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鉱物の部屋へのいざない

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黄鉄鉱4

2012-07-22 10:57:27 | 日記・エッセイ・コラム

今日は黄鉄鉱4として黄鉄鉱の共生の話題です。

黄鉄鉱は鉄と硫黄の化合物で、世界中どこでもどんな環境でも産出するありふれた鉱物です。そのような黄鉄鉱ですから他の鉱物とも共生し易い鉱物です。

思いつくままに黄鉄鉱と共生する鉱物を挙げるならば、まず水晶でしょうか。中には水晶の中に黄鉄鉱の結晶がインクルージョンとして入っているものもあります。そして方解石、蛍石、菱マンガン鉱、エメラルド、等々。そういえば黄鉄鉱のキューブ状の結晶にエメラルドの六角柱状の結晶が突き刺さっている標本を見た事がありますが、それは即決出来なかった為にそれを入手できなかった苦い思い出の標本です。鉱物との出会いは一期一会的なものなのです。

その他、黄鉄鉱は同じ金属鉱物である黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、硫砒鉄鉱、毛鉱、等々とも共生します。さらにラピスラズリのような岩石中にもよく見られます。

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産地不明 黄鉄鉱・水晶(Pyrite/Quartz)

この写真は水晶のクラスターの上に二つの球状の黄鉄鉱が仲良く並んでいます。愛らしい標本だと思います。

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中国産の黄鉄鉱・方解石(Pyrite/Calcite)

この標本は黄鉄鉱の母岩の上に方解石が結晶しています。方解石の方が黄鉄鉱よりその存在を主張しているような気がします。

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ペルー Huanzala 産 黄鉄鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱(Pyrite/Sphalerite/Galena)

この標本はキューブ状の黄鉄鉱の一面に閃亜鉛鉱の結晶が張り付いています。そしてその周辺には小さなキューブ状の方鉛鉱の結晶が散らばって着いています。金属鉱物三種の共生体です。

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ルーマニア産の黄鉄鉱・車骨鉱・水晶(Pyrite/Bournonite/Quartz)

この標本は黄鉄鉱の母岩の上に車骨鉱と水晶の結晶が共生しています。黄鉄鉱は脇役で車骨鉱と小さな白い花のような水晶が主役です。黄鉄鉱の母岩に花咲く可憐な水晶の結晶、なんとも愛らしい標本です。

Photo

アフガニスタン産 ラピスラズリ(Lapis lazuli )

この標本は鮮やかな青色のラピスラズリに金色の黄鉄鉱が着いています。ちょっと白い部分は石英です。ラピスラズリの青に黄鉄鉱の金色は映えます。そのコンビネーションは美しいものですが、やはりその金色よりもラピスラズリの青色の方が目立っています。

黄鉄鉱はその存在感から、鉱物世界の舞台では主役にも脇役にもなりうる役者なのだろうと思います。

黄鉄鉱は今日で終了し、また明日から話題を変えます。












コメント
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