ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

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三角形

2015-10-30 14:02:11 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「三角形」です。このブログでは過去に「五角形」、「六角形」、「七角形」、「八角形」というタイトルで書いた事がありましたが、意外な事に「三角形」というタイトルは初めてとなります。

今日の写真はこれです。





これは天竜川だったか姫川だったか?忘れてしまいましたが、どちらかの河原で拾った石です。川で拾ったと言っても私の子供の頃の事ではなく、今から5、6年前位の「石の華」を始める前に拾った石だと思います。(これは売り物ではありません。)岩石名としては緑色片岩で、日本では三波川変成帯という中央構造線の外帯に接する変成岩帯で広く分布している石です。それは石川県庁舎の正面にある「石川県庁」という文字が彫り込んであるあの有名な石碑と同じ岩石です。また、伊勢の二見浦の夫婦岩と同じ岩石でもあり、石材としては伊勢神宮の内宮直前の石階段にも使われており、岩石的にはそれほど珍しい石ではありません。

私がこの石を拾ったのは岩石的に珍しいからではありません。その理由はその形状からです。それを河原で見つけた時はその石の存在感は圧倒的でした。他の石が不定形に丸みを帯びたものが多い中で、この石だけが美しい正三角形をしていたのです。それは一辺が約6cm、川石らしくやや丸みを帯びていますが、それを手に取ると妙に馴染んで、私は思わず拾ってしまいました。

このような「シンプルなかたち」の石を見つけたなら、建築家ル・コルビュジエなら間違いなく同じように拾ったであろう、と思います。恐らく、バックミンスター・フラーやブルーノ・ムナーリのような「三角形」に特別な感情を抱いていたであろう人達も同じように拾ってしまうであろう、と思います。

三角形、特に正三角形にはそのシンプルな形状に特別な美しさがあり、また特別な意味が隠されています。それはミクロの結晶世界からマクロな宇宙の世界に至るまで共通している根源的なカタチなのです。



上の写真はロシアのダルネゴルクス産の黄銅鉱の結晶です。その山の等高線のようにも見える正三角形の結晶丘の雰囲気がたまりません。鉱物好き、特に結晶鉱物好きはその規則正しい階段状の形状に反応してしまうようです。

鉱物のこのような正三角形は肉眼サイズだけではなく、イオンサイズの結晶構造にも正四面体や正八面体の一面のカタチとして現れます。また、長石グループや柘榴石グループの連続固溶体の分類概念図にも正三角形が使われるなど、鉱物の理解には欠かせないカタチだと思います。

それから、鉱物的なミクロよりもさらに小さいクォークの世界でもクォーク3種類1組で「グルーオン」と呼ばれる強い力によって正三角形を作ってクォーク同士が結びついているようです。どうも「三角形」は物質の基本図形となっているようです。

さらに宇宙的なマクロへ視点を移しますと、宇宙の果てを解き明かすためのキーワードは「三角形」だと言われます。先日放送していたNHK-Eテレの「サイエンスZERO」(徹底解説!?“宇宙の果て”に迫る!)では、宇宙に「三角形」を描く事で、宇宙の果てを知る事ができると、説明しておりました。その検証の結果は宇宙の果ては無くどこまでも無限に広がっている!という結果でした。ただ、そこでは数学的に無限であると考える、という事らしく、宇宙全体のカタチは不可知だとしておりました。

そう言えば、数学的な無限には濃度の違いがある事が知られており、それを見出したゲオルグ・カントールの連続体仮説は通常の数学の体系からは「証明も反証もできない」ことが証明されている、そうなので、無限はそう簡単なテーマではありません。無限はイメージする事も難しく、考えるのもやっかいなテーマだと思います。

「三角形」とは最も「シンプルなかたち」であり、物質的にも基本図形となっているようですが、宇宙の事を考えると無限というやっかいなテーマに繋がっていて、「知の限界」を知らしめる特別なカタチなのだろうと思います。




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99,999PV

2015-10-24 11:51:26 | 日記・エッセイ・コラム
先ほど、このブログのアクセス状況が閲覧でトータルで99,999PVとなっている事に気づきました。という事は、既に10万PVを越えている、という事になります。

以前のOCNブログ人では「アクセス10万件突破!」(2013.07.22)という記事で、1年5ヶ月かかった、という風に書いていましたので、現在のgooブログはまだ1年に達していない事を考えると、以前の約1.5倍の早やさで達した、という事になりそうです。(OCNブログ人時代の総アクセス数は182,000PVでしたので、トータル282,000PVを達した、という事になり、ここまできたら、次は300,000PVを目指そうと思います。)

