ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

地球カレンダー

2012-12-30 12:46:50 | 日記・エッセイ・コラム

今日は12月30日、今年の「石の華」の営業は今日までです。本年もありがとうございました。新年は1月2日が初売りです。来年も宜しくお願い申し上げます。

昨年の8月30日に鉱物標本店「石の華」を開店し、2年目も無事続ける事が出来ました。さらに今年は石川県鉱物同好会も発足する事が出来ました。幸せに思っております。

このブログも昨年の10月18日にスタートして、1年以上続いております。アクセク件数も順調に伸びて安定してきました。本当にありがとうございます。

昨年の12月30日のブログは「宇宙カレンダー」にしました。137億年の宇宙の歴史を1年に縮約し、自分の1年に照らし合わせてみました。それと同じでは面白くないので、今年は「地球カレンダー」として私の1年を振り返ってみます。

1月1日 私は小松に行き、母が入所している老人介護施設と妻の実家に行きました。元旦は46億年前の地球誕生です。宇宙誕生からは既に2/3の時間が過ぎています。

2月17日 地球生命の誕生はこの頃だと思われますが、私のこの日は普通の日常でした。

4月15日 私的には石川県鉱物同好会設立総会の日で重要な一日となりましたが、地球史的には特筆すべき事がありません。地球史的にも重要な変動があったかも知れませんが、その頃の事は良く分かっておりません。

6月24日 石川県鉱物同好会の第1回採集会を行いました。地球史的には地球全球凍結が起こったと思われます。

7月18日 私的には普通の日常でしたが、地球史的には真核生物の発生がありました。

10月13日 私は参加出来ませんでしたが、チームリアル小松の鉱物採集ウォーキングが行われました。地球史的には多細胞生物の発生がありました。

11月23日 石川県鉱物同好会の第2回採集会を行いました。地球史的にはオルドビス紀に当たります。その前のカンブリア紀には生命大爆発がありました。

12月12日 私的には普通の日常でしたが、地球では何度かの大量絶滅事件が起き、恐竜が登場した頃となります。

12月26日 この日も私的には普通の日常でした。地球史的には巨大隕石が衝突し、恐竜が絶滅しました。

12月30日 本日です。今年の「石の華」の最終営業日です。地球史的には人類の祖先が出現し、これからあわただしく歴史は動いていきます。

今年もお世話になりました。皆さん、良いお年をお迎え下さい。

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重晶石5

2012-12-29 11:30:39 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「重晶石5」です。

重晶石の魅力は結晶の形がしっかりしており、色や集合の形状が豊富なところにあると思います。

Dscf2977
El Hamman,Ouarzazate Prov.,Morocco 重晶石・蛍石(Barite/Fluorite)

これはモロッコ産の重晶石と蛍石の共生標本です。両方とも結晶の集合体が美しく、結晶好きにはたまらない標本だと思います。経験的にモロッコ産の鉱物には魅力的なものが多いような気がします。そして、それらの標本的なレベルに比べて価格的にも安いものが多いような気がします。

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Elmwood mine,Smith Co.,Tennessee,U.S.A. 重晶石・閃亜鉛鉱(Barite/Sphalerite)

これは重晶石と閃亜鉛鉱の共生体です。閃亜鉛鉱の母岩に半球状の重晶石の結晶集合体がくっついています。この二つの共生標本はよく見掛けます。白い球状結晶と黒い金属的な結晶との組み合わせが魅力的だと思います。

Dscf2985
St.Laurent le Minier, Gard,France 重晶石・閃亜鉛鉱(Barite/Sphalerite)

これも白い重晶石と黒い閃亜鉛鉱の共生体です。重晶石の板状結晶の集合が何かの花のように、あるいは樹氷のようにも見えます。そのような形の結晶になるには何らかの仕組みがあるのでしょうがその詳しい事は分かりません。それは自然の神秘です。

Dscf2983
Belaya Rechka,Caucasus,Russia 重晶石・自然硫黄(Barite/Sulfur)

これはブラウン色の重晶石の微細板状結晶の球状集合体です。黄色の硫黄の微細な結晶が少し共生しております。肉眼的には重晶石の表面がキラキラして輝いて見えます。これも重晶石なの?という面白さがあります。

Dscf2986
中国 湖南省 上堡 産 重晶石(Barite)

これは中国産の重晶石です。特徴的な板状結晶をしております。特に左上の大きな結晶は存在感があります。それの根元には微細な結晶が無数に群がっており、それらの中から選ばれた結晶のみが大きく成長したのだろうと考えられます。結晶世界にも生存競争があるのでしょうか?そんな事を考えさせる標本です。

繰り返しますが、重晶石の魅力はそのヴァリエーションの多さです。重晶石の標本はまだまだありますが、何となく続き過ぎた感じがしてきましたので、これで終わります。










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セレナイト

2012-12-28 13:13:37 | 日記・エッセイ・コラム

昨夜、帰宅途中に月を見ました。北陸の冬場では珍しいと思いました。そして月の周りには彩雲らしきものが見えましたので、スマホのカメラで撮影しました。

Photo

肉眼ではもっとクッキリと鮮やかに見えましたが、スマホのカメラではこれが限界です。これが月彩雲なのか?と思いました。月は満月のように思えましたが、実際の満月は今晩のようです。上の写真には電線も写っていますが、面白い事に電線よりも月の方が手前にあるように見えます。

月で思い出す鉱物はやはりムーンストーンだと思います。ムーンストーンの不思議な青いシラーには魅せられます。ムーンストーンは大好きな石です。ムーンストーンについてはまた後日話題にしたいと思います。

