ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

水晶の指紋

2016-11-28 14:01:07 | 日記・エッセイ・コラム
昨日の午後、先々週から3回目のご来店となる福井の鯖江からのお客さんがいらっしゃいました。日曜日の午後という時間帯で、いつもの常連さん達も来店中だったので、彼らに新しい仲間を紹介しました。彼らは石好きの若い女性は大歓迎で、初対面にもかかわらず、石好き同士の会話が弾んでいました。普段は静かな店が急に賑やかになり、私もうれしい気持ちになりました。

前にも書いたかもしれませんが、石好きはマイナーな存在です。そのような人達の出会いの場として「石の華」があるのだろうと思います。ネットショップではない実店舗の良さはそこにあるような気がします。

さて、その彼女は水晶好きです。「石の華」には個性的な水晶がたくさんあります。彼女はそれらの中からあるひとつの産地不明の水晶を取り出しました。それが今日の話題の水晶です。





上の写真がそれです。長石が水晶に張り付いており、水晶の成長に干渉したらしく、柱面に個性的な凸凹跡が見られます。常連のOさんはその水晶は恐らくパキスタン産だろうと言いました。Oさんはこれまでにも多くの産地不明鉱物を自らの経験やWeb検索を駆使して解き明かして来ました。すばらしい才能だと思います。





その水晶の個性的な柱面を見ていると、指紋のような条線がありました。写真ではわかり難いかもしれませんが、肉眼的には指紋のように見えました。

私は思わず「水晶の指紋」という言葉を発しました。きょうのブログのタイトルはそれです。

それから店の中にもうひとつ「水晶の指紋」があるものがある事を思い出し、Oさんとそれを探しました。

探し物は山積みになったコンテナの中にありました。




上の写真がその拡大写真です。





これは折れた六角柱状の水晶の断面にあります。

このような「水晶の指紋」は何を物語っているのでしょうか?

一般に水晶の柱面の条線は結晶成長の断続的な速度の違いで説明できます。条線の個性も面白いものだと思います。それは結晶成長の記録となっており、その個性も水晶の魅力のひとつです。

それから、割れた断面にも「水晶の指紋」が見られました。こちらも何らかの結晶成長の記録になっているはずで、そこから何が読み取れるのか?興味が湧いてきます。

「水晶の指紋」、気になる存在です。


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トランプに飽きたら3Dフラクタル

2016-11-23 12:21:25 | 日記・エッセイ・コラム
今日は変なタイトルです。「トランプに飽きたら・・・」のトランプはアメリカ合衆国次期大統領のトランプさんのトランプではなく、カードゲームのトランプの事です。

今日は本来定休日であるはずの水曜日なのですが、勤労感謝の日という祝日に当たり、営業日となっており、店に出ております。静かな一日となりそうです。

普段、店番をやっていて暇な時には、私はよくパソコンのトランプのゲームをやって時間潰しをしています。お気に入りは「大富豪」(大貧民とも言います。)と「7並べ」です。どちらも簡単なルールで短時間で終わるので、やり易いという理由で病みつきになっております。ただ、どうしても単純なゲームであるが故にすぐに飽きてしまいます。そんな時には麻雀もやっているのですが、コンピュータ相手のゲームはつまらないものです。

で、今日はYouTubeで「フラクタル」という検索をしてみたら興味深い3Dフラクタルの映像がたくさん出てきました。今日はその映像を見て楽しんでおります。

今使っているパソコンは4Kモニターなのでフルスクリーンにしても高画質のまま楽しめます。うれしい時代になったと思います。それらの3Dフラクタルの映像には鉱物結晶の世界に近い映像美があると思います。ゆっくりと方向を変えながらズームアップして様には見たこともない無限世界を彷徨っているような夢幻の快感を伴います。結晶好きで映像好きの私にとってはたまらない映像体験だと思いました。

今日の午後もそれらの映像を自動再生にしてじっくり鑑賞しようと思っております。
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賢治と鉱物

