ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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石ガール

2012-08-31 11:57:38 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、あるお客さんと話をしていて、鉱物大好き女子が増殖中という話になりました。

彼らは「石ガール」というそうです。

彼らは単なる鉱物オタクではありません。最初はパワーストーン好きですが、パワーストーン好き度が高まると、やがて鉱物としての石全般を愛する「石ガール」になっていくのだそうです。森ガール、山ガールの次は「石ガール」が熱い!そうです。どちらかと言えばファッション重視の女の子たちを「○○ガール」と呼ぶそうですが、「石ガール」はファッションを伴わず、純粋に石を愛する女の子たちの事だそうです。

そういえば、数年前位から各地のミネラルショーでも若い女性の姿をよく見掛けるようになってきました。最初はビーズやルースのブースだけだと思っていましたが、今では原石や鉱物標本のブースにまで浸食しつつあります。そのうち「石ガール」だけのミネラルショー開催という事態に発展してしまいそうです。

「石の華」のお客さんにも「石ガール」とその予備軍のお子さん達がいらっしゃいます。鉱物趣味は既にオジサン達の密やかな趣味ではなくなりつつあるのかも知れません。

先日、関西のSさんと話をしていて、やはり女性は長続きしない、という話がありました。以前、京都にIさんというスゴイ女性がいらっしゃいました。私はそのIさんとお話した事があるのですが、鉱物採集の記録を書いている手帳を見せてもらって驚愕した事を思い出しました。その手帳には毎週のように全国の有名産地を訪れた事が書いてありました。自宅は石で埋まっているそうでした。そのIさんは既に姿を見せないそうです。どうしたのでしょうか?

「石ガール」達の今後はどうなっていくのでしょうか?

思えば、鉱物趣味に限らず、スポーツ界をはじめ、各界での女性の活躍は今に始まった事ではありません。男性だけの趣味のように思われた鉄ちゃんの世界にも鉄子がいる時代です。(数日前、NHKで「哲子の部屋」という番組もありました。)

これからは鉱物趣味と「石ガール」達との共存を考えていかなければならないようです。

ひとの世界でも重要なキーワードは「共生」のようです。

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累帯構造2

2012-08-30 15:14:27 | 日記・エッセイ・コラム

今日は書き上げたブログを誤操作で消してしまい、今日のブログ更新は休みにしようと思いましたが、ここ最近はアクセス数が伸びていますので、気を取り直して再度書き直します。

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岐阜県中津川市 博石館の展示

この写真は13年位前に見かけた博石館の展示です。それは水晶の累帯構造です。この標本はそのサイズも然ることながら、肉眼的にもはっきりそれが見て取れ、非常に貴重な標本だと思います。その模様からはその水晶の結晶成長の記録が読み取れ、その秘められた歴史が刻み込まれていると思います。いつかその解読が可能になる日が来るような気がします。

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山口県大島郡周防大島町西椋野 産 球状花崗閃緑岩(Ball granodiorite)

最初の写真がその産状が分かるもので、下のふたつの写真は球状の石を切断した表と裏(切断面)です。花崗岩類には球状になるものがあり、同心円状と放射状を組み合わせたような模様が見て取れます。この模様は累帯構造とは違うものかも知れませんが、何となく似ています。もしかすると成因が違うのかも知れません。

球状の花崗岩類はいろんな所にあります。有名な猿投山の球状花崗岩や香川県観音寺・円上島の球状ノーライト等、それらは菊石とも呼ばれ、石の花として知られています。

Photo_4

福井県大野市 産 ナポレオン石

この写真は粟津のMさん所有のナポレオン石です。この石は別名、時計石とも呼ばれています。特にこの石は時計の文字盤のように秒針まで見て取れる大変珍しい石だと思います。

