今日は黄鉄鉱3として黄鉄鉱のレインボーについての話題です。
黄鉄鉱の魅力は形と共に、その金のような金色の輝きにあります。さらに、中にはその金色に七色の虹色が見られるものもあります。
それらはレインボーパイライトと呼ばれ、特にロシアのボルガ川産のロジュール状の球体の中に付着しているものが有名ですが、今、手元にそれがないので写真を撮れません。
代わりにこの標本の写真を出します。
アメリカ ミズーリ州産黄鉄鉱・方解石(Pyrite/Calcite)
この標本は黄鉄鉱と方解石の共生標本です。その球状結晶をしている黄鉄鉱は全体的には金色をしていますが、細部をよく見ますとその金色の中にも緑色や紫色の金属的な虹色が見られます。これは金属薄膜の干渉による構造色です。レインボー水晶のクラックによる薄膜干渉と同じ原理の構造色の一種です。金色の中の虹色は何とも魅力的です。
ペルー産 黄鉄鉱・水晶・方解石(Pyrite/Quartz/Calcite)
この標本は水晶と方解石の共生体に球状の黄鉄鉱の粒々結晶が付いています。写真ではどうもうまくその金属的な青い色が撮れないのですが、肉眼的にはキラキラとした金属的な青色が光って見えます。この青色も薄膜干渉による構造色です。黄鉄鉱の色には黄色ではない色のものもあるのです。
黄鉄鉱の虹色は水晶のような透明感のある虹色の魅力とは違った、金属ならではの虹色の魅力があると思います。
自らの色を虹色に変身させて人の心の中に入ってくる鉱物たちの振る舞い、どういう事なんでしょうか?植物の花ならば生殖という目的の為に、虫や鳥たちを利用しているのですが、鉱物達は何の為に、自らを石の華として人を魅惑するのでしょうか?
それは分かりません。鉱物には本来、意識がないのですから。