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時事散歩Ⅴその4

2016年05月10日 | ブログ
憲法改正(上)

 この月3日は憲法記念日ということで、護憲派、改憲派それぞれに集会があったようだ。それにしても民進党代表の岡田氏の「憲法9条を守ろう」との猛りにはうんざりする。これがこの国の二大政党制を志向する政党の党首だという現実が情けない。

 岡田氏の経歴は良くは知らないが、元々は自由民主党議員ではなかったか。先に角栄さん話で書いた竹下派分裂後の残党の一人だ。親族はイオンというわが国では超のつく大手流通業を営む大資本家である。

 本来自民党という政党は、戦後の混乱期に共産党など極左勢力の拡大を阻止し、自由と民主主義を守り国家の自由な経済活動を推進することで、豊かな国民生活を志向する目的のために存在したのではなかったか。資本家にとっては、共産主義国家となって自由と民主主義が失われれば、資産を国家に没収される恐れが強い。ゆえに自由経済を守るために政財界一致して国家運営を行ってきたのではなかったか。

 ところが、未だ共産党一党独裁体制でありながら、経済活動の自由化を進めた隣国が、GDPでもわが国を遥かに凌ぐほどに力を付けた。このため、わが国の経済人の中にも、日本政府に阿るよりも隣国のご機嫌を伺っていた方が自社の利益につながると考えた言動を成す輩が出て来た。日本政府に都合の悪い言動をしても、特に商売に支障をきたすことはないが、隣国でスムーズに稼ぐためにはそれなりの配慮が必要になってくるのであろう。

 岡田氏もどうもその一派に与しているように見えてしまう。わが国が同盟国と手を携えて国家の安全を守ろうとする法案が、国家戦略にとって邪魔なのは、まさに隣国なのである。憲法改正もその範疇にある。

 現行憲法は、戦後のこの国が未だ独立を果たして居ない時に占領軍から与えられたものだ。確かにこの憲法を楯に、ベトナムにもアフガンにもクエート、イラクの戦場にも自衛隊を派遣せずに済んだ。しかし、そのことは世界から見くびられ続けた要因でもあった。

 現在の日本国憲法は、われわれ団塊の世代の先頭集団と同い年、今年で施行されて69歳となった。単に連合軍に与えられたものだから云々より、当時はインターネットもスマートフォンもなかった時代。国民は日々食べてゆくにも苦労した時代。後の経済成長に伴う交通戦争も環境問題も生じていなかった。中国も韓国も東南アジアも同様に皆貧しかった。米国、ソ連を除いて、わが国に軍事的脅威を与える国など存在しなかった。

 時代に合わせて憲法も改正して当然ではないか。安保法制をこの国の憲法学者の多くは違憲という、これを捉えて民進党は鬼の首でも取ったように「立憲主義」を強調する。

 しかし、国家の自衛権は憲法以前の国民の権利であり、そのための法制度の整備、同盟国との協働もその範疇にある。多くの憲法学者が間違っている。だから憲法学者でさえ間違わないように憲法を変えなくてはならないのだ。

 しかも、以前から指摘があるように、次の条文には違憲状態を続けている。すなわち私学への補助金である。

 「第八十九条  公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」以下次号



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