ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

辻家庭園

2016-06-30 13:29:27 | 日記・エッセイ・コラム
昨日の定休日、以前から気になっていた「辻家庭園」に行ってきました。「辻家庭園(旧横山家庭園)」は尾小屋鉱山開発で財を成し、「北陸の鉱山王」、「金沢は横山で持つ」とまで言われた横山家の全盛期に巨費を投じて造られた迎賓館施設の庭園部分で、日本近代庭園の父といわれる庭師7代目・小川治兵衛が設計した庭園です。2004年に金沢指定有形文化財に登録され、2013年に結婚式場・レストランとしてリノベーションされておりました。

今年はちょうど横山隆興氏の没後百年に当たり、鉱物趣味的に尾小屋鉱山に興味を持つ者にとっても記念の年でもあって、また、昨日はちょうど妻の誕生日でもあって、チョッと贅沢なアニバーサリー・ランチを楽しんできました。

ランチは懐石料理となっており、季節感あふれる一皿一皿が視覚的にも味覚的にも美味しく、ゆっくりとした時間の中で特別な休日を過ごす事ができ、満足できました。

ランチの前にはすばらしい建物の中を見学し、ランチの後には庭園を散策しました。そのような贅沢な空間を満喫してきたのですが、今日は写真を1枚だけ出します。

それは料理の写真やお部屋の写真や離れの部屋から見えるすばらしい外の風景の写真ではありません。このブログは石のブログなので、庭園内の庭石の写真かというとそうでもありません。それらの写真も撮りましたが、それらよりも最も印象深く思ったのが滝でした。



上の写真は庭園の奥に流れる滝です。この滝は石川県最古の鉄筋コンクリート工法の石組で、富士山の溶岩(黒朴石)が使われているようです。どうでしょうか?それが人工的な滝には思えません。岩も植物も自然と同化しており、庭園になる前からその場にあったような気になりました。それはそのように意図されて造られたのだろうと思いますが、そういう意味でも名瀑だと思いました。

思うに、日本庭園の見どころのひとつは滝だと思います。名園には必ず名瀑があります。ある意味、日本的な自然の象徴が滝にあるような気がします。そもそも庭園とは本来人工的なものなのですが、それはできるだけ自然を模したものを目指して造られており、その中の最も重要な部分が滝にあるような気がします。

「辻家庭園」でも滝はこだわりの一つであって、作庭当時は、犀川を運河として使っていたともいわれているそうです。

そうそう、ランチを終える時に、尾小屋鉱山産の黄銅鉱の鉱石か水晶が残されていないか?をお尋ねしてみましたが、残念ながらそのようなものは残っていないようでした。

ちょうど先週に、小松の大正時代の古民家で見た遊泉寺銅山産と思われる水晶に出会ったばかりだったので、二匹目のドジョウを期待しましたが、やはり期待外れでした。

それはそうだったものの、「辻家庭園」は建物も庭園も料理もサービスも十分満足でき、良かったと思いました。



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小松の石

2016-06-24 12:57:14 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「小松の石」です。過去に「小松の石材」、「小松の石文化」というタイトルで書いた事がありましたが、「小松の石」は初登場となります。このブログ的には「小松の石」が本命となります。

今朝の北陸中日新聞・朝刊の地方面「かが白山」に知人でもある村中他家雄さんの「小松の石」コレクション展の記事が載っておりました。どうも粟津温泉の書店で開催されているようで、日本遺産認定を受けての企画のようです。このような個人レベルでの情報発信は好ましく、このような企画の連鎖反応を期待したいと思っております。

村中さんのコレクションは石川県鉱物同好会の第1回採集会の際にも見に行った事があります。石専用の小屋と蔵に多くの石が展示されてあり、それらの質と数に驚きました。今回の展示はそれらの中から選ばれた12個が展示されているようですが、私もまた見に行きたくなってしまいました。

村中さんレベルの個人コレクションは非常に珍しいと思います。愛石歴45年以上というキャリアは中々真似できない事だと思いますし、(私の鉱物趣味歴はまだ20年足らずです。)、そのようなコレクションこそが真の日本遺産に相応しいものだと思います。

どうも「小松の石」の名品は博物館だけではなく、村中さんのような個人宅に秘蔵されている場合があるようです。

実は、一昨日の定休日に所用で小松に行ってきたのですが、遊泉寺銅山近辺のある民家で、偶然に思わぬものを発見しました。その写真を撮る許可をもらいましたのでその写真を出します。



上の写真がそれです。恐らく、それは近辺の遊泉寺銅山産の水晶だと思われます。そこは大正時代に建てられた古民家だったので、もしかすると鉱山稼働時代のものかもしれません。

