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鉱物の部屋へのいざない

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石の華 雲母1

2012-07-11 11:25:00 | 日記・エッセイ・コラム

今日は雲母1です。

雲母は珪酸塩鉱物のグループです。キラキラ輝くことから、「きら」ないし「きらら」と呼ばれていました。(「忠臣蔵」の「吉良氏」は雲母の産地である吉良荘の名に因っています。)英語名のマイカ(mica)もラテン語(micare)の「輝く」に因んでいます。雲母は輝いています。

雲母の結晶は薄くはがれやすい性質があります。その形は六角板結晶が基調で、菱形や星形にもなります。

今日は菱形の雲母について書きます。

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ブラジル ミナスジェライス州 産のリチア雲母(Lithia mica)

この標本はリチア雲母と長石の共生体で両者の結晶が入り組んで結晶しております。そしてその外観は平行六面体になっており、3枚目の写真が裏から撮ったもので、リチア雲母で囲まれた菱形の枠が見て取れます。

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ブラジル ミナスジェライス州 産の白雲母(Muscovite)

この標本も外観が平行六面体の結晶体で、裏から見ると菱形の枠に菱形の白雲母の結晶が詰まっています。

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ブラジル ミナスジェライス州 産の白雲母(Muscovite)

これは大小相似形の白雲母の菱形板状結晶を並べて撮ったものです。自然の造った美しい菱形の形をしております。

このような雲母の菱形を見ていると、鉱物と菱形の関係を考えてしまいます。

菱形の面を持つ鉱物は他に柘榴石のグループもあります。鉱物の世界では菱形は良く見かける形です。

菱形は自然が好む形のひとつです。そして菱形は空間充填に絡んでいる形のようにも思えてきます。

多面体の世界でも菱形はよく登場します。鉱物結晶の世界の菱形と無関係では無いような気がします。そして結晶世界は空間次元を超えて自然界に現れます。

例えば、菱形十二面体は4次元立方体を3次元空間に投影したものです。2次元充填図形である正六角形は3次元立方体を2次元平面に投影したものです。菱形三十面体は6次元空間における立方体の3次元版とも言われます。

空間次元が高くなるとその形をイメージしづらくなってしまいますが、どうも空間充填というキーワードが結晶世界と高次元多面体の世界を関係付けているような気がします。

そもそも鉱物結晶は空間充填するように結晶成長していくものです。

菱形という雲母の形から鉱物と多面体世界の関連性が少し見えたような気がします。

コメント
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