2016-11-20 15:36:03 | 日記・エッセイ・コラム
先ほど小松のサイエンスヒルズこまつに行って参りました。昨日から宮沢賢治生誕120年記念ミニイベント「賢治と鉱物」がエントランスホールで開かれており、その写真を撮る為です。本日は国立天文台副台長の渡部潤一さんの「賢治作品の中の宇宙」という講演会が開催されたようで、その講演会に合わせてのミニ展示という事で、展示されている鉱物は「石の華」が提供しました。







渡部潤一さんの講演は私も過去に名古屋大学で一度聴いた事がありますし、「賢治と宇宙」というテーマでは、先日放送されたNHKBSプレミアム「コズミックフロント☆NEXT」の「銀河鉄道からのメッセージ 宮沢賢治の宇宙論」という番組を見ましたので、興味津々だったのですが、やはり、今回は遠慮しました。



今回の「賢治と鉱物」のミニ展示は今度の水曜日(23日)までの特別短期展示です。その写真を撮っていると、サイエンスヒルズこまつの関係者から今朝の北陸中日新聞のかが白山版に記事が掲載されたという話があり、そのコピーを頂きました。うれしい事です。











今日のブログの写真はそのミニ展示の様子です。

なお、展示されている鉱物は基本的に「石の華」の商品なので、ミニ展示が終わった後は「石の華」で購入可能です。

それからヒルズショップ内の「石の華」コーナーの写真も出します。こちらはヒルズショップで購入できます。





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8K「ルーブル永遠の美」

2016-11-15 14:30:43 | 日記・エッセイ・コラム
昨日の昼間、チョッと店を抜け出してNHK金沢放送局に行ってきました。その目的は昨日公開された「ルーブル永遠の美」(8K作品)を見る為でした。

自宅からNHKまでは自転車で行きました。NHKに着き駐輪場を探していると、警備のお仕事をしている知人のTさんからお声が掛かり、入り口付近に留めさせていただきました。今回の番組公開もTさんからの情報で知りましたので、Tさんに感謝です。Tさんは玄関横の特設会場に案内してくださり、そして最前列中央の席を勧めてくださりました。8Kの大画面では最前列でも走査線やドットを気にしないで見れますし、音響的にもその場所が最適だそうです。もっとも、平日の午後2時だったせいか、観客は誰もいなく、私ひとりの贅沢な貸し切り状態で番組を見る事ができました。

番組内容も非常に贅沢でした。ありえない誰もいないルーブル美術館でクレーンを使ったありえないアングルと移動撮影で、それも8Kの最高画質映像で人類の至宝の数々を独り占めできました。

その番組を見ているとその昔の「NHK特集ルーブル美術館」(1985年4月から1986年4月にかけてNHK総合で放送された)を思い出してしまいました。その番組はNTSC地上波アナログ放送でしたが、妙に高画質だったと思います。音楽もエンニオ・モリコーネの抒情的な曲が使用されており、今でも頭の中でそのメロディーが流れてきます。

さて、番組ではルーブル美術館の定番、サモトラケのニケやミロのヴィーナスが出てきます。(余談ですが、近鉄榊原温泉口駅前にあるルーブル彫刻美術館を思い出してしまいます。そこはB級スポット的なレプリカ展示美術館なのですが、ルーブル美術館に行った気になってしまう決して侮れない施設だったと思います。さらにそこに併設している宝珠山 大観音寺では驚異的な文様石の数々が楽しめたと思います。)

それとカノーヴァの「アモルの接吻でよみがえるプシュケ」も様々なアングルで登場しました。8KのHDR(ハイダイナミックレンジ)では立体的な臨場感も再現できていました。早く、自宅でも見れる時代が来て欲しい、と思います。

