ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

フローズン・ビール

2016-08-26 13:39:23 | 日記・エッセイ・コラム
今年の夏はいつもよりも暑かったような気がしておりますが、それでも金沢では、西日本のように猛暑日が続く事はあまりありませんので、比較的過ごし易い場所なのかもしれません。今年は雨も極端に少なかったような気がしておりますが、天気予報では久しぶりに雨マークの日が続いています。これも不気味な台風10号の影響なのかもしれません。いずれにせよ、季節は少しずつ秋に近づいております。(ここ数年、秋らしい秋は短くなっているような気がしております・・・)

幸い、私は「石の華」の店内にいる事が多く、店の中は年中空調が効いておりますので、それほど極端な気温差を感じることなく毎日を過ごしております。休みの日が少ないという不満があるものの、比較的快適な環境下に長時間居られるという事はありがたい事なのかもしれません。

さて、この季節、そんな私の密やかな楽しみは何と言っても、自宅で待っているフローズン・ビールです。ちょうど2年前のブログのタイトルは「過冷却」(2014.08.26)で、フローズン・ビールの事を書いておりました。

フローズン・ビールの良さはシャーベット状に凍った泡のシャリシャリとした飲み心地です。私は病み付きになっております。

それは缶ビールを冷凍庫に入れるだけで簡単にできます。過冷却させた缶ビールのタブを開けすぐに勢いよくコップに注ぐと、その瞬間にビールの泡は氷結します。面白いのは日によって上手くいったり、しなかったり、その日の冷却時間とプラス何かの要因で変化するようです。上手くいった日のフローズン・ビールの味は最高で、最初の一口に幸福感を感じてしまいます。

フローズン・ビールのその変化の要因は何なのでしょうか?それは水が液体から固体へと相転移する過程にも似ています。それはアルコール分が数パーセント混ざっているビール(正確には発泡酒)という液体の相転移現象なのですが、過飽和状態の溶体の中から瞬間的に結晶核が成長する鉱物結晶にも相通じている現象だと思います。

鉱物の結晶化とは温度と圧力の違いこそあれ、フローズン・ビールの凍った泡にも束の間の準安定状態という特殊な現象ならではの味わいがあります。

暑い夏ならではの美味、オススメです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮澤賢治と遊ぶ 鉱物の世界 その2

2016-08-19 13:23:21 | 日記・エッセイ・コラム
一昨日、小松の絵本館ホールで開催中の「宮澤賢治と遊ぶ 鉱物の世界」に再度行って参りました。今回は平日という事もあって、誰もいない静かな環境下で、展示物の写真を撮ったり、展示されている貴重な古書に目を通してきました。

多くの写真を撮影してきたのですが、今日はそれらの中から10点ほど厳選して出します。



まず、最初は山本宗則さんが採集した小松市内の岩石コーナーです。



それらの中から私が特に気になった水晶の写真です。この種の形態には無条件で反応してしまいます。



次は古書の数々です。和田維四郎の「金石学」や島津製作所標本部のカタログや「大鑛物学」等々、私も欲しいと思っている本が並んでおりました。思うにこれらの貴重な古書は標本以上に入手困難で、それらを入手出来た幸運を羨ましく思います。新刊本と違って古書との出会いは一回性のものです。その偶然をつかみ取る為の努力もさぞかしだったのだろうと思います。



上の写真は「大鑛物学」に挟み込まれていたものです。方眼紙に几帳面な字で結晶系の事が書かれておりました。恐らく、その所有者だった方が挟んだものだろうと思われます。そのまま古書市場に流れ出てしまったのだろうと思いますが、このような予期せぬものが出てくるところにも古書ならではの面白さがあります。



次は宮澤賢治の作品に出てくる作中鉱物のコーナーから、まず黄銅鉱です。実はこの黄銅鉱は見覚えのある標本で、確か足尾鉱山産のものだったと思います。結晶がモザイク状に重なっており、その様が魅力的だと思います。



そのコーナーには多くの種類の鉱物が並んでいますが、それらの中から霰石の写真を出します。石川県の県の石にもなった恋路海岸産の見事な霰石とスペイン産とアメリカ産の霰石が展示してありました。霰石のバリエーションも多彩で山本さんの審美眼が感じられました。





そのような山本さんならではの審美眼が感じられるコーナーもありました。それらの中から美しい紫水晶が立っている遊泉寺銅山産の水晶の晶洞の写真です。



それからオパールの水槽の中のエチオピア産と宝坂産の遊色オパールです。遊ぶ色、今回の展示会のタイトルにも通じて納得しました。



最後に、存在感のある火山弾です。これは小松市立博物館のバックヤードに入った時に私も見た記憶があります。今回のテーマではなくてはならない存在だと思いました。

展示会場では写真以外の鉱物もたくさん展示されております。非常に充実した展示会で、石好きさんは必見だと思いました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮澤賢治と遊ぶ 鉱物の世界

