ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

飛行機

2014-09-30 12:00:10 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「飛行機」です。昨日の「合体」から続きます。

まずは水晶が「合体」しているものの写真を二つ出します。

1

2

どうでしょうか?何となく「飛行機」に見えてしまいます。これらは写真を縦にするとロケットのようにも見えてしまうのですが、ひとつ目のものは翼に見える部分が長いのでやはり「飛行機」のように見えるのが自然だと思います。これらが「飛行機」に見えてしまうのは胴体と翼に見える部分の合体の角度からだと思います。これらはもちろん単なる水晶なので航空力学的な角度で合体している訳ではありません。これらの合体角度も単なる偶然の事だと思います。面白いのは「飛行機」のように見えてしまう事です。それは見るこちら側のイメージの問題なのだろうと思います。

多くの鉱物結晶を見ていると、時々、それが何かに見えてしまう事が多々あります。そのように見えてしまう事は面白い事で、そのような「見立て」も鉱物の楽しみ方のひとつだと思います。

今日は「飛行機」です。思うに金沢に住むようになってから、私は飛行機に乗らなくなってしまいました。それは金沢駅はJRやバスの便が良いからです。さらに来年の3月14日には北陸新幹線の開業もあり、東京駅まで2時間半で行けるようになります。飛行機に乗る機会はますます減ってしまうような気がしております。

私が東京に住んでいた頃は、お盆や正月の帰省の時は実家の小松まで主に飛行機を利用していました。福岡に住んでいた頃も飛行機でした。その頃は小松空港はよく利用していましたのでよく行っていましたが、名古屋に住んでいた頃から久しく小松空港には行っていません。

明日は、水曜日の定休日で、小松に行く用事がありますので、久しぶりに空港とまだ行った事のない航空プラザに行ってみようと思っております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合体

2014-09-29 17:26:22 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「合体」です。「合体」といっても合体ロボ(Webの画像検索ではこれしか出てこない!)や「釣りバカ日誌」シリーズで使われる俗称の事ではありません。「合体」とは複数のものを単数に接合または融合することです。鉱物の世界では、単結晶や双晶や連晶や群晶などと共によく見られる形態のひとつの事です。

鉱物の「合体」したものには同じ鉱物どうしのケースや異なる鉱物どうしのケースがあったりして、それらの中には希に絶妙なバランスで「合体」したものがあり、その姿には特別な魅力があると思います。

今日は今、店にある水晶で、水晶どうしの「合体」で、面白いと思ったものを少し出します。

1

2

3

4

5

今日は多くを語りません。それぞれの「合体」の妙をお楽しみ下さい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宝飾5

2014-09-28 10:31:18 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「宝飾5」です。「宝飾4」(2013.03.04)以来となります。

先日、近所に住んでいるお客さんTさんが面白いものを持って来て見せてくれました。それはアクアマリンの原石から作った宝飾としての指輪です。それが下の写真です。

Dscf6737
Dscf6701

この指輪はTさんの東京の知り合いの方に作ってもらったそうなのですが、それは4ヵ月前に「石の華」から購入したブラジル産のグリーンアクアマリンの原石から作ったものです。私はその原石の時の姿を良く知っていましたので、その変身ぶりを感慨深く見ました。アクアマリンは宝石鉱物なので宝飾品になるのは当たり前の事なのですが、実際に原石から宝飾品に変身する姿を見る機会は滅多にありません。今回はTさんのお蔭で貴重な経験をさせてもらったと感謝しております。

幸い、その原石時代の写真が残っていましたので、その写真も出します。

Dscf6204

Dscf6687

Dscf6719
今回の指輪とその残りの原石

当初、Tさんは指輪を2つ作ろうと思っていたそうなのですが、予算の関係と原石もとっておきたいという気持ちから指輪をひとつだけ作る事にしたそうです。残った原石もその原石ならではの魅力的な個性が残っており、正しい選択をされたと思います。

私自身はそれが宝石鉱物だとしても宝飾品になるより原石のままの方が良いと思う傾向があります。ただ、世の中の大半の方々、特に女性は、原石よりも宝飾品を好む傾向が強いように感じております。どうも石の価値は宝飾にあり、原石としての価値はそれだけでは無いと思われているようです。また、そのような意識はルースに対しても同じようです。日頃、お客さんから良く聞こえてくる言葉はルースケースに入っているルースを見て、「何に使うの?」という言葉です。それから「何でこんなに安いの?」という言葉です。

私は原石やルースそのものの美しさを愛でたいと思うのですが、多くの方々は宝飾としての実用性を求めるようです。

私にとってはその石の持っている美そのものの価値が大事なのです。高価な宝飾にはそれほど魅力を感じません。むしろ実用的ではない原石そのものの方が大事なのです。それは金銭的な価値とは違う価値観です。美の価値は実用の価値とは別次元のものだと思っております。それは金銭的な価値に置き換える事はできないものです。

