昨日、遊色の薄いホワイトオパールの原石をコップに入れ、自宅の電気ポットから95℃の温水を注いでみました。オパールの遊色効果の変化を期待しましたが、何の変化も起こりませんでした。しばらく観察を続けてみましたが、コップの中の温水はすぐに冷めてしまいます。このような簡単な実験では、保温という問題があります。出来れば、透明な保温ポットで、温度ごとに温度管理しながら長時間観察を続ける必要性があります。・・・。ただ、そんな事をしてもあまり意味があるようには思えませんでした。
そう言えば、5、6年くらい前に、温度で色が変わるカラーチェンジ・カルセドニーのブレスレットがあって、「石の華」でも扱った事がありました。それは70℃くらいの高温と室温とで色が変化する面白いものでした。
体温で色が変わるものとしては、その昔、リトマス試験紙のような簡易体温計があった事を思い出しました。それは、どこかにいって無くなってしまいました。
その代わり、体温で色が変化する「TOUCHSTONE」というおもちゃが残っておりました。(40年前くらい前に買ったものです。)
上の写真がそれです。
それは何かの樹脂のような素材で、指で触るだけで虹色が変化してゆく面白いものです。そのソラリゼーションのような色の変化が魅力的です。
温度の変化によって物質の色が変化する現象をサーモクロミズムと言い、どうも様々な材料があるようです。カラーチェンジ・カルセドニーは石の代表例だったようです。
今日は北陸地方では珍しい冬場の青天です。ただ、気持ち良く晴れてはいますが、現在の外の気温は4℃位で、寒いです。(4℃と言えば、金沢フォーラス1階正面にあった4℃というジュエリーショップが無くなっておりましたが、どうも2階に移転したようです。)
ところで4℃は水の比重が最も重い温度です。
先日の大寒の日に、あるオパール好きのお客さんから、オパールを冷水で洗浄したら遊色効果が増した、という話を聞きました。同じような話は、他にも聞いたことがあります。その話を聞いて、私は、店にある水の入ったガラス瓶入りのオパールを冷水で洗浄しました。それらは長らく水替えをしていなかったので、藻のようなものが浮いており、それらを除去するという目的もありました。
冷水で洗浄したオパールは、ライトで照らしてみると、何となく遊色が目立つようになったような気がしました。
そこで、ひとつの仮説を思い付きました。
それは、4℃の冷水に浸けたオパールの遊色が最も美しい、という仮説です。
本来、オパールの中には水が入っております。オパールは小さな球状のシリカの集合体ですが、それらのサイズが揃い、規則正しく固まっていると遊色効果が現れます。それは球の最密充填のような状態で、球の隙間には空間があり、そこに水が入っているとイメージできます。水の分子は温度により変化します。遊色効果も変化する可能性があるような気がします。
もしかすると、密度の高い4℃の冷水が光の回折に最も相応しいのかもしれません。オパールの遊色効果も構造色ですから、光の波長と干渉現象によって色が変化します。
色の好みは人それぞれですが、色の変化が現れる遊色効果では、より美しく見えるのではないでしょうか?
上の写真は水を入れた小瓶の中のオーストラリア産のオパールです。単なる白色だったオパールに遊色が現れました。
店内にある胡蝶蘭の三つ目の花が開花しました。
上の写真が今朝の写真です。蕾が順番に開花していくのが面白いと思います。
店内に三輪の花のような石がありました。
上の写真は岐阜県根尾谷の菊花石です。三輪の花と亀甲模様が面白い石です。
これは菊花石の亀甲石と言っても良いと思われ、両方兼ね備えているところが魅力的です。
菊花石は球顆状で産出する事が多く、球の最密充填構造を考えると、六角形が現れますので、亀甲模様になるのは必然ですが、これほど分かりやすい石は珍しいと思います。
石の魅力は、一つよりも二つ、あるいはそれ以上複数あると、その希少性が高まり、魅力度が増していくような気がしております。
私は、日頃から気になった新聞記事を切り抜く習慣があるのですが、昨日の北陸中日新聞 朝刊「空から あの頃 ふるさとは」の「小松駅(1966年)」は、そのまま永久保存版にしたいと思ったくらいの記事でした。
上の写真がその写真部分です。
その写真は当時の小松駅周辺のヘリからの空撮写真です。私は初めて見ました。
国鉄小松駅に遊泉寺銅山ゆかりの北陸鉄道と尾小屋鉱山ゆかりの尾小屋鉄道が乗り入れています。このような写真を見ると小松は鉱山都市だった事がはっきりとわかります。恐らく、私の幼い頃の鉱物趣味の芽生えも、このような環境に影響していたのだろうと思います。
この写真には、私の実家の屋根も写っております。更に、出身校である稚松小学校・丸内中学校・小松高校が全て写っております。それらの周辺を見ると、今は無き展望塔のある公会堂や、当時9歳だった私がよく遊んでいた本蓮寺などもしっかり写っております。その頃の懐かしい記憶が蘇ります。
当時の私にとっては、この写真のエリアが世界の全てでした。この世界の中では、点のような存在で、日々過ごしていたのです。そういう意味では、このような空撮写真は、神のような視点からの、これまでに見た事の無い写真でした。
それにしても、よく残っていたと思います。この写真は、小松出身者にとっては、記憶を呼び起こす情報が詰まっており、貴重な写真記録だと思いました。
店内にある胡蝶蘭の二つ目の花が開花しました。
上の写真が今朝の写真です。今後、他の蕾も順次開花していくでしょう。
店内に二輪の花のような石がないか探してみると、まだ出していなかった石の中にありました。
上の写真はDugway Flower Quartzです。現在の店内の胡蝶蘭と同じように、二輪の花のような結晶が並んでいます。
ちょうどその部分が酸化鉄でオレンジ色に染まっており、なかなか愛らしい標本だと思っております。