ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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異変2

2019-06-28 13:54:02 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「異変2」です。(このブログでは過去に「異変」2015.10.20というタイトルで一度書いておりました。)

昨日、テナントとして入っているポルテ金沢とは別の駐車場の会社から電話があり、近所の駐車場が今月いっぱいで閉鎖する、という連絡でした。実は、つい最近にも同じような話があり、両方ともホテル建設が始まるという話でした。

実は、金沢ではホテル建設ラッシュが起きており、今年中に客室数で名古屋を抜くという状況だそうです。この状況はどう考えてみても異常です。このような異変は2015年の北陸新幹線の金沢開業以来常態化しており、駅前に至っては加速しているような気すらします。この先、どうなってしまうのでしょうか?

そのような状況下、何が起きているかと言うと、駐車場不足という現象です。「石の華」は金沢駅前という立地条件の良い場所にあるのですが、その駅前の駐車場不足問題が重くのしかかってきました。そのような異変は駐車場料金の高騰から絶対的な駐車場不足へと悪化の一途をたどっています。

幸い、「石の華」のあるポルテ金沢には専用駐車場があります。かつては高いと思われていたその駐車場料金も、周辺の駐車場環境の変化に伴い、それ相応の料金になって来たという事でしょうか?

そんな中、昨日、富山から初めての若い女性の石好きさんが来店して下さいました。富山には石の店がないので、ネットで調べて来て下さったそうです。非常にうれしく思いました。そう言えば、このところ、常連さん以外では、県内のお客様より、福井や富山のお客様が多いような気がしております。さらに、高額商品に関しては関東方面のお客様率が高いように思えます。石の世界では東京価格だけは別格だと言われていますが、どうも実際そうなのだろうと思います。

かつてはマイナーだった鉱物趣味の社会的浸透を背景に、昨今は全国各地でミネラルショーが開催されております。その現象は、金沢でのホテル建設ラッシュという現象とダブって見えてしまいます。それは「異変」です。

金沢のホテル建設ラッシュは駐車場不足という弊害をもたらしましたが、ミネラルショーの乱立は鉱物標本価格の高騰と採集派の人達の乱獲による全国的な採集禁止という弊害をもたらしています。

先日、ある宝飾業界の人と話をしていて、私が「コロンビアとかアフガニスタンとか、なぜか良い石が出るところは治安が悪いですね。」と言うと、「それはお金になるからだ!」と言われ、「なるほど!」と思ってしまいました。石が悪い訳ではなく、人間の欲望が治安を悪くしているのです。

そう言えば、水石の世界には「一生一石」という名言があります。一番気に入ったものを一個だけ持てば良いのです。

同じような石はたくさん持っていてもムダです。水晶とか砂金とか、お金にはなりません。治安を悪くしてはいけません。

身の回りに起きている「異変」に気づきましょう。

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鉱物の和名

2019-06-21 11:47:08 | 日記・エッセイ・コラム
今日はまず写真からです。





上の写真は先日の浅草橋ミネラルマーケット会場でゲットして来た煙水晶上のトパーズ(岐阜県中津川市蛭川田原産)です。最初、黒い水晶に白い水晶が張り付いており、面白い!と思ってしまいましたが、よく見ると、白い方にはトパーズらしい結晶面があり、煙水晶とトパーズの共生体である事を認識しました。さらに曹長石も共生しており、小ぶりながらもそのチャーミングな共生の美に惹かれてしまいました。

ところで、話はガラッと変わりますが、トパーズあるいはトパズ(topaz)の和名が黄玉である事に違和感を感じてしまいます。トパーズにはピンクやブルーや無色もあったりして、黄玉という和名にはどうしても抵抗があります。今更、抵抗してもムダなのかもしれませんが、宝石・鉱物の和名には変なものが多いように思います。(パワーストーン名に関しては論外)

例えば、ベリルの緑柱石(緑色以外に赤、青、黄、ピンク、無色などの色があります。)があります。雲母(異なる色の白や黒や金など)もそうかもしれません。カイヤナイト(藍晶石)にも緑色やオレンジ色があります。どうも色の名前を付けると混乱してしまいます。他にも方解石(方より菱の方が相応しいのでは?)やペリドット(かんらん石は植物名の間違いからきている。)等々、和名には問題が多々あります。何とかならないのでしょうか?・・・。

ただ、よく考えてみると、そもそも日本語は漢字文化です。それにひらがなが加わり、欧米の文化も加わる事によって、アルファベットやカタカナが加わり、そのような歴史的変遷を経て現代日本語があります。そして、パソコンやITツールの進化と共に、今後も変化し続けていくのでしょう。そういう意味では、日本語とは多様性を持って進化してゆく生き物のようなものなのかもしれません。