ブログを続けていると、どうしてもアクセス数の数字が気になってしまいます。ブログとは、本来、書きたい事を好きに書いているだけなのですが、日記と違って、それらを公開している訳ですから、どうしても読者の事が気になります。どんな人がどんな思いでアクセスして来ているのか?気になるところですが、アクセス解析だけでは詳細はわかりません。ただ、検索キーワードやページごとの閲覧数をみると、読者がどのような事に興味を持ってアクセスして来たかがわかり、その事がこちら側では興味深く思います。

ブログの良さはそのような双方向性にあるのだろうと思います。その双方向性はSNSのような濃いコミュニケーションとは違い、疲れる事はありません。興味のない些細な日常に反応する必要性もなく、テーマも自分なりに絞れるところも良いと思います。

店をやっていると多くの人が店の前を通って行きますが、大半の人は石には興味がないようで、そのまま通り過ぎて行きます。それはそれで良いのです。石に興味を持っている少数の方だけが店の中に入ってきます。それがありがたいのです。

ブログも同じです。検索か何かでこのブログに辿り着いた方々の存在をありがたく思います。今後とも宜しくお願い申し上げます。

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地球のキセキ

2015-10-22 12:44:23 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「地球のキセキ」です。

昨日は水曜・定休日だったので、以前から気になっていた「こども歴史文化館」に行って参りました。「地球のキセキ」とはそこで現在開催中の「人と石のワンダーランドPart3 北川隆司鉱物コレクション」のタイトルです。その特別展は先週の土曜日から始まっており11月29日(日)まで開催中です。

「北川隆司鉱物コレクション」は既に2年前から全国巡回中で以前から気にはなっておりましたが、私は今回が初めての見学となりました。気になっていながらも、なぜこれまで見に行かなかったかと言うと、それは2年前に東海大学出版会から出版された「教授を魅了した大地の結晶」という本を読んでいたからで、その本の印象がそれほど魅力的ではなかったからです。ただ、今回初めてそれらの現物を目にしましたら、それらは非常に魅力的な標本だらけでした。写真の印象と現物とはずいぶん違うものだと驚きました。それらの中で特に驚いたものは島根県松代鉱山産の霰石でした。今日の写真はそれです。



何に驚いたかと言うと、その大きさです。北川コレクションは大型標本が多い事で有名でしたが、そのようなサイズ感は本の写真では伝わって来ませんでした。今回、現物を目にして、そのサイズ感に驚きました。やはり、鉱物標本は現物を見ないと、その良さはわからないものだ、と思いました。

今回は大型の透石膏と並んで展示してありましたが、透石膏のサイズにはそれほどの驚きはなかったものの、逆に霰石のサイズが際立って大きく存在感が感じられました。今回はまた3Dカメラを持参しましたので、写真撮影の許可を得て、その霰石の立体写真を撮りました。このブログではその立体写真の立体感を表現できないのが残念ですが、3Dカメラのモニター画面では現物を見た実体感が伝わってきます。

鉱物の良さはやはり現物なのだ!と思います。写真ではそのスケール感が中々伝わらないのです。写真ではある時は現物よりも貧相に、またある時は、マクロ撮影のマジックにより、現物よりも立派に写ります。鉱物写真は現物とは別物なのです。そこには撮影テクニックの良し悪しで、原物よりも良く見える事も悪く見える事も両方あるようです。(インターネットのネット通販やオークションなどで写真だけで鉱物を判断する事は非常に危険です。)

今回は霰石以外の写真も撮りましたが出さない事にします。やはり、現地に行って現物をご覧になって下さい。展示は北川隆司コレクションだけではなく、今回の特別展オリジナルの鉱物展示もたくさんありました。鉱物好きの方なら大人でもワクワクしながら見る事ができると思います。

そうそう、最後に1枚だけ写真を出します。それは今回の展示用に「石の華」から貸出したインド製のアクリル結晶模型です。中川宏さんの木製結晶模型と共に並べて展示してありました。うれしく思いました。



今回の展示はその展示方法に共感が持てました。恐らく、そこには私と同じような美意識があったからだと思います。見終わって満足感が得られました。


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異変

2015-10-20 16:06:01 | 日記・エッセイ・コラム
今日は「異変」です。当初、「変化」というタイトルにしようと思い、このブログ内検索で「変化」というワードを検索してみると、予想外に多くの記事が出て来ました。それは石のブログなので、「カラーチェンジ」や「晶癖の外形変化」といった話題や、「変成岩」や「変化に富んだ地形」といったワードを使う話題があるからで、「変化」というワードはそれなりの頻度で使っていたようです。それで「異変」というワードで検索し直すと、出て来たのは1件(「ペルム紀」のみ)だけでしたので、今日のタイトルは「異変」とします。