珍しい石というと、他に思い当るのは、山口県・蓋井島の巨大な岩石です。写真が見つからないので残念ですが、それは岩場で見られる巨大なまだら模様の閃緑岩です。その光景は異様なほどのサイズで、写真で見た一緒に写っていた釣り船がミニチュアの船に見えてしまいました。日本には珍しい石や岩石が多く、石の世界はまだまだ面白く興味は尽きません。

今日はブログ消去や中断が多かった事もあり、何となく累帯構造から横滑りしてしまいました。

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うれしい来客14

2012-08-28 11:07:07 | 日記・エッセイ・コラム

昨日はうれしい来客がありました。

まず最初は、輪島からいらっしゃったYさんです。東京へ行く途中で立ち寄られたようです。Yさんは無名会の会員だった方です。以前、このブログの「ベスブ石」の話題の時に、Yさんは櫻井欽一さんから平瀬の輝水鉛鉱を頂いたと書いてしまったのですが、実は逆で、櫻井欽一さんがYさんから貰い受けたのでした。訂正してお詫びします。すいませんでした。

Yさんと少し石談義をしました。倉谷鉱山の車骨鉱の話も出ました。私は関西のSさんの「鉱物趣味の博物館」のホームページで写真は見た事があるのですが、現物は見た事がありません。倉谷鉱山の車骨鉱、非常に気になる存在です。

次はポルテ金沢の関係者の男性です。午後にお店にいらっしゃったので少し話をしました。石の話に始まり、お互い石川県の高校を卒業して東京の大学に行き、東京の会社に就職し、転勤で名古屋支社を経験している等々、同じような人生を歩んできた事が分かりました。お互い共通している事が多く、年齢の話になりました。そして驚いた事に誕生日の年月日が同じでした。私は同じ日に生まれた人に会うのは初めてでした。奇遇です!感慨深く思いました。

最後は夕方になって「鉱物趣味の博物館」の関西のSさんがいらっしゃいました。お仕事での出張の合間に立ち寄られました。Sさんとの石談義は楽しく有意義です。19時の閉店ギリギリまで石談義をしました。

今朝のNHKニュースでニホンカワウソの絶滅種指定の話題がありました。そのニュースの中でニホンオオカミの話題も出ましたが、昨日、Sさんがご自身の事をニホンオオカミのようなものだ、と自虐的におっしゃった事を思い出しました。ニホンオオカミは明治の早期に絶滅しましたが、実は生存しているという噂は絶えないのです。国産鉱物の鉱物趣味とニホンオオカミ、意味深です。

そうそう、そのSさんは昨日、石川県鉱物同好会に入会されました。今後は特別会員として会に参加されます。Sさんは日本の鉱物関連団体に複数入会されておられます。我々の会の運営にもご助言を頂けそうです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

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累帯構造

2012-08-27 11:26:17 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「累帯構造」です。

「累帯構造」とは結晶の核から周縁にかけてみられる不連続な帯状構造の事です。顕微鏡サイズでは斜長石・輝石などに多いのですが、鉱物標本の中には肉眼的にもはっきりとそれが分かるものがあります。

累帯構造が分かり易いのは柘榴石です。

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産地不明 鉄礬柘榴石(Almandine)

上の写真は鉄礬柘榴石の表と裏です。表はきれいな菱形十二面体の形をしており、菱形の面はツルツルですが、裏の面には目で見てはっきりと分かる累帯構造が見て取れます。結晶が核から周縁部にかけて不連続的に成長していった事が分かります。中心部の色が薄い事から当初は違う組成だったのだろうと思います。

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中国 天山山脈 産 鉄礬柘榴石(Almandine)

この写真は菱形十二面体の各面に菱形の等高線のような模様が出ています。これも結晶成長の跡で柘榴石にはこのようなものが見られます。このような等高線のような模様も累帯構造の一種です。

結晶の成長跡が見て取れる標本は何か魅力的な気がします。そこには結晶成長した長い時間の記録が残っているのです。そこからはその鉱物が結晶してきた環境・条件が読み取れるような気がします。