実際にそのようなものを見ると、もしかすると、周辺の古民家にもまだまだ知られざる名品が眠っているような予感がしてしまいました。

今回の日本遺産認定の機会にそのような眠っている「小松の石」の名品が続々出てくる事を期待したいと思います。

一昨日は、久しぶりに十二ヶ滝にも行ってきました。滝はいつも通りでしたが、新しい駐車場が整備されていて、チョッとした景勝地になったような気がしました。



その後、その近くの「花・水・樹」でお茶しました。「花・水・樹」のコレクションも展示替えがあり、その写真を撮りました。





上の写真はそれです。やはり、いつ見ても立派な重晶石には見惚れてしまいます。

それらを見ているとまたフッと思いました。

まだまだ知られざる「小松の石」があるはずだ!それらが日の目を見る日が近いように思えます。
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銅(かね)に咲く華(はな)

2016-06-13 14:28:48 | 日記・エッセイ・コラム
先ほど石川県立図書館に行って参りました。(本好きの私でしたが、県立図書館にはこれまで縁がなかったようで、実は初めて行きました。)その目的は最近になってその存在を知ったある一冊の本に出合う為でした。今日のブログのタイトルはその本のタイトルです。

現在、石川県立図書館で第229回企画展示「石の文化」(祝日本遺産認定)が行われています。この企画展示の事は小松市立図書館でも行われている「小松の石文化」のミニ展示に置いてあった資料で知りました。その資料の中に気になるタイトルの本が載っておりましたので、その本を見たいと思いました。

その本のタイトルは「銅(かね)に咲く華(はな):尾小屋鉱山写真集」(北 幸作 著 1982年)です。なんと魅力的なタイトルでしょう!!私はこれまでそのような本の存在を知りませんでしたし、そのタイトルから尾小屋鉱山産の黄銅鉱の美しい結晶写真を期待しました。これはどうしても見なければならない、と思い期待感いっぱいで行って参りました。

その本は県立図書館3F閲覧室の企画展示コーナーのガラスケースの中に入っておりました。私は図書館の人にその本を見たいと申し出ました。すると、ガラスケースは空けられないので、同じ本が書庫にないか探してみます、というお返事でした。そして、「石の文化」の企画展示を見ていると、しばらくして、もう一冊あった「銅に咲く華」を出してくれました。貸し出しは出来ない、との事でしたので、その場でしばしその本を見ました。

「銅に咲く華」は思っていたよりも立派な本でした。その本は何となく高校の卒業写真アルバムのような感じのする写真と資料から成り立っているものでした。そこには尾小屋鉱山の盛衰を物語る貴重な写真が多く、写真に写っている人物の名前や建物の場所を追跡調査されており、その地に生まれ育った著者ならではの大作だと思いました。

ただただ、私にはその昔の尾小屋鉱山の記憶がわずかに残っているものの、その地に生まれ育った訳ではないので、そのような写真集を見てもそれほど心に響いてきませんでした。

私の鉱物趣味の原点は小さい頃の遊泉寺銅山の紫水晶と尾小屋鉱山の黄銅鉱でした。そんな私にとって「銅に咲く華」という本は貴重な本である事には変わりないはずです。

どうしてそれほど感動しなかったかというと、それは期待していた美しい黄銅鉱の結晶の写真が載っていなかったからです。その写真集の写真は鉱山関係者の人物や鉱山施設の建物などから成り立っており、「銅に咲く華」というタイトルからイメージされる鉱石の写真はなかったのです。残念でした。

また、フッと思いました。もしかすると、鉱物美を愛でる鉱物趣味的な文化は当時からなかったのかもしれません。だから、そのような写真も載っていないのかもしれません。

確かに、尾小屋鉱山産の黄銅鉱の美結晶の標本は極端に少ないように思います。尾小屋鉱山規模の鉱山ならば、標本価値の高いものはたくさん産出したはずです。ところが、感動するほどのものにはまだ出会っておりません。もしかすると、そのような価値観は当時からなかったからなのかもしれません。それは産業的な銅を産出する鉱山だったからで、鉱物美を愛でるような余裕がなかったのかもしれません。

鉱物美を愛でるという鉱物趣味は主に欧米の王侯貴族から始まったという歴史があります。それはごく少数の限られた人達だけの贅沢な趣味だったのです。今では日本でも毎月どこかでミネラルショーが開催されるというほどに社会浸透してきたと思います。ようやく、そのような時代に達した訳で、そのように考えると、近代化の為の銅の鉱山では、あくまで産業的な銅の生産が主な目的だったはずで、鉱物趣味的な標本を残す余裕はなかったのかもしれません。だからこそ、そのような写真も撮られなかったし、標本としても残らなかったのかもしれません。

ちなみに「銅に咲く華」は出版当時の値段が2万円となっておりました。恐らく、発行部数も少なかったのだろうと思います。古本市場では見かけたことはありませんが、もし出てくるとすると幾ら位になるのでしょうか?