鉱物の和名とは、過去(主に明治初期)の間違いを引きずったまま、矛盾を抱えつつ多様化した日本語文化の中にあるのです。そういうものだったのです。

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産地が異なるそっくり石2

2019-06-14 13:18:07 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「産地が異なるそっくり石2」です。(このブログでは過去に「産地が異なるそっくり石」2015.09.15を書いておりました。)

先日の浅草橋ミネラルマーケットで、千葉県銚子市外川長崎鼻産の霰石をゲットしてきました。





上の写真がそれです。

どうしてその霰石をゲットしたかと言うと、それは石川県の県の石にもなっている恋路海岸の霰石に似ていたからです。その母岩の雰囲気といい、ほのかなピンク色の結晶の雰囲気といい、恋路の霰石そっくりで、どうしても愛着が湧いてしまいました。それらは、かたや日本海側で、かたや太平洋側で、産地はまったく異なっています。それらがそっくり石で似ている事自体が非常に面白いと思います。恐らく、両者の地質的環境が似ているからだと思われます。

その産地である長崎鼻は犬吠埼の南に位置し、国内では最も早い初日の出を拝むことができる場所らしいので、いつか元旦に行ってみたい場所のひとつでもあります。

今回の長崎鼻も恋路海岸も両方とも海岸です。さらに日本産です。地球サイズのスケールを考えると両方とも同じようなものなのかもしれません。

次はハンガリー産の紫水晶です。



紫水晶にも各地で様々なタイプのものがありますが、このハンガリー産のものは個性的で独特な特徴があります。

次は栃木県の万珠鉱山産の紫水晶です。



どうでしょうか?何となくハンガリー産のものに似ているような気がします。このケースの場合は、かたやハンガリーで、かたや日本です。地球サイズで考えても、それなりに離れています。恐らく、両者の地質環境も似ているのだろうと想像できますが、実際はどうなのでしょうか?

両方とも鉱物標本市場で入手したものなので、残念ながら、私は両方の産状を見ていません。

産地が異なるそっくり石が存在し、ここに同時にある事に何か不思議な感じがしております。

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カラーチェンジ

2019-06-07 11:32:09 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「カラーチェンジ」です。(このブログではカラーチェンジする石の話題は何度か書いておりましたが、どうもタイトルにするのは初めてのようです。)

今朝のNHKニュース「おはよう日本」で「世界が驚く不思議な洋服・注目のファッションデザイナー 森永邦彦」が放送されており、白い服が一瞬で水色にカラーチェンジする映像を見て、あまりファッションに関心の無い私でも、ついつい見入ってしまいました。そして、今日のブログの話題は「カラーチェンジ」にしようと思ってしまいました。

石の世界に限らず、どんな世界でも、カラーチェンジは不思議で魅力的な現象だと思います。また、私に限らず、誰でも、カラーチェンジという現象には好奇心を抱いてしまう、と思います。





上の写真はコロンビアのムゾー産のエメラルドの原石です。黄鉄鉱の母岩にエメラルドが貫通しており、その姿は非常に魅力的だと思います。そして、さらに長波紫外線ライトで照らすとエメラルドが赤くカラーチェンジします。緑から赤にカラーチェンジし、まるで、レッドベリルに変化したようで得した気分になってしまいます。

エメラルドのカラーチェンジはどうもコロンビアのムゾー産のものに限られるようです。また、ムゾー産のエメラルドでもカラーチェンジしないものもあり、さらにカラーチェンジする部分としない部分が共存するバイカラーのものもあり、それは微量の成分の変化に伴うのだろうと想像できますが、それにしても不思議で魅力的な現象だと思います。

エメラルド以外の鉱物でもカラーチェンジする鉱物はあります。アレキサンドライトが有名ですが、他に、コランダムやガーネットやアウィン等々、キュービックジルコニアやダイクロイック・ガラスのような人工物にもあり、それぞれ魅力的だと思います。

カラーチェンジは石だけではありません。「石の華」の店内にはマダガスカル産のタビビトノキの種も飾りとして置いてあるのですが、その青い種も同じ長波ブラックライトで赤くカラーチェンジします。







写真では紫がかった赤色のように見えてしまいますが、肉眼的には、より赤色に近い色に見えます。どうも、色の感じ方は、カメラと肉眼では違うようです。

カラーチェンジは不思議な現象であるものの、科学的に解明する事が可能だとは思いますが、色の科学は複雑なので、深追いは止めときます。
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