そういえば、水晶の中の山入り水晶(ファントム水晶)等も累帯構造の一種だと思います。

山入り水晶は一度話題にした記憶がありますので、違うものを出します。

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スペイン Emilio鉱山 産 蛍石(Fluorite)

この写真は蛍石の累帯構造です。透明な結晶の中に紫色や灰色の結晶成長跡が見えます。この標本はキューブ状になっており、三方向の各面にも同じような累帯構造が見えます。これはファントム・フローライトといっていいと思います。

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Waverly,Larimer Co Colorado,U.S.A. 白鉄鉱(Marcasite) 

この写真は球状結晶をしたであろう白鉄鉱の一面です。切り取ったような円形になっており、その面には小さい結晶の集合体としての累帯構造が見て取れます。これは白鉄鉱のコンクリーションともいうべき標本で、なぜか球体の一部だけになっており、その累帯構造をしっかり見せてくれています。球状黄鉄鉱の結晶もありますが、それの一部をカットすると、このような面が現れるような気がします。

鉱物の累帯構造にはその鉱物の出来て来た歴史が刻みこまれているような気がして、どうしても貴重な標本に思えてしまいます。

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名古屋ミネラルショー

2012-08-26 11:11:19 | 日記・エッセイ・コラム

昨日は日帰りで名古屋ミネラルショーに行って参りました。

私は名古屋に住んでいた頃から、毎年、名古屋ミネラルショーに行っておりましたので、今回で十二回目位になります。勿論、出展ではなく、鉱物コレクターの立場でです。

今回も久しぶりにコレクター気分でミネラルショーを楽しみました。

今回、金沢からは高速バスで移動しました。高速バスの大きな窓からは北陸の夏の風景が良く見えました。いつもの列車の車窓からの見慣れた風景とは違って、何故か新鮮な感じがしました。ボーっと流れていく外の風景を見ていると、すぐに名古屋に着いてしまいました。

会場に入ると、いきなり懐かしい人にお会いしました。Oさんです。Oさんは朝日カルチャーの石の講座で知り合った80歳を越えるおじいさんです。お元気そうで、久しぶりに立ち話をしました。私はOさんの御自宅を訪ねたことがあり、Oさんコレクションを見せてもらった事があります。それは見事なコレクションの数々で、その特徴は美術品的な美しさと大きさにあります。そういえば、Oさんコレクションは雑誌「ミネラ」に一度紹介されたことがありました。

Oさんの買い物の邪魔にならないように、すぐにお別れすると、次々に懐かしいお顔の方々にお会いしました。豊橋のTさんや長久手愛石会の方々です。名古屋では鉱物趣味も水石の愛石も分け隔てなく共存しています。

午前中はアっと言う間に過ぎました。昼食を約束していたTさんとお会いした後、午後になってからじっくりと会場を見歩きました。

会場にはいつもと同じように多種多様な鉱物標本が並んでいました。

ちょっと気になった事は尾小屋鉱山産の紫水晶をいくつか見ました。それらは尾小屋鉱山産らしい特徴を持っていました。そこそこの値段が付いておりました。それらはいつ頃、採集されたものなのでしょうか?これまでにも何度か尾小屋鉱山産の紫水晶を見掛けた事はありましたが、古い標本が多かったように思います。私が石川県内以外の所で見たもので印象深い紫水晶は何と言っても湯沼鉱泉で見たものです。4年ほど前の事ですが、それは見事な紫水晶でした。他県で尾小屋鉱山産の標本を見掛けると何となくうれしくなってしまいます。

昨日はコレクター気分と仕入れの感情とが共存した気分で会場を回りました。会場での時間はすぐ過ぎました。

帰りも高速バスでの移動だったので早めに会場を後にしました。

名古屋駅は人で溢れていました。金沢の環境に慣れてきたせいか、雑踏の中では何故か疲れてしまいます。

金沢に帰ってきて、ホッとしました。

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