「異変」と言っても地球規模の大袈裟な現象の事ではありません。それは身の回りで起きている些細な「異変」の事です。

つい最近、店の近くの駐車場の料金が高くなっている事に気づきました。近くの自宅周辺の駐車場の料金は変わっていないのですが、そんなに距離が変わらないのに、金沢駅にチョッと近いというだけで1時間料金が3倍高いのです。これは大問題です。

確かに以前駐車場だった場所が建築中の飲食ビルになったりして、駐車場不足という需給バランスが変化しているという現象も理解できるのですが、その値上げ率が適正なものなのかは疑問です。

このところ、何となく県内のお客さんが少なくなったような気がするのも、もしかするとそのような要因も一因かもしれません。

どうも駐車場料金と同じような「異変」は駅周辺のホテルの宿泊料金にも起きているようです。先日のシルバーウィークの際のホテルの料金高騰は「異変」といっても過言ではない現象だったと思います。そして、そのような現象は週末を中心に毎週のように慢性化しつつあり、このような「異変」は今後も続く可能性が高いと思われます。

それから、以前は外国人と言うと主に台湾からの団体旅行者が大半だったのですが、最近は世界各国の様々な外国人の姿を良く見るようになって来ました。このような「異変」は国際化の遅れていた地方都市にとっては歓迎すべき現象なのかもしれませんが、外国人旅行者の為に店を開いている訳ではない「石の華」のようなマニアショップにとってはそれほど歓迎すべき現象ではありません。

また、百万石祭りや金沢マラソンのようなイベントや盆正月の駅周辺の交通規制も歓迎すべき現象ではありません。

これらの「異変」の主な原因は、やはり新幹線にあるように思えます。このような「新幹線効果」は歓迎できません。新幹線は東京へのアクセスが良くなったという利点があるものの、それほど頻繁に東京へ行く用事の無い「石の華」としては駅前という立地条件は考えものです。実際、東京からのお客様は以前と比べてそれほど増えているという実感もありません。

今後、このような「異変」にどのように対処すべきなのか、それが問題です。



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白山初冠雪

2015-10-15 13:18:01 | 日記・エッセイ・コラム
昨日も定休日で快晴だったので、2週連続で白山白川郷ホワイトロードをドライブしてきました。先週は紅葉には少し早すぎたのと白川郷まで降りずに途中で帰ってしまったので、今回は白川郷の温泉を目的に完全通行してきました。

昨日はちょうど白山初冠雪の日に重なってしまったようで、先週とは違った白山の景色を楽しめました。白山はやはり名前通りに白い山の姿が美しいと思います。今日の写真はそれです。カメラは3Dカメラを持っていきました。2枚目の写真はカメラのモニター画面で見ると手前のススキの穂、一部紅葉した広葉樹、手前の山脈、そして初冠雪の白山へと奥行き感が感じられる写真となっております。





現地ではNHKのカメラ取材のスタッフを見かけました。そして、昨日の夕方のローカルニュース枠で彼らの撮った映像を見ました。それを見ながら、偶然ではありましたが、ニュースの放送前に生の初冠雪を見たのは初めての経験だったと思いました。

今回もふくべの大滝の駐車場でクルマを停めましたが、やはり先週よりも混雑しておりました。紅葉の最盛期の土日には大渋滞が予想されます。こんな時は水曜日が定休日で良かったと思います。





3枚目と4枚目の写真は標高が高い場所の紅葉です。わずか1週間でずいぶん紅葉が進んだ気がしました。

今回は岐阜県側の道も通りました。白山白川郷ホワイトロードは風景的には石川県側の勝ちだと思いますが、道路そのものは岐阜県側の方が整備されているような気がしました。

昨日は白川郷の湯で温泉に入り、昼食を食べました。

午後は白川郷を観光しました。白川郷ではちょうど「どぶろく祭り」開催中で多くの観光客で混雑しておりました。

次の写真は美然ゆめろむ館という所で買ったイチイの木の板です。その板の曲水模様のような木目が気に入って購入しました。尾形光琳の紅白梅図の模様を連想してしまいました。このような木の板のスライス模様も瑪瑙のスライス模様と相通じる面白さがあると思います。



美然ゆめろむ館ではややグロテスクながらも見事な木の造形作品が飾られており、それらを3Dカメラで撮影しました。次の写真はその中の1枚です。このブログではその立体感が表現できないのが少し残念です。



「どぶろく祭り」は行列だけを見て、神社の境内での催しの方はパスしました。

昨日はその後、五箇山を観光して、一般道で帰宅しました。日帰りドライブ旅行でしたが、充実した一日でした。


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