そうそう、同じような鉱山本の新刊があります。

それは「市之川鉱山物語 」( 2016/5 田邊 一郎 著)です。私は、現在、注文中です。

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日帰り東京出張

2016-06-05 12:02:08 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「日帰り東京出張」です。

昨日は日帰り東京出張しました。飯田橋のミネラルマーケットと新宿の東京国際ミネラルフェアでの仕入れの為です。久しぶりの東京は人が多くて、毎日が金沢でいう百万石まつり・盆正月なのだと思いました。

昨日の収穫はすぐに北陸新幹線の車内でありました。席にあったJR東日本の車内誌「トランヴェール」の特集が「宮城に吹く金色の風」となっており、さまざまな金を探す旅が紹介されておりました。特にモンスターゴールドの話題と鹿折金山、大谷鉱山、玉山金山の紹介ページを興味深く読みました。モンスターゴールドはゴールデンウィーク中に放送された「発掘!お宝ガレリア」(NHK総合)という番組でも見て、印象深く思っていましたので、追加情報としても貴重な記事だと思いました。

「トランヴェール」を読んでいて、フッと思いました。これは日本遺産となった「小松の石文化」のPR手段のお手本のひとつと成り得るのではないか!という事です。世界文化遺産登録となっている平泉の黄金とは格の違いこそあれ、日本遺産の主目的は地域活性化を目的に文化財群を国内外に発信する事です。JRの車内誌とはいえ、内容の濃い特集は読み応えがあり、そこへ行ってみたいという気持ちになりました。そのような媒体に密度の濃い内容の記事を掲載する事は十分に検討に値する事のように思えます。それは監視カメラを付けたり、見回りパトロールで人を寄せ付けないようにする事とは違って、人を呼び込み、地域活性化に役立つはずだと思います。・・・。

さて、ミネラルマーケットは毎年の事ながら大勢の鉱物マニアで混み合っていました。いつもの事ながら、もっと広い会場で開催して欲しいと思います。今年は関西のSさんの初出店という新鮮味がありました。(中沢晶洞の巨大トバーズが気になりましたが・・・手が出せませんでした。)会場では野呂輝雄さんと待ち合わせ、もうひとり若い男性と3人で外の喫茶店でお茶しました。このような情報交換は東京出張ならではの貴重な時間です。小一時間、有意義に過ごしました。

午後は新宿に移動して東京国際ミネラルフェアに行きました。こちらも老若男女の石好きさんで混み合っていました。こちらは出展者がほとんど変わっていないので、いつも通りの回り方で、それなりの仕入れをしました。会場では偶然に山田英春さんに出会いました。数分間、立ち話をしましたが、このような立ち話ができるのも東京出張ならでは、だと思いました。

今回も予算いっぱいの仕入れをして、北陸新幹線で帰りました。今回もそれなりの収穫はあったと思いますが、ただ、やはり日帰り出張は疲れました。


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フレーム切手

2016-06-02 13:10:29 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「フレーム切手」です。

先ほど、愛知県のKさんからうれしい郵便物が届きました。その中には「奥三河の大地に眠る石の華」という鉱物フレーム切手が入っておりました。このフレーム切手の事は、このブログの「石の華」(2013.03.29)に書いており、そのPRの御礼という事で送って下さったようです。本当にありがとうございます。

今日の写真はそれです。



現在の私は切手コレクターではありませんが、かつては切手コレクションをしていた事もあり(このブログの「鉱物切手」2013.01.25参照)、それをまだ持っていなかった事もあって、非常にうれしく思いました。

それから、同封されていたお手紙には興味深い事も書いてありました。それはこのフレーム切手の第2弾「東三河の大地に眠る石の華」が今年の11月頃発行予定、となっておりました。今から非常に楽しみです。

諸外国に比べると日本では鉱物切手の発行が極端に少ないと思います。そういう意味で、この2種類のフレーム切手は非常に貴重品と言えそうです。

そう言えば、確か白山手取川ジオパークが認定された時にそれを記念してオリジナルフレーム切手が発行された、と記憶しております。私もそれを持っておりましたが、切手好きのお客さんにお譲りした事を思い出しました。そのような種類の記念にフレーム切手発行という事はアリだと思います。

そうそう、先日の日本遺産「小松の石文化」もその認定記念にフレーム切手発行という手もあるのかもしれません。さらに「県の石」を記念するフレーム切手の発行もアリだと思います。

チョッと調べてみると、意外にフレーム切手発行のハードルは低いようです。極端な話、個人でも貴重なコレクション等をフレーム切手にする事も可能のようです。

実際、Kさんは郵便局の関係者ですが、「奥三河の大地に眠る石の華」の鉱物標本はKさんの個人コレクションらしく、私はその事実に驚いてしまいました。

これから今後、どんな「フレーム切手」が発行されて来るのか?情報アンテナをはっておきたいと思っております。


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