で、今日はセレナイト(透石膏)です。セレナイトは硫酸カルシウムの天然結晶の事で、硫酸バリウムである重晶石に近い存在です。重晶石の話題は小休止します。

Photo_2

この写真は名古屋の太田三郎さんのコレクションのセレナイトです。数年前に太田さんのご自宅にお邪魔した時に撮らせてもらったものです。太田さんは石に銘を付けられて飾っておられます。そのセレナイトの銘は「満月」でした。「満月」とは、言いえて妙、です。そのセレナイトの形は右を向いたウサギの横の姿に見えます。太田さんの審美眼と銘の付け方に唸ってしまいました。

Photo_4

ブラジル ミナスジェライス州 産 透石膏(Selenite)

これはお店に置いてあるセレナイトです。このセレナイトも何となくウサギが右を向いている横の姿に見えて、上の「満月」という銘のセレナイトに似ているような気がします。

そう言えば、セレナイトはギリシア神話の月の女神セレーネーから来ています。もともと月とは関係があったのです。太田さんのセレナイトとお店のセレナイトが似ているのは単なる偶然ですが、満月の日にその事に気づきました。

「砂漠のバラ」という名の鉱物があります。それは重晶石のものもあれば石膏のものもあります。その結晶の形がバラの花のように見える事からその名前が付いているのです。月と砂漠も良く似合います。何だかみんな繋がっています。

似ていると思う事は不思議な精神現象だと思います。その認識には高度な精神活動が働いています。

セレナイトは巨大結晶洞窟で有名なナイカ鉱山産のものが有名です。サイズの割には比較的安い値段で流通しています。親近感のある鉱物だと思います。

満月の日にセレナイトの事を想いました。

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重晶石4

2012-12-27 13:10:19 | 日記・エッセイ・コラム

今朝の金沢の最低気温は-3.9℃だったそうです。今年はいつもよりも寒いような気がします。こう寒いと、つい太陽の黒点の事とか、他の原因の事とかを考えてしまいます。ただし、過去の最低気温ランキングを見るとまだまだ大した事はありません。過去50年間にはもっと寒い日が多かった事が分かります。人間の時間の尺度で暑さ寒さを考えてはいけません。地球史的にはもっともっと激しい気温差の大きい時代があったのです。宇宙的には地球は恵まれた生命のハビタブルゾーンにしっかり入っています。ありがたい環境だと思います。

さて、今日は「重晶石4」です。

重晶石は色や形のヴァリエーションが多く、それでいて比較的安価なものが多いので、重晶石コレクターも多いような気がします。その菱形の板状結晶には魅力的な標本が多いと思います。

Dscf2925

中国 雲南省 産 重晶石・水晶(Barite/Quartz)

これは菱形板状の重晶石のクラスターと水晶のクラスターの共生体です。両方とも白く、複雑に共生しております。今日のような寒い日のイメージに合った標本だと思います。

Dscf2942
St.Georges les Baines,Ardeche,France 重晶石(Barite)

これも菱形板状結晶の重晶石です。よく見ると蛍石のような累帯構造が見えます。透明な淡い灰色がかった青色の筋が魅力的です。

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Taouz,Morocco 重晶石(Barite)

これは少し薄い黄色がかった重晶石です。下からライトを当てて写真を撮ると薄い黄緑色に見え魅力的に変身しました。

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北海道上ノ国町 勝山鉱山 産 重晶石(Barite)

これは国産の重晶石です。勝山鉱山の重晶石は透明感のある淡青色をした美しい結晶で有名です。尾小屋鉱山の重晶石もしっかりした個性がありましたが、勝山鉱山の重晶石は外国産の重晶石に負けない特徴があると思います。やはり国産鉱物には国産鉱物ならではの良さがあると思います。

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十字

2012-12-25 10:43:15 | 日記・エッセイ・コラム

今日はクリスマス。昨年のクリスマスには「十字石」の事を書きました。

今年は「十字」にします。

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水晶(Quartz)

これは水晶のポイントです。この水晶にはルチルと思われる針状結晶がかなり複雑に入っています。それらの中にはクロスしている部分もあり、ある方向から見ると十字の模様が入っているように見えます。写真のアングル以外にも十字にクロスしている部分もあります。これは十字入り水晶と言えそうです。十字はキリスト教においては神聖な形です。この水晶は神聖な水晶と見なされそうです。

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水晶(Quartz)のペンダントトップ

この水晶にはゴールデンルチルの結晶が十字に入っています。最初の水晶には面的な2次元的な十字が入っていましたが、このルチル・イン・水晶には線的な1次元の十字が入っています。これも神聖な水晶といえるかも知れません。

十字はキリスト教文化圏では神聖な形です。

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方ソーダ石(Sodalite)

これはソーダライトの模様が十字に見えました。ブルーの地に白い十字、どこかで見た記憶のある模様だと思って調べましたら、ギリシャの国旗の一部にこの模様がありました。さらに調べるとギリシャ海軍国籍旗がこれそのものでした。これはギリシャ十字というキリスト教で最も頻繁に用いられる十字のひとつでした。このような自然の石の中にもそのような十字が現れる事も面白い現象だと思います。

これらの石の中にある十字を見ていると自然が造り出す妙を感じざるを得ません。それはパワーストーンとは言えないものの、超自然的な現象が起きているような気がしてきます。それは数多くの中のひとつの偶然という事かも知れませんが、そのように見えてしまうこちら側の意識と現実にそれがあるという事が、同時に、ここに一致してある事が不思議に思えてしまいます。

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