私は純粋な美そのものである「結晶の美」は実用的ないわゆる「用の美」とは次元が違うと思っております。それはイデア的な美であって、日常的な現実的な美とは次元が違うのです。「美」には様々な側面があるとは思いますが、次元の概念を取り入れると理解し易いような気がします。「結晶の美」と「用の美」とは同じ次元では比べられない、という事です。

そうそう、宝石の世界のカットは数学的、幾何学的な結晶美に近い関係性があると思います。カットされた宝石ルースから感じられる美は装飾された「宝飾」の美とは違う次元にあるような気がします。

世の中の価値観には多様性があっても良いとは思っておりますが、宝飾の事を考えると、石の世界の価値観の多様性の事を想ってしまいました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相似2

2014-09-27 12:00:10 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「相似2」です。昨日に続きます。

昨日の「相似」では柘榴石の一種であるツァボライトと方解石の「相似」だったのですが、もうひとつ同じような「相似」現象があった事を思い出しました。

それも、また同じように店にある水晶と過去の鉱物カレンダーにあった柘榴石の写真との「相似」です。

Grossular
へソナイトと呼ばれる灰礬柘榴石(Grossular)

上の写真は2008年度版のイタリア製の「Giuseppe Agozzino MINERAL」という柘榴石カレンダーの写真です。

Dscf6774
上の写真はパキスタン産のハーキマータイプ水晶の結晶です。

どうでしょうか?これらも何となく似ているような気がします。水晶は六方晶系の鉱物ですから立方晶系の柘榴石と互いに似ている事が不思議な感じがします。

今回は水晶の方が先にあって、最初は変わった形の水晶があるものだーと思っていたところ、鉱物カレンダーで見た変わった形のヘソナイトに似ている、と気づきました。どうも両者は1本の結晶に見えますが、実は複数の結晶の合体したものらしいと考えられます。このような連晶も結晶外形に多様性をもたらすようです。両者とも偶然にできた形の様に思えます。ただ、面白い事に本質的に違うもの同志が似ているのです。

このような「相似」現象を見ていると「相似率」という言葉を思い出します。「相似率」とは松岡正剛さんが発行した『遊』(1978年)という雑誌の特集号のタイトルです。その雑誌には様々な「相似」現象が紹介してあり、その視覚的な相似感覚による遊びが非常に面白かったと思いました。

今日の「相似」現象は単なる偶然の現象かも知れません。ただ、「相似率」には「本性の同一性」という背後に隠れているものがあるようです。もしかすると、偶然性の背後に隠れている必然性があるのかも知れません。

「相似」現象はただ単に面白いだけではなく、背後に隠れている必然を探り当てる兆しのようなものかも知れない、と思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相似

2014-09-26 12:39:29 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「相似」です。「相似」という言葉は、このブログでは過去11回登場しておりました。(このブログの更新回数は知らない内に700回を超えておりました。)意外に少なかったような気もしますが、「相似」という現象は面白く、そして気になる現象のひとつでもあります。

「相似」とは互いに似ていることです。

先日、店にあるひとつの方解石の標本を見ていると、それによく似た鉱物写真の事を思い出しました。それは2009年度版の「Garnet」というアメリカ製の英語版カレンダーにあった写真です。(私は鉱物カレンダーもお気に入りで、それらは捨てずに取っといてあります。)その写真はこれです。

Photo_4
ツァボライトというタンザニア産の灰礬柘榴石(Grossular)

そして、店にある方解石の写真がこれです。

Photo_2
中国 広西省 佛子沖鉱山 産 方解石(Calcite)

どうでしょうか?何となく似ているような気がします。方解石は三方晶系の鉱物で柘榴石は立方晶系の鉱物なので両者が互いに似ている事が何となく不思議な感じがします。ただ、方解石の結晶形態のバリエーションは非常に多く、その外形は何にでも似てしまう事が多々あります。今回の「相似」の現象もそのようなケースのひとつと考えられます。そして、それらはどうも接触双晶しているようです。

双晶は鉱物の結晶外形に多様性をもたらします。今回の「相似」現象の背後にあるものはどうやら「双晶」にあるようです。

多くの鉱物を見ていると、これまでにも多くの「相似」を見て来ました。ある時はまるでトパーズのように見える水晶だったり重晶石だったり、またある時はまるで柘榴石のように見える電気石だったり磁鉄鉱だったり、鉱物の世界での「相似」はそれほど珍しくはありません。

それは珍しい現象ではないのかも知れませんが、「相似」関係にある両者を並べると、非常に面白い、と思います。何が面白いかと言うと、本質的に違うもの同志が似る事が面白いのです。

この「相似」現象は鉱物だけの事ではありません。生物の面白い「相似」現象のひとつに「擬態」という現象があると思います。生物の「擬態」には生物ならではの生存という目的があって、それはある意味、理に適っています。ただ、そのような「擬態」の背後には何らかの「意図」のようなものを感じざるを得ないのですが、それが何であるのかは分かりません。

以前、このブログでは「キノコのような鉱物」(2012.11.27)の時に鉱物と生物との「相似」の事を書いておりました。いずれにせよ、自然界の「相似」現象は面白いものだと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする