにくい。安倍長期政権継続には好都合である。しかし、自分の長期政権のために、その先の日本の存在を危うくさせて本当にいいのか。今、隣国を利することは、確実に先のこの国の存在を危うくすることは想像に難くない。
今の財界人も先の国家よりも現在の自社の利益や株価をまず考える。少し中国の首脳が日本に歩みよってくれると大喜びで媚を売る。中国は未だ米国に軍事力で後れをとっていることは認めざるを得ない現状に鑑み、もう少し日本から取るべきものを取って、生産設備も軍事装備も最先端にするための時間稼ぎに過ぎない。日中友好で彼らの膨張主義に歯止めが掛かるわけはない。南シナ海の次は台湾や東シナ海である。
トランプ大統領の登場によって、中国の野望を挫く大いなる構想に期待していたが、今のところその兆候は見えない。ただ、米国ファーストで、経済をまず強くしなければ、軍事力も維持できず、中国に後れを取ることになる。その意味では彼も耐えているのかもしれない。
米国のアジア関与の低下は、オバマ政権の2013年APEC首脳会議以降顕著になってきたと言われる。中国が「一帯一路」、「AIIB」とアジア周辺地域に影響力を、増す中、米国の力が相対的に大きく低下しているのだ。
トランプ大統領の登場で、これに歯止めが掛かるものと期待していたが、トランプ大統領も思ったより中国に配慮し、米国の物を買ってくれればそれで良く、中国の機嫌をそこねるような発言は北朝鮮関連以外ほとんどしなくなった。
フィリピン、ベトナム、インドネシアなども中国の顔色を覗いながらも、南シナ海の領海問題ではトランプ大統領の法による支配の強化に期待していた筈である。しかし、大統領の今回のアジア歴訪では、北朝鮮には一定の強硬姿勢を崩さなかったものの、他は貿易問題に終始したようで、東アジアの安全保障対応はオバマ政権と大きな違いはないようだ。
このまま推移すれば、AIIBはすでにドイツ、フランスを取り込んでおり、東南アジアはさらに中国の思うがままとなる懸念が大きい。それでフィリピンもベトナムもインドネシアもタイ、マレーシア、ミャンマーなどが本当に幸福になれるなら良しとしても、大きな人権問題を抱える一党独裁国家の経済的支配が、被支配国の真の幸福につながるとは考えにくい。
安倍政権もトランプ大統領に、ここでも右へ倣えで、日中友好のため、一帯一路もAIIBにも関与を強める恐れがある。隣国との友好は誰しも反対しにくい。安倍長期政権継続には好都合である。しかし、自分の長期政権のために、その先の日本の存在を危うくさせて本当にいいのか。今、隣国を利することは、確実に先のこの国の存在を危うくすることは想像に難くない。
今の財界人も先の国家よりも現在の自社の利益や株価をまず考える。少し中国の首脳が日本に歩みよってくれると大喜びで媚を売る。中国は未だ米国に軍事力で後れをとっていることは認めざるを得ない現状に鑑み、もう少し日本から取るべきものを取って、生産設備も軍事装備も最先端にするための時間稼ぎに過ぎない。日中友好で彼らの膨張主義に歯止めが掛かるわけはない。南シナ海の次は台湾や東シナ海である。
トランプ大統領の登場によって、中国の野望を挫く大いなる構想に期待していたが、今のところその兆候は見えない。ただ、米国ファーストで、経済をまず強くしなければ、軍事力も維持できず、中国に後れを取ることになる。その意味では彼も耐えているのかもしれない。