ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

5周年

2016-07-29 11:19:20 | 日記・エッセイ・コラム
先ほど気づいてしまったのですが、「石の華」がオープンしたのは2011年7月30日でしたので、今日で丸5年となり、明日は5周年記念日です。

5年間、長いようで短かったような気がしております。「石の華」は北陸初の鉱物標本店でした。誰もが長続きはしないだろうと思っていたと思いますが、何とか5年間も続いてこれました。石の趣味と言うと水石・観賞石とパワーストーンの店しかなかったこの地に本格的な鉱物趣味の店を開いた訳ですが、オープン当時も今もオンリー・ワンである事に変わりありません。全国的には鉱物趣味は老若男女が楽しみ、鉱物女子の登場と共に広がりも見せ始めていると思います。ただ、金沢にいるとどうしても鉱物趣味はまだまだ少数の愛好者だけのマイナーな趣味なのだと思ってしまいます。

世間の動きとしては、小松の石文化が日本遺産に認定されたり、県の石なるものが発表されたり、この地の博物館でも鉱物展示が行われるようになったり、少しづつですが、石への関心が高まりつつある、という気がしております。

「石の華」が入っているポルテ金沢のテナント契約は6年間なので、後1年という事になります。その後はどうなるかわかりません。

いづれにせよ、明日は5周年記念日です。特別、何かやるのか、まだノーアイデアです。

さて、どうしましょうか?
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かぶりもの2

2016-07-26 12:33:03 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「かぶりもの2」です。過去に一度「かぶりもの」(2012.11.12)というタイトルで書いておりましたので2となります。

その過去の記事を久しぶりに読んでみると、今更ながら面白い事に気づきました。それはその記事に出した二つの写真の鉱物は既に売れてしまっているのですが、売れた時期は異なっているものの、購入者は同一人物だったという事です。それはその持ち主があらかじめ決まっていたと言うような予定調和的な事実です。その事実に気づいて、私もうれしくなってしまいました。

さて、今日は「かぶりもの2」です。今日の写真は先日の名古屋ミネラルショーで仕入れてきたインド産の魚眼石です。





上の二つの写真は丸くないオーケン石に多くの多面体状の魚眼石の単結晶が覆いかぶさるように張り付いております。その姿は何となく不思議なキノコのような形状にも見え、二つの共生鉱物標本としても非常に面白いものだと思います。



上の写真は前のものとは違うもので、オーケン石部分が無くなって、かぶさっていた魚眼石部分が取れ残ったものだと思われます。この標本もある意味、非常に面白いものだと思います。この標本だけを見ると、それがどのようにして出来たのかを想像する事は非常に難しいと思います。この二つの標本を見ると、それらの共生関係や成因を類推する事が可能となります。そういう意味で、この二つの標本も対としてある事に価値があるような気がしてしまいます。

この二つの標本は同じ業者のコーナーから複数あったものの中から選んできたものです。その二つが揃っている事は私の選別という意図が働いているものの、それらは偶然に対となって来ました。

鉱物の共生に関しては過去に何度か書いた事があります。鉱物の共生には共生ならではの美しさと魅力があり、単一鉱物の単結晶やクラスターの魅力よりも一つで二度美味しいと言うような付加価値が付いて、その魅力は倍増します。

かぶりもの鉱物の魅力もそのような共生の一つだと思います。

最近になってインド産の魚眼石の多面体的な単結晶がくっついた集合体標本をよく見かけるようになったと思います。それはまるで空間最密充填の模型を見ているような面白さがあります。そして、今回の標本は丸くないオーケン石に覆いかぶさるように集合しております。

こういう標本を見ていると鉱物の世界でも生存競争があるような気がしてしまいます。それは空間を埋め合う競争で、密林の植物の世界と同じように空間を取り合っているように思えます。植物の世界ではつる植物の締め殺しの木があるように、鉱物の世界でも違う鉱物が後からコーティングして覆いかぶさり、最終的には仮晶として置き換わってしまう事があります。

今日の標本を見ていると自然界のひとつの摂理のようなものを感じてしまいました。


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郊外の大型書店

2016-07-25 14:47:03 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「郊外の大型書店」です。

先ほど、久しぶりにクルマで郊外にある大型書店に行ってきました。やはり大型書店では気になっていた本を直に手に取れるので、ネットで本を購入するのとは違って、その本を確認して納得して購入できました。そしてお目当ての本をゲットした後も小一時間ほど他の本を見て回り、満足感がありました。石と同じように本もネットではなく実店舗で買う方が良いと思いました。

先日、いつも利用しているアマゾンで不愉快な事が続いて、今後は極力、実店舗の本屋で本を買おうと思っております。ただ、金沢のような地方都市では、専門書の類になる本は駅前の本屋には置いてない事が多く、そんな場合は「郊外の大型書店」に行かなければなりません。それは面倒な事でもあるのですが、それでも、大型書店では、お目当ての本以外の様々なジャンルの本も見る事ができ、予想外の本との偶然の出会いも期待できます。本好きにとっては、そのような機会を得る事は知的好奇心を刺激できる重要な事だと思います。今後はネット通販は極力避けて、「郊外の大型書店」に行こうと思っております。

思うに、これまでお店を始めて、時間的な余裕がなかった事もあって、もっぱらネット通販で本を買ってきました。それはネットの方が楽だったからでした。ただ、そうしてきた事によって、これまでに多くの貴重な偶然の出会いという機会を失ってきたような気がしております。

