ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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桜石2

2018-10-26 16:17:28 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「桜石2」です。(過去に「桜石」2012.04.12というタイトルで一度書いております。)

昨日、通りがかりの外国人の若い女性が来店しました。店頭のショーケースの中の鉱物を見て「すごい!」と日本語で言いながら店の中に入ってきました。彼女は数分間、店の中を見回り、それから、日本語で「何か?日本らしい石はありませんか?」と聞いてきました。外国人旅行客は横暴に英語で話しかけて来る事が多いのですが、彼女は笑顔で、しかも、日本語で話しかけてきましたので、好感が持てました。どうも、大学で日本語を学んだらしく、日本語のガイドをしているらしいのです。

外国人との日本語の会話は大歓迎です。その彼女の「日本らしい石」という質問に対して、私は「それなら桜石はどうでしょうか?」と桜石を紹介しました。(私的には翡翠ではないのです。どうしても翡翠というと中国というイメージがあり、それは日本らしい石ではないのです。)



上の写真は彼女に見せたものと同様のものです。(ルースケース入りで蓋を開けた状態)

彼女は「ステキ!」と言いながら、それがどんな石なのか?を聞いてきました。それは菫青石の仮晶なのですが、簡単にうまく説明できなかったので、桜石の英語名(Cerasite)を伝えました。すると、彼女はスマホですぐに検索して、その説明に納得して、すぐに購入を決めてくれました。

ちなみに、日本語の桜石でWeb検索すると、上位に、「【超稀少】桜の国、日本でしか見つけることが出来ない桜石【レア】」というまとめサイトが出てきますが、そのサイトに出て来る栃木県産の桜石の写真は私が撮ったこのブログの写真です。無断使用です。それから、桜石は天然記念物になっておりますが、ミネラルショーなどでは普通に売っていて、超希少でもレアでもありません。



彼女はこれから京都に行く、と言いましたので、その桜石は京都産ですが、それは天然記念物になっておりますので、採集はできません、という説明もしました。



桜石は福井県でも採れます。上の写真は常連のOさんが採集してきて頂いた美浜の耳川産の桜石です。

ところで、桜石にはひとつ忘れられない思い出があります。

それは、私が東京に住んでいた頃の話で、当時は鉱物には関心がなかったものの、なぜか?偶然に?第一回東京国際ミネラルフェア(1988年の新宿ショー)に行っており、その会場で初めて桜石を見て、その存在を知りました。その時は購入はしませんでしたが、なぜか?印象深く思ってしまいました。思えば、私にとっては、子供の頃、黄鉄鉱、黄銅鉱、水晶等に魅かれていたものの、その後、忘れてしまい、再度、鉱物愛に目覚めるきっかけをつくってくれたのが、その桜石だったのかもしれません。

そういう意味で、桜石は、私の鉱物趣味歴でいうルネサンスの象徴のような石なのです。

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ひがしやま荘

2018-10-21 14:39:35 | 日記・エッセイ・コラム
先ほど、お昼休みに店をチョッと抜け出して、ひがし茶屋街に行って参りました。気持ちの良い秋晴れの下、普段あまり乗っていない電動アシスト自転車で行きました。

ひがし茶屋街に行った目的は、ひがしやま荘のAKASHUで開催しているからくり箱の個展を見る為です。そこでは角田 遥さんの作品が置かれておりました。その作品はメルヘンチックなからくり箱で、それらは微笑ましい作品ばかりでした。・・・。

私がその店に入って、最初に目についたのは、実は、そのからくり箱ではなく、その商品棚にさりげなく置かれていた水晶や瑪瑙の原石達だったのです。それらの写真は撮りませんでしたが、見るからに小松の遊泉寺銅山産、菩提産とおぼしき石達でした。店の店主に尋ねると、それらは友人からもらったものらしいのです。予期せぬ場所で予期せぬ出会いがあり、非常にうれしくなりました。

AKASYUは若手作家の工芸品と古道具を中心とした雑貨のセレクトショップです。そこにはドイツ製のピューターの皿やリキュールグラスやビアグラス、アメリカのファイヤーキングのマグカップなどが置いてありました。私はそれらの骨董品にも興味があるものの、そこで買ったものはやはり、からくり箱でした。

今日の写真は「からくりキューブ4」というものです。





どうでしょうか?

私はその正六角形の断面が気に入りました。(からくりのロゴも気に入りました。)

そうそう、ひがしやま荘の正五角形のロゴも気に入っています。ひがしやま荘とは建具店さんの作業場をリノベーションしたシェアトリエらしく、5人の作家のSHARE SHOPでもあって、それぞれの個性が幾何学的にロゴに表現されていると思いました。

金沢にはまだまだ面白い店が潜んでいたんだと思いました。


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柱状節理2

2018-10-18 12:20:25 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「柱状節理2」です。(過去に「柱状節理」2012.03.08と題して一度書いておりました。)

昨日は定休日で、お昼ごろから天気も良くなったので、予てより行きたかった場所に行って参りました。その場所とは「道の駅 しらやまさん」近くの手取川の河原です。そこは金沢駅からクルマで40分足らずで行ける近場の絶景ポイントです。

