ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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石の花2

2019-02-21 11:33:48 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「石の花2」です。(過去に「石の花」2011.12.28というタイトルを一度使っておりました。)

昨日は定休日で、自宅で録画していたTV番組を見ていたのですが、ある番組を見ていて、予期せぬ「石の花」の映像を見ました。その映像とは咲くのに数万年もかかるという石の花の映像です。その番組とはNHK-BSプレミアムの「体感!グレートネイチャー 中国南方・大カルスト地帯をゆく!」(2月16日(土) 午後7時30分)という番組でした。

その番組は中国南方の大カルスト地帯の様々な絶景を紹介する番組でしたが、紹介されたのは、カルスト地帯特有の石灰岩の浸食地形だけではありませんでした。番組のクライマックスともいえる最後に登場したのは、5億年前の洞窟内に咲いている石膏で出来た石の花でした。その花畑には美しく咲き誇っているものがあったり、まだ蕾の状態のものがあったり、その石の花が咲くのには数万年もかかるというような説明がされておりました。

石の花とはそういうものなのだろうと思います。悠久の地球史的な時間とそのロマンを感じてしまいました。そして、同時に「石の華」にある「石の花」達も同様に、地球史的な時間をかけて出来てきたものなのだろう、と思いました。

今日のブログの写真はありません。その映像はNHKの番組なので、再放送かオンデマンドでも見れると思います。オススメです。
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共生7

2019-02-15 13:26:31 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「共生7」です。

「共生」の話題はいくつもあるのですが、今日の話題は鉱物の共生の中でも、共生していた痕跡のあるものです。それはある鉱物に別の鉱物が共生していただろうと思われる跡が残っているもので、そのようなものも、ある意味面白い共生と言えます。

まず、最初はブラジル産の水晶です。



この水晶はガタガタなので、一見、それほど魅力的に見えませんが、穴だらけの中に菱形の抜けがあったり、一部には、その穴を作った緑簾石の欠片が付いていたりして、その共生を物語っており、面白いと思います。これは何となくヒマラヤのアイスクリスタルと呼ばれている水晶にも似ています。共生していた別の鉱物が溶解や風化などで無くなってしまって、その痕跡だけが残ってしまったもののように思えます。これは特に頭の錐面も残っていたりして、標本的には価値があるような気がしております。






次もブラジル産の水晶ですが、これは通称スターバーストとも呼ばれているものです。私的にはその花のような放射状の痕跡が気に入っております。その痕跡部分を拡大して良く見ると、そこには共生していた雲母が部分的にまだ付着しております。痕跡の正体を物語っている貴重な標本だと思います。





次もブラジル産のトルマリンと水晶の共生です。そのトルマリンの柱面部分に傷のような跡があります。これも何かの鉱物の痕跡だと思われます。



「石の華」の店内には同じくブラジル産の巨大な水晶とブラックトルマリンの共生標本があるのですが、そのトルマリンの柱面にも同じような傷跡が付いております。
この傷を付けた共生鉱物は何だったのでしょうか?恐らく、雲母か何かの長石だろうと思われますが、詳しい事はわかりません。

他にはロシアのダルネゴルスク産の成長干渉水晶(このブログの「成長干渉水晶」2015.11.12参照)も今日の「共生7」の話題にふさわしいものだと思います。それは、水晶の成長を干渉した薄い方解石の層が残っているものでした。そのような痕跡の鉱物が残っているものは、それを物語っており、標本価値が高いと思われます。その水晶は水晶の研究者のところに行きましたので、「石の華」的には良かったと思っております。

 
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共生6

2019-02-07 14:42:09 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「共生6」です。

今回の「共生」は、本来の意味の「共生」で、生物学的な意味での「共生」です。

今週の月曜日に最近オープンしたという「シュレディンガーの猫」という名の博物系の雑貨屋さんに行ってきました。「石の華」からは徒歩5分位の場所なので、チョッと様子見という気軽な気持ちで行って参りました。その店に入ると、そこはミニ博物館といった雰囲気になっており、たくさんの気になるものが展示販売されておりました。