絵画ではフラ・アンジェリコの「聖母戴冠」やヤン・ファン・エイクの「宰相ロランの聖母」やフェルメールの「レースを編む女」などが紹介されました。肉眼を超える解像度の映像では、細かな金細工や背景に描かれた小さな遠くの人々や目では気付かない細い線の細部までが映し出され、作者の意図まで読み取ることができました。それは恐るべき高解像度だと思いました。

ただ、8K時代になるとその高解像度ならではの見え過ぎるという弊害も危惧されます。それは作品の経年劣化による汚れや修復の跡や傷やひびまでもが鮮明に映し出されます。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」などは番組の制作意図に反して余計なところが見え過ぎてしまうのです。もしかすると芸術的な感動は見え過ぎない方が良いのかもしれません。と、同時に、皮肉なことながら番組タイトルとは裏腹に「永遠の美」などは存在しないという事を悟ったような気がしてしまいました。

思うに、見え過ぎない方が良い場合もあるのです。芸術的感動は作品そのものにあるのではなく、鑑賞する側のイマジネーションの中にあるのです。

ところで、8Kの高解像度には顕微鏡的な機能があるような気がします。大画面で見る肉眼を超えた細部の映像には鉱物結晶をルーペや顕微鏡で見た時の驚きに近いものがあるような気がしました。

願わくば、「知られざる鉱物結晶の世界」(8K作品)というようなタイトルの番組を見てみたいと思います。それは小さな結晶世界をマクロ撮影して別世界にしてしまうマジックのような映像です。高解像度の大画面で見る結晶世界を想像するとワクワクしてしまいます。

誰か?そのような番組をつくって下さい。お願いします。



今日のブログの写真は「ミロのヴィーナス」のミニレプリカ(RMN フランス国公立美術館連合 制作)です。オリジナルの作品から型取りされ、細かなキズまで本物に忠実に再現されているものです。



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褶曲

2016-11-11 14:01:58 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「褶曲」です。私は地質的な岩や石の褶曲にも石の美を感じてしまう方なのですが、意外にも「褶曲」の文字が出てくる記事は過去に2件しかありませんでしたし、今更ながらタイトルになるのは初めてです。



この写真は先日の石川県鉱物同好会の採集会で糸魚川のラベンダービーチで拾った結晶片岩の転石です。私は翡翠探しをするよりも、石との偶然的な一期一会の出会いを楽しみに探石しましたので、この石の模様が面白いと思い拾ってきました。それがどう面白いかと言うと、その極端な褶曲模様にあります。本来硬いはずの石がこのようにグネグネになった事が面白いのです。それもそのような模様を残したまままた硬い石に戻っております。この石がそこにある為には、まずそのような岩盤の露頭が崩れ、川に流れ、海に流されて転石となったという過去があります。さらに、そのような褶曲模様になってしまうような大きな圧力がかかった変成作用があったのです。それはフォッサマグナの地の石らしい特徴があると思います。


このような石は海だけではなく、姫川の河原でも幾つか見かけました。姫川は石の種類が多い事で有名な川ですが、このような褶曲模様のある結晶片岩も特徴的な石のひとつだと思います。


このような褶曲模様を見ていると、TVや写真で見たことのある巨大でダイナミックな岩肌の映像を思い出してしまいます。この石がそれらのダイナミックな褶曲模様のミニチュア版のようにも見えてきます。



硬い固体の石が柔らかく曲がってしまうのです。それは液体の墨流しのような模様にも見えてきます。さらにさらに、NASAの木星探査機ジュノーが写した木星の極の写真のようにも見えてきます。

面白い事だと思います。褶曲模様は固体・液体・気体を問わず、どんな状態でも同じように現れるようです。

そこには物性(温度や圧力)や時間が関与していると思われますが、そのような変化する褶曲模様には、ある意味、芸術的な美しさがあるような気がします。その美には鉱物を愛でる美意識と同じものを感じてしまいます。

褶曲から感じる美とは鉱物美のひとつと言えるかもしれません。そんな気がしてきました。

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