「道の駅 しらやまさん」の駐車場から下の河原へ降りる階段があり、その河原を上流方向に約5分ほど歩くとその絶景が現れます。

その絶景とは以下の写真が物語ります。













上の写真がその絶景でした。

これは安山岩系と思われる岩石の柱状節理です。普通、柱状節理というと、黒い玄武岩で縦になったものを想像すると思われますが、ここの柱状節理は白く、しかも横たわっております。恐らく、縦のものが横になってしまうほどの大きな地殻変動があったのだろうと想像します。

日本は火山列島なので、柱状節理の地質構造はそれほど珍しくはないのですが、ここの柱状節理は奇妙で非常に面白いと思います。そして、意外にも、それほど知られていないのは何故なのでしょうか?そう言う、私も、ここの存在を知ったのは、つい1年ほど前の事なのです。柱状節理好きにとっては近場にこのような場所があって、うれしく思います。

昨日は、その柱状節理の絶景を見学した後、帰ろうとした時に、何と!美しい虹が現れました。



上の写真がそれです。その虹は色が濃く、しかも長時間出ていました。そして、写真ではわかりにくいかも知れませんが、その虹の上の方に薄い副虹も出ていました。



上の写真は獅子吼高原のロープウェイに架かる虹です。虹のアーチをロープウェイでくぐる!何と素敵な事でしょうか!!

もっとも、その時間帯にロープウェイに乗っていた人はその事に気づいていないと思いますが・・・

昨日は、珍しい柱状節理と美しい虹を見る事ができて、有意義な休日を過ごせたと思いました。
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フラワールチルクォーツ

2018-10-12 13:40:20 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「フラワールチルクォーツ」です。

昨日、何かのWeb検索をしていて、「フラワールチルクォーツ」という言葉が目に入ってきました。どうやら、その言葉はパワーストン系の言葉らしいのですが、「石の華」的には何か気になってしまい、無視できないと思い、その言葉の画像検索をしてしまいました。すると、そのネーミングに相応しく放射状の花のようなルチルinクォーツの写真が出てきました。それらは私好みの魅力的なものでした。

このブログでは過去に「太陽ルチル」(2016.08.01)の事を書いた事がありましたが、「フラワールチルクォーツ」の事を書くのは初めてです。

そして、店内にもフラワールチルクォーツと呼べるものがある事を思い出しました。





上の写真がそれです。

どうでしょうか?私はこれまでそれをタンポポの種が入っている水晶の丸玉と呼んでいましたが、フラワールチルクォーツの写真を見ていると、これもそれに違いない、と思ってしまいました。

また、店内にはもうひとつフラワールチルクォーツの一種と思われる水晶のポイントがあります。





上の写真がそれです。

これはブラジル産のカラピッショルチルクォーツと呼ばれるものです。カラピッショ(カラピッチョ)とは植物の名称で、クリノイガという細長い葉を持ち穂を実らせるイネ科の草だそうです。カラピッショは固い種が放射状になっていて、そのような形状が内包している事から名付けられたようです。

これらは両方ともフラワールチルクォーツと呼んで良さそうです。

面白い事だと思います。人は、似ているという理由から、鉱物の名前に植物の名前を付けるのです。さらに天体の名前が付いたり、森羅万象何でもアリです。

NHKの某番組ではありませんが、鉱物の名前の世界も面白い話題がたくさんありそうです。
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ジオラマ

2018-10-05 15:41:09 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「ジオラマ」です。ジオラマとはミニチュアの情景模型の事で、博物館などではお馴染みのものだと思います。



上の写真はブラジル産のアメシストです。洞窟内の石筍もしくは海底の熱水噴出孔のチムニーのような柱状の構造にドゥルージーな結晶がキラキラ輝いていて、何とも言えないお伽の世界の風景の様です。これはその形状からフェアリーガーデンとも呼ばれるようです。その名前はもちろん鉱物名ではなく、いわゆる俗称なのですが、言い得て妙だと思います。

このアメシストをよく見ると、ミニチュアのサイのフィギュアが見えます。あまりにも小さいのとサイが周りの風景と同化してしまっているので、わかりにくいかもしれませんが、拡大すると次のように見えます。



石にミニチュアのフィギュアを乗せる遊び心は、水石の世界でもありますし、昨今のテラリウムなどでも用いられています。そこにはジオラマを楽しむ遊び心とその情景を愛でる妄想が重要なのだろうと思います。

このアメシストのジオラマは如何でしょうか?本当はラクダのフィギュアを置きたかったのですが、それをすぐにゲットできなかったので、サイを置いてみました。自分ではそれはそれで十分だと満足しております。

今回、サイのフィギュアをゲットした際に、シロクマのフィギュアもゲットしてきました。そのシロクマのフィギュアに合った石が何かないか?と店内を探しました。そして、透石膏の標本があったので乗せてみました。



すると、妙にいい感じになったと思います。まるで、地球温暖化の影響で北極圏の氷が溶けはじめ、シロクマが生息域が減少している事を嘆いているようにも思えてきます。

このような妄想を伴った石の楽しみ方もアリだと思います。
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