私は店主と会話しながら、非常に興味深い貝類を数点購入しました。私は鉱物マニアですが、決して貝人(貝類コレクター)ではありません。ただ、今回購入したものは、鉱物コレクター(共生鉱物好き)にとっては、無視できない重要なものだと思いました。また、本来、鉱物と貝には類似性があり、櫻井欽一さんのように両方のコレクターがいてもおかしくないと思います。

何点か紹介します。









まず、最初はフジツボが付いたヒオウギガイです。

これを見た時に、私は「これは作り物ですよね?」と店主に尋ねました。すると店主は「いいえ、それは天然のものです!」と回答がありました。その瞬間に購入決定でした。

どうでしょか?これらは二つの生物が共生しており、それもカラフルに花のような形状になっております。しかも自然のままです。「石の華」的には即決です。

私は店内にあったもうひとつの気になる貝の事も聞いてみました。


クマサカガイ

上の写真がそれです。それを見た瞬間には、いかにも人間が作った作り物だと思いました。ところが、店主は「それも自然のままなのです!」しかも「それは貝を身に付けるタイプですが、他に、小石などを身に着けるタイプもいます。」と続きました。



上の写真がそのタイプのものです。店主は「貝が好きなものと石が好きなものがおり、貝にも好みがあるのです。」と言いました。私は貝にもコレクターがいる事が面白いと思いました。さらに、店主は「これは擬態の一種だという説もあるようです。」とも教えてくれました。私は共生と擬態という不思議で興味深いサンプル標本をゲットしました。

共生と擬態はこのブログでも何度か話題にしたテーマです。貝類が持つ好み、動物が持つ意識というテーマ、興味は尽きません。

その店内には、動物の剥製や作家の雑貨など面白いものが、他にもたくさんあります。このような新店が近くにでき、うれしく思っております。





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共生5

2019-02-01 10:42:37 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「共生5」です。(このブログでは過去に「共生1」から「共生4」までを2011年12月21日から4日間連続で書いておりました。その頃はブログを始めて間もない頃で、店が暇だったという事もあって、ほとんど毎日書いておりました。写真を出す鉱物も話題も豊富にあり、その頃はまだ、ブログ更新が楽しかったような記憶があります。)

久々の話題ですので、どの鉱物の写真を撮ろうかと少しだけ迷ってしまったものの、店内には共生の美を放っているものがたくさんありますので、それほど長く迷う事無く次の3点を選びました。

まず、最初は金と武石の共生です。





武石というと褐鉄鉱化した黄鉄鉱の仮晶の事で、キューブ状のものを良く見かけると思いますが、このように正八面体のものは珍しいと思います。さらに、これには金の結晶が張り付いており、二重に珍しいものだと思います。このブラジル産の武石の中には、割れたキューブ状の結晶の内部に金の結晶が張り付いているという非常に珍しいものもあります。これらの珍しい標本を見ていると、武石と金の共生には何か不思議な関係性があるような気がしております。

次は硫砒鉄鉱と水晶の共生です。





硫砒鉄鉱と水晶の共生はそれほど珍しいものではありません。ただ、このように絶妙なバランスで共生していると、そこには自然が造った芸術という言葉が相応しい、と思えてしまいます。このような共生は標本価値が高いと言えます。

今日の最後は水晶と黄鉄鉱の共生です。





水晶と黄鉄鉱の共生もそれほど珍しいものではありません。水晶も黄鉄鉱もよく見られる普通のありふれた鉱物ですが、このように共生すると、両者が美的に相乗効果をおこして、足し算以上のシナジー効果を発しているような気がします。このような共生も標本価値を高めているような気がしております。

鉱物コレクションも年季が入ってくると普通の標本では満足できなくなってくると思います。そのような場合、ありふれた鉱物でも二つ以上の鉱物の共生の美を愛でるという楽しみ方があります。そのような共生標本には、その共生の在り方によっては、唯一無二の美を醸し出すものを見出す事ができると思います。共生標本には共生標本ならではの複合的な鉱物の美が宿っているのです。それらは、コレクションを更なる高みに導いてくれるような気がしております。
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