2016-08-14 10:44:58 | 日記・エッセイ・コラム
昨日、小松市の「空とこども絵本館」で開催中の「宮澤賢治と遊ぶ鉱物の世界」に行って参りました。それは石川県鉱物同好会の初代会長だった山本宗則さんの個人コレクションを元に構成された展示会で、宮澤賢治誕生120年を記念して企画されました。昨日は山本宗則さんの石の解説会が行われており、私は同好会の仲間4人と2回目の会に出席してきました。

そこでは宮澤賢治が物語に織り込んだ石が作中文章と共に展示されており、賢治の作品世界を現実の鉱物標本で表現されていて、石好き+宮澤賢治好きにとってはたまらない展示空間だったと思います。場所も小松市の代表的アール・デコ建築である「絵本館ホール夢の本棚」(旧石川銀行のビルをリノベーションしたもの)で、展示空間そのものも賢治の時代に相応しい所だと思いました。(鉱物に関する賢治の時代の貴重な古書の数々も山本コレクションです。)

また、小松の石文化が日本遺産に認定された事もあって、小松の石コーナーも併設展示されており、あらためて山本コレクションのすごさを感じてしまいました。

石の解説は小松の石コーナーから始まりましたが、その話の中で出てきた花山法皇(小松史上の重要人物)も石好きだったのではないか、という話は特に面白かったと思います。宮澤賢治作品と石の話も興味深い話が多く、あらためて宮澤賢治作品を読み直したい心境にもなってしまいました。

昨日はカメラを忘れてしまって今日は写真無しです。(私はスマホを持っておりません。)展示物が素晴しすぎたので、来週の水曜日(店の定休日)に再度訪れて、じっくり写真を撮ったり、古書にも目を通したいと思っております。

昨日は、石の解説会が終わった後、山本さんと同好会の仲間達と近くの喫茶店で楽しい石談義をしました。その後、金沢に帰り、店に出ました。充実した時間だったと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅鉢のような蛍石

2016-08-05 13:55:25 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「梅鉢のような蛍石」です。

今日のブログの二つ前「5周年」でTYさんから頂いたコメントの中に「金沢風鉱物趣味」と言った言葉があり、その言葉が気になっておりました。その言葉の事を考えていると、店の蛍石のコーナーに「梅鉢のような蛍石」がある事を思い出しました。

今日の写真はそれです。







これはモロッコのEl-Hanman Mine産の蛍石の結晶の集合体です。写真では少しわかりにくいかもしれませんが、真上からと少し斜め上からと真裏の写真で、中心の八面体結晶の周りに五つの八面体結晶が取り巻いております。この集合体を見ていると「梅鉢のような蛍石」だと思ってしまいました。

梅鉢とは加賀藩前田家の家紋「加賀梅鉢」の梅鉢紋の事です。(梅鉢紋のルーツは菅原道真で、天満宮・天神に関係している家柄の家紋らしい)

金沢にいると、この梅鉢はいつでも至る所で見かけるマークで、無意識的に日常的に見ており、ある意味、金沢風な図形と言えると思います。

そのような環境下にいて写真のような蛍石の集合体を見ると、それが立体的な梅鉢のように見えてしまうのです。

「梅鉢のような蛍石」が店の中にある事自体は偶然かもしれませんが、「金沢風鉱物趣味」の一現象のように思えました。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太陽ルチル

2016-08-01 12:58:54 | 日記・エッセイ・コラム
今日から8月、暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。北陸は、冬場は雪か雨の日が多いのに対し、夏場は晴れの日が多く暑い日が続きます。今年は冬には雪が少なかったし、梅雨も梅雨らしい梅雨ではなかったので、水不足が心配になってきます。大雨は困りますが、それなりの雨も降って欲しいと思います・・・。

そんな願いも空しく、今日も太陽はさんさんと照りつけています。

今日の写真は「太陽ルチル」(ブラジル産)です。



太陽ルチルは好きな石です。過去にも幾つかあったのですが、人気のある石なので全て売り切れてしまいました。現在、店にある太陽ルチルはこれ一個です。

これは今年の新宿ショーで仕入れたものですが、そのルチルの太さと形のバランスとサイズ感に一目惚れしました。これで母岩の石英部分が透明度の高い水晶であると、相当高価になると思います。この太陽ルチルもそれなりに高価なのですが、目立つ存在なので、店の正面のシューケースに入れてあります。そう簡単には売れず、当分は残っていると思われますので、ご来店の際には現物を見る事ができると思います。

暑い日に太陽ルチルの話題なのか!と思われそうなので、結晶ネタで涼しくなる映像を見つけましたので紹介したいと思います。

それはSONYの4KのCM映像で、シャボン玉が凍っていく様が出てきます。Web検索ですぐ見れると思います。

それとお気に入りはその映像に関連して出てきた【freeze】神秘的!シャボン玉が凍る瞬間映像【soap bubbles】 という映像です。見ていると亜鉛華の結晶にも似て、鉱物結晶好きの方のもオススメです。

今日は太陽ルチルから凍るシャボン玉映像の話で締めくくります。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする