私は石好きで、結晶した鉱物好きでもあるのですが、それらとはまた別に、熔け痕のある石にも何か惹かれるものを感じる事があります。
上の写真は、今から約25年前に伊豆大島に行った時に、お土産屋さんで買った溶岩です。その時、三原山登山も行いましたが、現地は風化した溶岩だらけで、熔け痕のある溶岩は見当たりませんでした。この溶岩は、恐らく、1986年の噴火直後に採取されたものだと思われます。その熔け痕と木の葉のような形状が魅力的だと思います。
溶岩はその名前の通り、溶けた岩石ですが、結晶した鉱物の中にも稀に熔け痕のあるものがあります。
上の写真はラベルの無い鉱物名も産地も不明なものですが、一緒に豊羽鉱山産の鉱物があった事や、色々調べてみて、もしかすると輝銀鉱かもしれないと思っております。その特徴は、熔け痕のような形状にあります。
もう一つ、上の写真は尾太鉱山産の閃亜鉛鉱と方鉛鉱です。これの面白いところも熔け痕のある方鉛鉱部分でしょうか?
金属鉱物の中でも輝銀鉱や方鉛鉱は融点が低く溶けやすい性質があり、熔け痕のような形状のものがある場合があります。
そこには鉱物の結晶成長と熔解の来歴がしっかり残っており、標本的な面白さが宿っているように感じております。
昨日は定休日でしたが、今朝、店のパソコンのメールチェックをすると、昨日、野呂輝雄さんからうれしいメールが入っておりました。
それは、ひとつ前のブログ「ミラー指数付斜方立方八面体模型」に反応されて、それを自らの結晶図作成プログラムで描画したものを送って下さったのです。
上の写真がそれです。
早速、即座にそのような事が出来る事が凄いと思います。
特に、その展開図は、それを切り取り、それを組み立てると、模型の複製がすぐ作れます。
ただ、オリジナルは半透明の素材を使ってあり、そのまま裏の面まで見れますが、紙の複製では、裏返して見るしかありません。
立体的な結晶面の関係性を楽しむには、裏返したり転がしたりして見る方が楽しいかもしれませんが・・・
先週の土曜日は、金沢駅もてなしドーム地下でNT金沢2023というイベントが開催されておりました。(私は今年のミネラルマーケットはパスしました。)
このイベントは以前から定期的に開催されておりましたが、私は出展者のひとつである合同会社ちょうあい多面体さんの隠れファンでもあって、オープン早々、会場を探し求めてそのブースに行きました。
昨年のこのイベントでは入れ子構造プラトン立体(このブログの2022.06.21参照)を購入しました。
上の写真が今年ゲットしたものです。
これはアルキメデス立体のひとつでもある斜方立方八面体ですが、その各面にミラー指数とおぼしき数字の印字があります。
結晶学のミラー指数は、私はちゃんと理解している訳ではありませんが、そのような難解なものを分かり易い多面体模型で示し、更に、半透明な素材を使ってある事から、立体の裏側の面指数まですぐ見れる、という優れものだと思いました。
ブースにはそれが数個置いてありましたので、私は、ひとつ売って欲しいとお願いしました。すると、まだ値段を決めていなかったらしいのですが、安価な価格でひとつ譲って頂けました。
多面体好き、結晶好きの私にとっては、大収穫でした。
斜方立方八面体と言えば、過去に常連のOさんに売ったダルネゴルスク産の同じようなサイズの大きな蛍石の単結晶の事を思い出します。(このブログの「蛍石」2012.06.23参照)
自然界の結晶形態と数学的な結晶模型の類似性に面白みを感じてしまいます。
今日は本当に久々にTV番組の話題です。(「テレビ番組3」は2012.03.29でした。)
このところ、TV番組の中で鉱物が取り上げられる事が多くなったと感じております。
私は、自宅での毎朝の日課で、BDでテレビ番組の録画予約をしているのですが、そのキーワードに「鉱物」、「洞窟」、「滝」の登録をしてあり、その関連番組を録り損なう事がないようにしております。
ただ、最近は、特に民放番組では録り損ないが発生している場合もあります。
昨日の事ですが、お客さん同士の会話が聞こえて来て、その中で「クレージージャーニー」と言う番組名が記憶に残りました。お客さんが帰ったあと、「クレージージャーニー」をWeb検索してみると、来週6月19日(月)放送予定が「ブラジル最大の宝石鉱山に日本のTV発潜入」となっておりました。これは、見なければならない、と思い、帰ってすぐに録画予約しました。
そして、今更ながら・・・なのですが、録画のキーワードに「宝石」を加えました。私は、宝石チャンネルの通販番組を避けるために、これまで「宝石」というキーワードは敢えて外していたのです。
ところがその「宝石」というキーワードも登録してみると、何と!また見逃していた興味深い番組が現れました。その番組とは放送大学「先端技術を支える宝石」6/18(日) 14:15 BS231です。ノーチェックでした。
今回は、この二つのTV番組の存在を放送前に知る事が出来て、収穫があったと感じております。
ひとつ前のブログの結晶図を野呂輝雄さん(「鉱物結晶図鑑」の著者)が、ご自身で開発した結晶プログラムで描画されました。
上の結晶図がそれです。これは、今朝、店のパソコンのメールに届いておりました。
実は、野呂さん、先週の木・金・土に金沢に来ており、当店「石の華」にもお立ち寄り頂いておりました。(金曜日の午前中は二人で金沢のひがし茶屋街観光をしました。)
私は鉱物も鉱物結晶図も好きな鉱物マニアですが、コンピュータプログラムは苦手です。様々な結晶形態をプログラムで描ける事自体を素晴らしいと思います。
世の中、AIが日常的に話題となっている時代に入っているようですが、A(あてずっぽう)でI(いいかげん)のAI人間の私は、ただただ、コンピュータの進化に驚いているばかりです。
今回の三角式黄銅鉱の双晶の結晶図を、ほぼ100年前の若林彌一郎氏が見ると、どんな反応を示しただろう?と想像すると、非常に興味深いと思いました。