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時事散歩Ⅴその8

2016年05月22日 | ブログ
スポーツの危機

 5月21日の読売新聞朝刊「よみうり時事川柳」に『五つの輪 やはりおカネに 見えてくる』というのがあった。この川柳に代表されるように、スポーツ界が今、金、薬、賭博、セクハラ、暴力と世の悪行の巣窟のようになってしまった。悲しむべき事態だ。もっともその多くは昔からあったことで、「顕在化して騒がれるようになった」だけと云えばそうかもしれないのだけれど。

 東京オリンピック招致に、「裏金」が使われたというわけではなく、正式なコンサル料だったにしても、庶民感覚からはかけ離れた額の国民の税金が、外国のペーパー会社の口座に振り込まれていたことは事実のようだ。

 「魚は頭から腐る」と言うけれど、まさにサッカーもオリンピックもそれを司るトップの人達が役務の正当な報酬以外に金儲けの途を望み、開催国選考の投票権を私物化している姿が浮かび上がる。情けない限りだ。

 国家ぐるみと見られるドーピングも、選手・コーチも了解の下に行われていたとすれば、スポーツマンシップなどという言葉は死語となる。現役のトップアスリートが違法な賭博に手を出し、後輩まで誘い込む。外国遠征で大麻に嵌る。栄光を重ねた伝説のヒーローが麻薬に取りつかれる。

 女子バレーなど、10数年前の話だけれど、元全日本女子バレー選手の講演会での生の発言によれば、当時は監督などから継続的に当然のようにセクハラがあったようだ。柔道なども女子までに普及したこともあって、男子の監督や指導者からの暴行やセクハラなど顕在化して元金メダル選手に逮捕者まで出した。

 東京オリンピック開催には大いに賛同したけれど、最も暑い時期での開催には疑問があった。都内の夏の暑さは尋常ではない。選手は勿論沿道などの応援者、役員、警備の人達にも熱中症続出とならないことを今から願うばかりだ。それもテレビの放映権の関係で、どこかの国のメジャースポーツの無い時期との意向で開催期間が決められるように聞くと、何のためのオリンピックなのか分からない。

 さらにスタジアムの設計費用だけで億というお金が動き、エンブレムだって、そのデザイン料は相当な額で、選考に裏でお金が動いていたのではないかと疑いの目を向けられるようになってしまう。選手も元々アマチュアリズムで始まったものが、その後の経済的メリットも含む賞金レースになってしまった。マイナーな競技のサラリーマンでも、世界のトップクラスの選手になれば結構稼げるらしい。お金の使い方を知らない若輩が大金を得て、ギャンブルに落ちるのも頷ける。要は、平和の祭典であったものが、拝金の祭典に変貌していたのだ。テロの脅威も付き纏う。警備にも莫大なお金が掛るような時代になってしまった。

 ここまで来るとIOCは一度解散して、オリンピックを総見直しする必要がある。多くのスポーツの頂点であるオリンピックの運営が腐れば、当然底辺も腐ってくる。それは純粋にスポーツを愛好する人達への脅威であり、スポーツの危機に他ならない。



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