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続、この国の風景その1

2011年12月01日 | Weblog
日本という名の惑星

 テレビ東京に「和風総本家」という番組がある。その名の通り、日本の今に残る伝統文化から日本人のものづくり職人の凄腕などを紹介する番組と理解しているが、私は、毎回見ているわけではないので確かではない。外国人が登場する「初めての日本」のようなテーマの時に限ってつまみ食いする視聴者である。

 今年8月には、アフリカ南東部の国マラウイ共和国*1)の最大都市ブランタイヤにある、テレビ放送局MBC取材班4名*2)が、日本紹介番組制作のためやってきた際の模様が放映された。日本の当該テレビ局の「日本紹介番組を作りませんか」という誘いに応じてくれたことによる取材であった。

 『マラウイ共和国での日本車使用率は50%~70%とも言われ、日本の技術力がマラウイ共和国でも認知されている。またマラウイ共和国には、日本が協力して作った道路や有名な橋もあるため、日本の知名度は高い。しかし、日本の食べ物などは余り知られてなく、MBC総力を上げて日本の取材を決めた。マラウイ共和国からは飛行機を2回乗り継ぎ、約30時間かけての初来日となった』。などがまず紹介された。

 『マラウイには海はないが、海のように巨大な湖があり、そこで獲れる魚はすべて少量の油で揚げて食べる。けっして生で食べることはない』。恐らく、淡水魚には寄生虫などの危険があるための先祖の知恵であったろう。そのため『日本人が、魚を生で食べると聞いて驚愕した』という。

 そこで取材班はまず、日本の魚文化を伝えるために築地市場を訪れた。『タコに興味を持ち、魚をさばく様子が見たいと、築地場外市場のお店に向かう』。その取材ではご主人の好意で、スタッフは作り立ての刺身を振舞われる。27歳女性ディレクターであるトーコ女史は『無理だ!』と敬遠する中、カメラマンのウイリアム氏は率先して食し、『醤油の効果を、調理をしたような味に変わる』との絶妙のコメントを残した。

 彼らは、魚市場で見たウナギにも興味を示し、鰻の調理法を取材するため浅草に移動。創業150年という老舗の「行列の出来るかば焼き屋」を訪れ、鰻を焼くところから撮影する。ここの御主人は和風総本家ではお馴染みの人物とのことで、江戸っ子の職人気質。少し怖いと聞いていたトーコ女史は、恐る恐るの取材だった。『料理をどのようにサービスするか出して貰いたいけれど、食べたことのない物だから食べ残すと失礼だから少しでいいの』と。

 しかし、御主人はそんな彼女を一目見た瞬間から気に入った様子で、何でも協力するという気持ちが溢れていた。確かに全編を通じて、この若い女性ディレクターの魅力が番組を引き立てていた。

 築地を出た取材班は表参道を訪れ、様々なファッションを取材すると共に、着物について取材した。お気に入りの刺繍の入った着物を羽織ったマラウイNo.1リポーターのティンプンザ氏は、その着物の値段が2万円と聞いて、いそいそと脱いだ。2万円はマラウイの人達の平均的な年収額なのだそうな。

 その後、日本のモノ作りの代表として江戸切子の工房を訪れたり、ガラスを作っている現場を取材したが、ここでは仕事中に指示されずに働く職人たちに感心したらしい。マラウイでの紹介放送では、『職人たちの働きが日本の経済を支えている』と説明していた。・・・

 ・・・

 翌日、取材のラストカットを撮影するための渋谷では、取材班は道行く人にピースサインを送り、人々がピースを出す瞬間を狙っていた。彼らは、笑顔で迎えてくれた日本人の優しさが今回の取材で一番印象に残り、それを象徴するのがピースサインだったという。

 マラウイで放送された日本を紹介したテレビ番組では。日本を『太平洋の宝石』と讃え、『日本は素晴らしい国です。日本人は平和を愛し、とても勤勉に働きます。彼らは自分の持つ能力を最大限に活かそうとしています。彼らが経済大国であるのは不思議なことではありません』、さらに『豊かな文化と観光地、暖かい人々で満たされている国である』とも紹介している。

 貧しくとも純粋で豊かな感性と知性を持った彼らの見た美しい日本の風景が、何よりピース(平和)がいつまでも続くように、願わずにはいられない。





*1) アフリカ大陸南東部に位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。旧称はイギリス保護領ニヤサランド(Nyasaland、ニアサは湖の意)。首都はリロングウェ、最大の都市はブランタイヤ。アフリカ大地溝帯に位置する内陸国であり、マラウイ湖の西岸にある南北に細長い国。東西の幅は90-161km、南北の長さは900kmに及ぶ。国土はほとんど高原上にあり、マラウイ湖が大きな面積を占める。人口1,528万人(2008年) Byウィキペディア
*2)MBC300人以上の従業員を束ねる最高責任者マロパ氏(38歳)以下4名

本稿は、2011年8月放送のテレビ東京「和風総本家」の「日本という名の惑星」を録画したものから起したものです。誌面の都合上、神戸牛の「すきやき」やステーキを味わうシーン、新大久保でのペットショップ、宿泊先の和風旅館での等々は省略しています。
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