「石の華」の常連客のNさんは携帯もスマホもパソコンも持たず、ネットは一切やらないという主義を貫いております。それでも石情報や新刊本の情報にも詳しく、そのような情報はもっぱら実店舗を渡り歩いて足で稼いでおられます。スゴイ事だと思います。

今後は私も見習いたいと思います。ネットは簡単で便利だとは思いますが、そのような顔の見えない薄い関係性の中では、悪意のある意図的な操作があったり、誤解を伴う不愉快な事も起こり得ます。

今日は「郊外の大型書店」に行って実店舗の良さを再確認しました。
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アメシストフラワー

2016-07-22 14:27:13 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「アメシストフラワー」です。久しぶりのブログ更新となります。ここ最近は石の写真が少ない内容が多かったせいか、アクセス数も減少気味になってきましたので、久しぶりの石写真登場とします。現在、店に置いてある石を出すとすると、やはり「石の華」的にはアメシストフラワーを出したいと思います。



上の写真はブラジル産のアメシストフラワーです。その名の通り、美しい花のような結晶をしています。



普通、アメシストフラワーと言うと、横向きに薄い平面的な放射状結晶したもので、花のように見えるものを指すと思いますが、このアメシストフラワーは厚みがあり、まるでダリアかある種の菊の花のように見えます。そこがこの石の魅力的なところです。





また、その裏面には中心部にコロナアゲートのような核部分があり、その周辺にも小さな花柄の結晶が付いており、多重にアメシストフラワーになっているところが面白いと思います。

思うに、良石と言えるものは表面だけではなく、その裏面にも見どころがあるものが多いように思えます。そのような多重な魅力が購入意欲をそそるのだろうと思います。

そう言えば、常連のOさんは必ず標本の裏側もチェックします。そして、たびたび、誰も気づいていなかった新発見をします。これまでに「石の華」に置いてあった標本で、そのような新発見で付加価値の付いたものは数多くあります。それはその標本にとっても隠れていた魅力が増した訳で、Oさんのお陰で標本価値が高まった事になり、私もうれしくなります。値段はそのまま据え置くとしても、お客様が商品価値を高めて下さった訳で、私もOさんも標本も皆ハッピーになります。いつも、ありがとうございます。そのような時は、お店をやっている醍醐味を味わえる事になり、店主として冥利に尽きると思います。

そのような経験を何度か重ねている内に、私も裏側チェックという習慣が付いてきました。

ミネラルショーのようなところで仕入れる時は、時間との勝負というような中で、比較的短時間で選んできたようなところがあり、これまではあまり裏側チェックまではしてこなかったように思えます。そのように集めてきた標本の中には隠れた魅力が潜んでいるものが多々あります。Oさんは「石の華」の店内でそれらの標本をじっくりと時間をかけて吟味しており、そのような時間的な余裕とOさんならではの好奇心と鉱物愛とが相まって数々の発見をしてきたのだろうと思います。

そのような品定めは実店舗ならではであって、インターネットでは決してできない事です。「石の華」ではそれができます。

標本を直に手に取って見る事、そしてあらゆる角度からじっくり見る事、それが重要です。

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亜鉛華

2016-07-13 12:05:38 | 日記・エッセイ・コラム
昨夜、NHK-BSプレミアム「イッピン~岐阜美濃焼~」を録画して見ました。この番組はBDレコーダーに登録してある「結晶」というキーワードにひっかかった番組で、当初は見てすぐに消してしまおうと倍速で見ていたのですが、番組後半で出てきた「亜鉛華」(酸化亜鉛)の結晶釉薬の顕微鏡写真が興味深かったと思います。それは私好みの花形や星形の結晶の形をしており、その「亜鉛華」が出ている部分は編集して永久保存する事にしました。

「亜鉛華」、酸化亜鉛結晶釉の焼き物はその結晶模様が魅力的で、しかも比較的安価なので、私も幾つか持っております。名古屋にいた頃は、近隣に多くの焼き物産業が盛んな場所があったので、各地で催されている焼き物市にはよく出かけており、「亜鉛華」の焼き物も自然とたまっていきました。今日の写真はそれらの中から自宅の中で比較的身近なところにあったもので、すぐに取り出せたものです。



この「亜鉛華」、結晶釉として面白いだけではなく、チョッと調べてみると、どうも非常に興味深い機能性材料のようです。それは多岐に渡る産業分野で役に立ちそうな雰囲気です。

私的にはそのような産業的な側面よりも純粋にその結晶美を愛でる事の方に関心が高いのですが、それが美しくしかも有用となると、ますます貴重なもののように思えてきます。

亜鉛結晶釉の焼き物はそれほど珍しくはない安価なものだったので、これまではそれほど大切にはしてこなかったと思います。今回、「イッピン」の番組を見て、見直そうと思いました。

これは「用の美」ではありません。純粋な結晶美に過ぎないと思っていたものが、他にも有用な性質を持っていた、という事です。

「亜鉛華」に限らず、他の物質にも結晶美だけではなく、様々な有用な性質を持っている物質があるはずです。(それは決してパワーストーン的な効能の事ではありません。)それらの性質を科学的に知る事も広い意味での鉱物趣味と言って良いような気がしております。
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